累計経営者579人に取材、掲載社数300ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

金融業界の起業家インタビュー

株式会社キャピタル・アセット・プランニング 代表取締役 北山 雅一

金融情報技術と金融技術2つの最先端スキルを身につけられる

株式会社キャピタル・アセット・プランニング 代表取締役 北山 雅一

※下記はベンチャー通信59号(2015年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「ひとのやらないことをやる」。グループ会社であるソニー直伝のベンチャー精神をもって、業界に革新をもたらし続けるソニー生命保険。2014年1月から本格稼働したペーパーレスの申し込みシステムも、国内生保では初めての取り組みだ。その実現をサポートしたのが、キャピタル・アセット・プランニング(以下、CAP)。開発プロジェクトに発注者側として携わった市原氏と、受注者側の磯貝氏に、両社のコラボがどのようなカタチで結実したのかを聞いた。

IT環境を問わず使えるシステムに

―CAPのサポートを得て開発したシステムの概要を教えてください。

市原 保険を申し込むとき、端末の液晶画面に電子ペンで署名すれば契約できるようにペーパーレス化。その申込情報も含めた顧客についての全データをサーバーで一元管理するシステムを構築しました。
 当社の設立30周年にあたって、各部署からさまざまな提案を募り、採用されて立ち上がったプロジェクトのひとつ。企画部門の発案でした。

―開発プロセスにおいて、どんな苦労がありましたか。

市原 現場のライフプランナー(営業担当者)にとっての使い勝手のよさを追求することです。紙が情報端末に置き換わり、やり方がまったく変わってしまう。抵抗も予想されました。また、当社には代理店チャネルもあります。仮に代理店のスタッフが「こんなもの使えない」と。そうなったら、当社の保険商品を売ってもらえない。営業的に逆効果になってしまうリスクを抱えていたんです。

磯貝 そこで、たとえば電子ペンで液晶画面をなぞったときの質感が紙に筆ペンで記入するのと同じようにするのに大変な努力を重ねました。しかもそれを、現場のIT環境がどうであれ、実現できるようにしなくてはいけない。紙のイメージをパソコン上に再現するのが大変でした。使う現場ごとにネット環境はさまざま。たとえネットワークがつながらないところであっても、同じ質感が出せるように工夫しました。

市原 最終的にはデバイスはグループ会社のソニーのものに決まりました。でも、プロセスにおいては国内外の電子署名で高い技術のあるメーカーに問い合わせるところから始めて、3年以上かけて候補をしぼっていったんです。ちょうどソニーでも2012年ごろから「電子署名用の小さなデバイスを開発しよう」という計画があり、それとコラボするかっこうで進みました。私自身が長野の工場に出向き、現場のエンジニアと話して仕様をつめることもありました。

受注者側のオフィスに 発注企業の担当者が常駐

―両社のスタッフがどんなカタチで協業したのですか。具体的に教えてください。

市原 たいていの開発プロジェクトでは、受注者側のスタッフが発注企業のオフィスに常駐しますが、この案件では逆でした。私たちのほうが東京・永田町にあるCAPさんのオフィスに常駐したんです。
 CAPさんのメンバーは保険会社の業務に精通しています。であれば、わざわざ当社オフィスに来てもらう必要はない。高度な開発環境が整っているCAPさんのオフィスでプロジェクトを進めたほうが効率的です。いちばん多いときで15名くらい、協力会社まで含めると30名近くが常駐。要件定義からカットオーバーまでかかわっていたメンバーは4年ぐらい永田町勤務でしたね。

磯貝 開発においては日々、なにかしら課題は出る。それをメールや電話ではなく、すぐに一緒にディスプレイを見てもらうなどして解決できた。市原さんをはじめシステム部門のスタッフの方も企画部門のスタッフの方も常駐していたので、なにかあればすぐ両者が協議。意思決定が早かったですね。
 私たちの側はいちばん多いときで、大阪も含めて150名ぐらいのスタッフが参画。保険に詳しいスタッフが大阪本社にいたので、私は大阪と東京をしょっちゅう往復していました。

―開発パートナーとしてのCAPをどう 評価しますか。

市原 要件定義からアフターフォローまで、すべての工程にスピード感と柔軟性をもって対応してもらい、助かりました。
 要件定義では、豊富な業務知識をもとに貢献してくれました。たとえば役職ごとにどんな権限を与えるかという問題。当社はライフプランナーの所属する支社組織と代理店チャネルがある。役職の名称や階層構造が複雑ですが、それをすべて把握したうえで、どうシステムに組み込んでいくか提案してくれたんです。
 さらに、アフターフォローでも対応力の高さを発揮してくれました。カットオーバー後、全国のライフプランナーや代理店から「システムが動かない」「稼働が遅い」という問い合わせが入る。そのとき、私たちと一緒になって現場へ行ってくれるんです。そうそう、私と磯貝さんとで現場に出向いたこともありました。

磯貝 ええ、埼玉の拠点でしたね。通常、カットオーバー後の不具合にシステム開発の受注者側が対応するとき、問題が起きたパソコンのログを提供してもらって、そこから原因を分析する。でも、そのパソコンが真の原因でない場合もある。そのオフィス内で共有しているソフトの問題だったり、ネット環境の不備というケースも。だから、私たちの側も現場に行ったほうがより早く的確に解決のサポートができるんです。

市原 チームで不具合の発生した現場に出向き、一つひとつ解決するなかで、ナレッジを蓄積していき、改善を重ねています。その結果、本格導入から1年でペーパーレス使用率は95%。使いやすいシステムだと支持されています。

いかにマイナスを減らすか その努力から革新が生まれる

―今後のソニー生命保険のシステム戦略を聞かせてください。

市原 最先端の技術の導入も追求していきますが、「いかにマイナスを減らすか」ということが重要だと思っています。現場の担当者が気持ちよく使えるシステムでなければいけない。「革新的なシステムを開発し続けている会社」と評価されるのはうれしいのですが、現場から離れたところでまったく新しいシステムを構想しているわけではありません。むしろ、つねに現場に寄り添い、現場で使われることを徹底的に追求した結果、革新的なシステムが生まれるのです。その意味で、ITのことだけでなく、現場のことを熟知しているパートナーがいるというのは心強いですね。

磯貝 私はもともとシステム畑の出身です。金融業務に詳しい社員とチームを組んで仕事をこなしながらFTの知識を身につけました。今後も両方のスキルを活かしながら、より現場で使われるシステムの構築に貢献したいですね。

北山 雅一(きたやま まさいち)プロフィール

1957年、大阪府生まれ。1979年に慶應義塾大学商学部を卒業後、大手監査法人に入所。1990年に株式会社キャピタル・アセット・プランニングを設立、代表取締役社長就任。『金融マンのためのロータス1‐2‐3活用法』(日本経済新聞社)、『PB・FP・資産家のためのエステートプランニングのすすめ』(近代セールス社・共著)、『ウェルス・マネジメント』(ダイヤモンド社・共訳)など著書・翻訳書多数。

企業情報

設立 1990年4月
資本金 1億5,300万円
売上高 1,271億円(2014年9月期:決算期変更のため半期決算)
従業員数 152名
事業内容 銀行・証券会社・保険会社向けシステムの開発、資産管理システムの使用許諾および資産管理コンサルティング業務、相続対策戦略立案実行
URL http://www2.cap-net.co.jp/

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