累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

スマホ・ソーシャル業界の起業家インタビュー

テレックスグループ 代表取締役/CEO 上村 計明

スマホ・ソーシャルひとりひとりの成長が「会社の新化」を加速させる

テレックスグループ 代表取締役/CEO 上村 計明

夢と目標を共有できる組織づくりを企業理念に、急成長している企業がある。テレックス関西とアロージャパンで形成するテレックスグループだ。「会社の新化」を目標に掲げ、設立20周年を迎えた前期決算ではグループ年間売上高が100億円を突破。過去10年で約500%成長するなど、激戦が繰り広げられる携帯電話販売市場で快進撃を続けている。なぜ、継続成長できるのか。その秘密に迫るため、テレックスグループの創業者で代表を務める上村氏と、大手企業からベンチャー企業まで多くの企業の人材育成などをサポートする経営コンサルティング会社のリンクアンドモチベーション代表の坂下氏との対談の場を設けた。

※下記はベンチャー通信59号(2015年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

ビジネスモデルはマネできても組織は一朝一夕ではつくれない

―伸びる会社と伸びない会社では、人材育成の面でどのような違いがありますか。

坂下  伸びる会社の共通項は、ビジネスモデルの優位性や販売力に頼らず、人材育成を重視していることです。成功モデルは必ずといってよいほど競合他社や後発企業に模倣されます。ですから、その優位性は長く続きません。しかし、組織は一朝一夕ではつくれない。一貫したビジョンと計画に基づいて人材育成を行っている会社は、ビジネスモデルはマネされても組織が強力なので、他社の追随を許さず、継続成長できます。

上村  組織の強い会社が継続成長できるという指摘は同じ想いです。私がそう考えるようになったのは創業当時の苦い経験がきっかけでした。
 テレックス関西は、私が28歳の時に8名の仲間と起業しました。とにかく経営を軌道に乗せなければとの一念で、日々の売上のみを追い求めていました。私についてきてくれた仲間たちも同じ想いに違いない。そう思い込んでいました。しかし、実際はまったく違ったんです。みんな「社長についていけない」という言葉を残し、1ヵ月後には全員、会社を去って行きました。社員のやりがいや幸せを考えずに突き進んでいたせいです。自分の考えを大きく改める機会になりました。

なによりも大切なのは「意味報酬」と「感謝の気持ち」

―どのように変わったんですか。

上村  目先の利益ではなく、夢や目標をもてる組織づくりを行い、チーム力を重視するようになりました。そのため、一人ひとりの社員と時間をかけて対話し、どんな夢をもっているのか、話をじっくり聞いたうえで夢の実現を応援する会社に変えていったんです。望む働き方を仕事に反映して、些細な情報も共有しました。すると自然に、私自身も自分と違う意見を受け入れられるようになりました。おたがいの信頼関係がどんどん深まっていくことも実感しました。
 いまも、その日の目標や取り組む課題を各自が発表し合う「てっぺん朝礼」や、12文字以内で改善策やアイデア、要望を直接私あてにとどける制度を整備しているほか、あらゆる機会を通じて社内コミュニケーションの活性化を働きかけています。こうした一連の取り組みの結果、社員一人ひとりのモチベーションが格段に上がり、設立20年で年商100億円を突破する会社に成長できたんです。

―リンクアンドモチベーションはテレックス関西の人事部門をサポートしていると聞きました。テレックス関西の人材育成について、どのような感想をもっていますか。

坂下  経営トップである上村さんと社員のビジョンが重なり合っている、会社の目標と個人の夢が一致している会社だと感じています。それができているのは、〝意味報酬〟を大切にしているからです。
 意味報酬とは「この仕事に意義はあるのか」「この仕事は自分の成長を促すのか」「この仕事をやり遂げれば市場価値は高まるのか」「この仕事で充実感は得られるのか」などの疑問に会社が明確に応えること。簡単に言うと、仕事や会社への納得感です。意味報酬が充足することにより、リーダーへの心酔、仲間との絆、仕事に内在する使命感、自己の成長感といった組織の一体感が強化されます。とくに豊かになった社会では、金銭上の損得勘定ではなく、意味報酬が満たされなければ組織はまとまりません。

上村  まったく同感です。それにくわえて、私は感謝の気持ちをもつことも大切にしています。人間がイチバン感動するシーンは「感動している人を見ること」なのだそうです。感謝は人に感動を与え、感動している相手を見ると自分はもっと感動する。そして、感動の輪を広げたくなるものです。
 ですから私は、もっとも身近な仲間である同じ会社のメンバーたちに感謝の気持ちを言葉や形で伝えるため、社内イベントに力を入れています。そのひとつとして、1年以上勤務した社員の誕生日には家族や恋人、ご両親など、同行者の分も含めた高級リゾート宿泊券をプレゼントしています。社員たちも、せめて1年に1回、自分を支えてくれている身近な人に感謝の想いをキチンと伝えてほしいからです。

競争の激しい時代を勝ち抜く源泉は人材のチカラ

坂下  そうした身近な人たちへの感謝の気持ちが、接客にも表れているのだと思います。
 ビジネスには〝結果とこだわり〟の両方が必要。スキージャンプに例えると、結果は飛距離で、こだわりは飛型点。この2つがそろわないと、表彰台には立てません。会社経営で言えば、収益という飛距離だけではなく、「理念に基づくサービスのあり方」という飛型も大切。お客さまや仲間への感謝の気持ちは、おたがいのやりがいを生み出す要素のひとつです。

上村  私は、売るのは商品ではなく、〝自分という人間〟だと考えるのがビジネスの基本だと思います。感謝の気持ちをもてない人間は、いくら表面をとりつくろっても見破られ、お客さまに買ってもらえないでしょう。
 携帯電話は、どこのショップでも同じ機能の商品を売っています。そのため価格競争に傾斜した同業者は少なくありませんが、それは方向感が違うように思います。時間をかけて丁寧に社員を教育し、感謝の気持ちを大切にした人間力のある人材を育てる。家族のように親身になってお客さまの相談にのる店頭スタッフは、こうした取り組みと環境の中で生まれます。同じ機能の商品がどこにもある時代だからこそ、人材のチカラが企業の大きな差別化になるんです。

10年後に1000億円企業をめざす!

―これからの時代は、どのような人材が必要ですか。

坂下  人に影響をおよぼす力のある人間力をもった人、指示を受けなくても自分で判断して動ける自律的な人、バランスのとれた視野から全体最適で考えられる人です。
 なかでもリーダーに求められるのは公正に対処できる厳格性、すごいと思わせる技量を備えた専門性、人間としてすてきだと感じる魅了性、ブレることのない一貫性、貢献したいと感じる返報性などのバランスです。

上村  リンクアンドモチベーションさんのアドバイスにもとづき、「この人について行きたい」と周囲から思われるようなリーダーシップのある人材を育てたいと思っています。
 また、起業家精神のある人材も育成して行きたい。それも20歳代で起業できるチカラをもった人材です。そのため、幅広い知識と発想を身につける社内人材育成機関の「アローアカデミー」の創設のほか、法人営業を行うBtoB部門の立ち上げ、社内起業制度といった新しい取り組みにも着手しています。

―今後のビジョンを聞かせてください。

上村  グループ全体の年間売上高は100億円を突破しました。当社は売上だけを追求している会社ではありませんが、わかりやすい尺度として次の目標を10年後の年商1000億円に設定しています。
 携帯電話は成熟市場と指摘する声もありますが、私はそうは考えていません。通信速度の向上、価格低下、新機能の投入など、イノベーションが活発なので、まだまだ市場は拡大します。また、ほとんどの利用者は携帯電話の機能を5%程度くらいしか使いこなせていないので、人生や生活をより豊かにするツールとしての携帯電話の〝価値の訴求〟をしていくことが大切になっていくでしょう。価格ではなく、お客さまの困りごとや真のニーズを聞きだし、最適な提案ができる人材の育成に力を入れてきた当社にとり、成長余地はまだまだ大きいのです。 

坂下  テレックス関西さんはビジネスモデルや目標設定がしっかりしていることにくわえ、社内コミュニケーションが活発。あとはリーダーになりえる人材が多く育てば、10年後に1000億円企業になるとのビジョンは、実現する確率が高いと思います。
 上村 私は「やればできる」「夢は必ずかなう」という根拠のない自信だけは持っています(笑)。社員全員が夢や目標をもち、それが実現するよう会社がサポートし続けていけば、1000億円企業のビジョンは必ずかなうはずです。

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