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IT業界の起業家インタビュー

株式会社ブロードエンタープライズ 代表取締役社長 中西 良祐

IT永続的な企業発展のために社員幸福度No.1企業を目指す

株式会社ブロードエンタープライズ 代表取締役社長 中西 良祐

「お客様の笑顔をトコトン追求する」を企業理念に掲げ、通信、不動産、IT、美容などの幅広い事業で成長を遂げるブロードエンタープライズ。同社代表の中西氏は「売上を上げることはもちろんだが、永続を前提にしたとき、理念に基づいた企業風土を形成し、ES(従業員満足)を高めることが何より大切」として、安易な成果主義に警鐘を鳴らしている。その経営手法や人材育成術、企業理念に込めた想いなどを同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信52号(2013年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―中西さんは、成果主義による経営に異を唱えていますね。

中西:成果を重視する経営は、従業員の離職やモチベーションダウンをはじめとする弊害をもたらします。また、口先で「お客さまが第一」といっても、実態は売上優先。顧客へのフォローが後回しになり、継続的な成長は難しいでしょう。たとえば、リーマン・ショック時にリストラを行わなかった日本電産がV字回復を遂げた一方、売上第一で契約者のクレームに応じなかった英会話学校のNOVAが倒産。企業が末永く継続する「永続企業」は、成果主義では実現しません。

―営利企業である以上、利益を追求するのは当然ではありませんか。

中西:本来、利益は目的ではなく手段です。企業の目的はES、CS(顧客満足)、社会貢献しかありません。利益はこれらの目的を達成するための手段なのです。つまり、多くの企業が目的と手段を履き違えているのです。そもそも成果主義は欧米向きの経営。欧米では、企業は優秀な人材を求め、ワーカーも高い報酬を求める。その中心にあるのは、金銭の授受を前提とした雇用契約です。でも、日本には「自らの人間形成のため、顧客のため、社会のために働く」という労働観がある。だから売上や利益を追求するよりも、人を大切にする経営のほうが適しています。そして、それを具現化したのが当社の「家族経営」です。

―どのような経営手法なのか、具体的に教えてください。

中西:社長が「親」の役割になり、家族のように社員を育てる経営のことです。家族である社員を大切に想い、価値観を共有する。そのために、当社独自の採用手法や教育システムを準備し、さまざまな福利厚生を採り入れてESを高めています。たとえば「医療費一部負担制度」がそのひとつ。「親」は「子ども」の健康を一番に考えます。だから、社員とその家族の医療費も一部負担します。また、私と社員が昼食をともにしたり、社内の大型テレビでスポーツ観戦をしたりするなど、コミュニケーションを活性化。組織としてひとつになれる関係性を築いています。

―社員を甘やかすことになりませんか。

中西:いいえ。当社のクレド「SMILEBOOK」には「自立」や「自責」など134項目にわたって、人として、ビジネスマンとしての基本的なあり方を示し、依存心を生まないようにしています。

また、待遇や福利厚生に対する要望を社員から募集し、それを実現することで当事者意識・全員参加の意識を高めています。同時に「原資は社員がつくる」という考えを浸透させ、売上の大切さを伝えています。こうして全社員に同じ価値観を共有させることで、永続企業の基盤をつくっています。

いわば会社は船のようなもので、私たちは同じ船に乗る乗組員。進むのも沈むのも一蓮托生なので、家族のように社員と接し、全員が意思統一をはかれるようにしています。

―御社は2000年の設立以来、着実な成長を続けています。なぜ従業員満足と業績向上を両立することができるのですか。

中西:社員が幸福であるからこそ、業績向上を実現できるからです。たとえば目の前にパンがひとつあるとします。自分が空腹でどうしようもないとき、これを見知らぬ他人にあげることができるでしょうか? なかなか難しいと思います。でも自分が満腹であれば、他人に分けてあげることもできるはずです。同じように、社員自身が笑顔でなければ、お客さまを笑顔にすることはできません。最初にESがあり、それがCSにつながり、お客さまに支持されることで売上につながる。そんな好循環を形成しているのです。ただし、ESを高めたとしても、簡単にCSが高まるわけではありません。社員を「自分の頭で考えられる人材」へ育成することで、変化の激しい顧客ニーズに対応しています。具体的には、「SMILEBOOK」研修を毎月2回実施。業務改善を社員が提案できる「提案奨励制度」も導入しています。

―そのような人材が、なぜCSを実現できるのでしょう。

中西:自分の頭で考えられる人材は自発的に行動できるので、CSを実現する可能性が高いからです。たとえばEC事業部の商品出荷時、すべての商品に「配送業者様へ、この商品はお客様にとって、とても大切なものです。大切に扱ってください」という手書きコメント入りシールを貼ることで配送事故が低減し、お客さまレビューでも大変好評です。こうした“ひとくふう”は上司の指示ではなく、社員が自発的に行っています。そうやって自分で判断し、主体的に行動することで当社の企業理念を実現できるのです。

―最後に、今後のビジョンを教えてください。

中西:一番の目標は、「社員幸福度No.1」を実現すること。これを土台にして、企業理念である、お客さまの笑顔を追求することを目指したい。そのために必要なのは、社員が自分の頭で考える“ひとくふう”だと考えています。また、当社は家族経営。家族のなかにライバルは存在しません。よって、社員同士を競わせるのではなく、個の力を引き出しながら、協力しあう環境を整えたい。それが私の責務であり、家族経営の要。こういった基本を貫けば、永続企業も夢ではないと思います。

中西 良祐(なかにし りょうすけ)プロフィール

1974年、兵庫県生まれ。1997年に甲南大学を卒業後、教育関連事業を行う大手企業に入社。2000年に株式会社ブロードエンタープライズを設立し、代表取締役社長に就任。集合住宅向けインターネットシステムの販売、アプリ開発、エステティックサロンの運営などを多角的に展開。独自の福利厚生で社員のESを高め、創業以来、堅実な企業成長を実現している。

企業情報

設立 2000年12月
資本金 資本金:9,000万円
資本準備金 3,951万5,877円
売上高 9億円(2012年12月期)
従業員数 60名
事業内容 マンション向け高速インターネットシステムの販売、ブロードバンド回線販売、ECサイト運営、エステティックサロン運営、シェアハウス運営、スマートフォンアプリ開発
URL http://www.broad-e.co.jp/

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