累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

ベンチャー通信編集部注目の起業家インタビュー

クラウドゲート株式会社 代表取締役社長 藤田 一郎

注目革新的なクリエイター支援事業で未開の市場を切り拓く

クラウドゲート株式会社 代表取締役社長 藤田 一郎

ゲームイラスト素材の制作で高い評価を受け、400社以上の顧客から支持を集めるクラウドゲート。豊富なネットワークを活かした多角的支援で新たなクリエイターの原石を発掘し、彼らに活躍の舞台を提供している。今回は代表の藤田氏にクリエイター支援への想い、今後の事業展開などを聞いた。

※下記はベンチャー通信49号(2012年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社の事業内容を教えてください。

藤田:主力事業として、ソーシャルゲームの事業者から委託されるイラストの制作をしています。これは、当社がテーブルトークRPG※1をWebサイト上でプレイできるウェブトークRPGを提供していたとき、DeNAさんからモバゲーのアバター※2イラスト作成を依頼されたことから始まりました。以降、ソーシャルゲームの素材制作案件が急増し、過去5年の取引社数は400を突破。約半数の顧客から、年間1,000万円以上の仕事を依頼いただいています。おかげさまで、売上は前年の約4億円に比べて約170%のペースで上昇しています。また、今年4月からはWebサイト上で企業とクリエイターをつなぎ、決済まで完結させるマッチングサービス「Crowd Gate」を開始しました。当社のクリエイターの登録者数は増え続け、すでに約7,000人に達しています。

―「Crowd Gate」とは、どのような仕組みのサービスですか。

藤田:クライアントはWeb上で仕事の募集情報を登録し、クリエイターが案件に応募します。企業は応募があったクリエイターから作品を直接提案されたり、仕事の価格や納期などを提案されたりするので、そこから気に入ったクリエイターを選ぶという仕組みです。このサービスを活用すれば、クリエイターは「企業は今、どのような作品を求めているか」という市場のトレンドも把握できます。企業としても、登録しているクリエイターの作品集を確認できるので、依頼する仕事にマッチしているかどうかを確認できるのが特徴です。

―なぜ、このようなサービスを始めたのですか。

藤田:世の中には多くのクリエイターがいるのに、彼らがプロフェッショナルとしてデビューできる機会が非常に少ない。そんな状況を変えて、一人でも多くの人材を世に出したかったからです。「Crowd Gate」は登録時に特別な審査はありませんので、誰でも平等にチャンスが与えられます。こういったクリエイターと企業をマッチングするサービスは、まだ本格的な参入企業がありません。市場としては未知の分野ですが、クリエイターを生み、育てていく新たなビジネスモデルとして大きな可能性があると考えています。

―登録しているクリエイターには、どのような傾向がありますか。

藤田:イラストを例にお話しすると、企業には「時流に合った絵を描いてほしい」というニーズがあります。一方、クリエイターは純粋に絵が好きで、自身の画風やタッチなどにこだわって描きたい人が多い。つまり、需要と供給のギャップが大きいのです。

―それではマッチングが難しいのではないでしょうか。

藤田:確かにギャップがあるのは事実ですが、それを埋める必要があるからこそ、ビジネスチャンスがあると考えています。 たとえば、これまでのゲーム市場はアバターのニーズが高く、イラストの仕事もスカートやバッグなど、アバターの「着せ替え」で使う単品のアイテムでした。その後、スマートフォンの普及でソーシャルゲームが進化し、市場でさまざまなイラストのニーズが発生すると、わずか1年ほどで、クリエイター登録が1,000人以上も急増しました。クリエイターとしては、個性あふれるイラストの方が自己表現を形にできる可能性が高いですよね。つまり時流の変化によってニーズのギャップが小さくなり、登録者が増えたわけです。今後も娯楽コンテンツの進化が見込まれるので、「Crowd Gate」を媒介としてビジネスチャンスをつくっていきます。

―クリエイターが自己表現できる環境をつくることが、ビジネスにつながっていったのですね。

藤田:はい。当社が運営するウェブトークRPGでは、ゲームのシナリオや小説をつくりたいユーザーも少なくありません。そこで、ゲームに関するノベルライターとして来年デビューできる企画が決定しています。

 また、今後はクリエイターの作品を企業が販売するという、逆の仕組みもつくりたい。その第一弾として、クリエイターにあらかじめ作っていただいたウェブトークRPGのキャラクターを販売します。オーダーメードでは完成してもゲーム内で使用できるまで2週間ほどかかりますが、この方式であれば、すぐにゲームで使用することができます。

―さまざまな角度からクリエイター支援につながるビジネスを展開しているのですね。その原動力はどこにあるのですか。

藤田:経営理念の「創るを支援する」につきます。今はどうしてもクリエイターの立場が弱い。とくにフリーのクリエイターの優れた才能が正当な報酬で評価されないことが多い。生活できなくなり廃業してしまえば、社会的な雇用喪失。だからこそ、クリエイターの地位を高める支援が社会貢献につながると考えています。クライアントの「創るを支援する」のはもちろんですが、今はクリエイターの「創る」に力を入れていきます。

―事業戦略について、詳しく教えてもらえますか。

藤田:クリエイターの育成を目的に、美術系の大学や専門学校を対象とした教育事業を行う予定です。すでに一部は始まっていて、ある専門学校の講座に当社のディレクターが出張し、仕事の雰囲気を体験してもらっています。また、登録クリエイターのデータベースを整理する中で、「この技術があれば、この仕事ができる」といった技術と仕事の関係性がわかってきました。そのようなノウハウを活かした技術教育プログラムを作成し、大学や専門学校に紹介したいと考えています。いずれは、このプログラムを教材とした検定制度をつくりたいですね。

―なぜ検定制度をつくるのですか。

藤田:これまでは仕事を依頼したくても、その仕事にふさわしい技術を持ったクリエイターを探すことが難しかった。検定制度を通じてクリエイターの技術を「見える化」すれば、クリエイターにミスマッチのない仕事を提供できる機会が増えると思うのです。

―最後に、今後のビジョンを聞かせてください。

藤田:クリエイターとのコミュニケーションをさらに深め、そこから新しい事業を創っていくことです。実は、企業が真に求めているクリエイターは今も不足しています。需給バランスが悪いのは事実ですが、企業に満足してもらえるクリエイターを探し続け、増やしていきたい。その実践に向けて、今後は企業に対する企画提案にも力を入れていきます。当社の社名「クラウドゲート」は、さまざまな才能を持つクラウド「群衆」につながるゲート、つまり「入口」という意味が込められています。私たちはクリエイターとクライアントとの間をつなぐ入口の役割を担い、両者に欠かせない会社でありたいと思います。

※1テーブルトークRPG:コンピューターを使わずに紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに従って遊ぶ"対話型"ロールプレイングゲームのこと。
※2アバター:SNS、オンラインゲーム、チャットなどのコミュニティサイトで、自分の分身として表示されるキャラクターのこと。

藤田 一郎(ふじた いちろう)プロフィール

1996年、愛知県生まれ。1990年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社に入社。シダックス株式会社常務取締役、大新東株式会社代表取締役副社長を経て、2010年にクラウドゲート株式会社の代表取締役社長に就任。2012年4月にクリエイターと企業をつなぐマッチングサイト「Crowd Gate」を開始し、新市場の創出に挑んでいる。

企業情報

設立 2000年3月
資本金 7億7,540万円
売上高 4億1,441万円(2011年12月期)
従業員数 66名(2012年9月1日現在)パート・アルバイト含む
事業内容 各種コンテンツ制作、ネットゲーム運営、マッチングサイト運営 他
マッチングサイト「Crowd Gate」/http://www.crowdgate.net/
URL http://www.crowdgate.co.jp/

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