累計経営者579人に取材、掲載社数288ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

著名起業家インタビュー

著名起業家24時間365日100%経営に集中し勝負どころを見極めよ

株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田 晋

※下記はベンチャー通信57号(2014年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は、主力事業を広告代理業から『Ameba』を軸としたメディア事業へ転換。その後、事業領域をパソコン・フィーチャーフォン分野からスマートフォン分野へ一気にシフトしました。大きな経営戦略の転換を2度成功させることができた理由を教えてください。

藤田:勝負どころを見極め、覚悟を決めてやりきったからです。身の丈にあった経営は重要ですが、会社が成長し続けるためには、どこかで勝負することも必要。その際の判断基準は、80%くらいの勝算があり、仮に失敗しても致命傷にならないかどうか。確かに2度の転換は、会社の未来を左右する大きな決断でした。ただ、決して無謀な挑戦をしたわけではありません。自社の資本力や開発力、ポテンシャルなど総合的に考慮し、「ここでいくべきだ」と判断しました。焦ることなく冷静に意思決定した結果、成功できたのです。

―勝負どころを見極めるにはどうすればいいのでしょう。

藤田:つねに経営に集中し続けることです。ほかには目もくれず、会社経営に没頭する。そうすれば、勝負勘が磨かれ、的確な判断ができます。逆に、よそ見をすれば勘がにぶります。たとえば経営者がゴルフに夢中になり、セミプロをめざしてしまったら、重要な経営判断を誤る可能性が高い。経営者は、複数のことを同時に追い求めてはいけないのです。もちろん私もゴルフはしますが、プレイ中も頭のなかは経営のことでいっぱい。リラックスしているときも、忘れることはありません。どんなときでも、100%経営に集中している自信がある。だからこそ、チャンスを見逃さないのです。

―ほかに成功の要因はありますか。

藤田:トップである私自身が率先垂範したからですね。会社を変えるということは、これまでの価値観を変えるということ。企業の価値観をつくるのは、経営者にほかなりません。ですから、人まかせにしてはいけないと気づいたのです。『Ameba』を軸としたメディア事業への転換を本気でやると決めたときは、当時の責任者を更迭し、私が『Ameba』の総合プロデューサーとしてトップに立ちました。まずは、いかに本気であるかを態度で示したのです。そして、「背景はもっと明るい色のほうがいい」「ここの線はもう少し太く」などサービスの細かいデザインひとつまでこだわって指示を出した。それで「このやり方が正しい」という認識を社員に浸透させたのです。

―自ら具体的にやってみせることで社員も本気になるのですね。

藤田:ええ。そうした取り組みが実を結び、2007年に総合プロデューサーとして就任後、赤字続きだったAmeba事業を2年で黒字化することができました。一度実績を出せば、社員はついてきてくれます。この成功体験があったので、パソコン・フィーチャーフォンからスマートフォン分野にシフトしたときは、いくつもの困難やリスクを乗り越えつつも比較的スムーズに社員を導くことができました。

―ベンチャー企業の経営者やこれから起業をめざす若者へアドバイスをお願いします。

藤田:自分の信念を貫いてください。経営で難しいのは、実績がないなかで新しいことを始めようとすること。プロジェクトの規模が大きいほど、結果が出るには時間がかかります。また、結果が出るまでは投資期間なので、業績が悪くなってもひたすら耐えるしかないのです。サッカーでたとえるなら、新しいフォーメーションを試して負け続けている状態。これが続くと、選手やスタッフが不安になり、舵取りをするのが難しくなります。外部から「このままじゃダメだ」と批判されると、ますますネガティブになる。監督解任のピンチです。

―そうなった場合、どうすればいいでしょう。

藤田:状況を好転させるには、試合で勝つしかありません。そうすれば、みんな信じてついてきてくれます。私が『Ameba』のプロデューサーになったとき、経験があったわけではありませんでした。しかし「2年で黒字化できなかったら社長を辞める」と公言し、覚悟を決めた。スマートフォン事業にシフトしたときは、100億円の利益を出す事業をなげうって新事業にかけた。「この道が正しいんだ」と信念を貫いたからこそ、やりぬくことができたのです。新しいことを始めるには、不安や迷いが生じます。しかし、自分を信じてやりきるのが経営者の仕事であり使命でもある。少しずつでも成果を出し、実績を積み上げてください。

藤田 晋(ふじた すすむ)プロフィール

1973年、福井県生まれ。1997年に青山学院大学経営学部を卒業後、株式会社インテリジェンスに入社し、営業を担当。1998年に株式会社サイバーエージェントを設立し、代表取締役社長に就任。2000年3月に、当時の史上最年少(26歳)で東証マザーズに上場を果たす。著書に『渋谷ではたらく社長の告白』『起業家』(どちらも幻冬舎)などがある。

企業情報

設立 1998年3月
資本金 72億300万円(2014年3月末現在)
売上高 1,624億9,300万円(2013年9月期)
従業員数 2,862名(2014年3月末現在:連結)
事業内容 Ameba事業、インターネット広告事業、スマートフォンゲーム事業、投資育成事業
URL http://www.cyberagent.co.jp/

その他の著名起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら

  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop