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金融業界の起業家インタビュー

株式会社エコスマート 代表取締役会長 兼 CEO 奈良 秀二

金融理念共有と厚い待遇で、"人財力"を圧倒的に高める

株式会社エコスマート 代表取締役会長 兼 CEO 奈良 秀二

2010年の設立以来、4年連続で200%成長を果たしたエコスマート。その快進撃の要因は安定したビジネスモデルと独自の人事制度にある。代表の奈良氏は人材の定着・育成を最優先し、成果主義と年功主義をハイブリッド。さらに抜てき人事をくわえて、経営人材を次々と輩出してきた。また、グループの結束を強化するため、理念共有にも力を入れている。具体的な取り組みや今後の目標について同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信58号(2014年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

全従業員の平均給与が4年間で約150%アップ

―200%成長を続けている理由を教えてください。

「生命保険のコールセンター」という拡大しやすい事業を選んだからです。このビジネスは拡大と生産性向上に比例して売上が伸びるモデル。保有契約によるストックビジネスなので、着実な成長が見こめます。
 もうひとつの理由は、人材の成長です。メンバーのほとんどは未経験で入社しているので、伸びしろが大きい。生命保険募集人資格を取得して、商品の案内を続けるうちに提案力が身についてきます。つまり、勤続するほど一人あたりの生産性が上がるわけです。
 ただし、一般的にコールスタッフは離職率が高いため、なかなか組織全体の生産性が上がりません。当社は離職率をおさえることで、人材の成長を企業の成長に直接結びつけているのです。

―具体的にどのような施策を行っているのでしょう。

 複数の施策がありますが、ベースとなるのは待遇の充実です。
 まず、長く働いてもらうために定期昇給と退職金制度を導入。給与のうち、年齢給と勤続給が半分を占めています。年齢給は45歳をピークに設定しているので、そこまでは自動的に給与が上がっていく。実際、全従業員の平均給与は4年間で約150%アップしています。
 多くのベンチャーは若いうちに大幅な昇進・昇給ができる反面、安定的な待遇は保証されていない。でも当社にとっては、すべての従業員が宝なので年功制を採り入れているのです。

―成果に応じた人事評価もあるのですか。

 はい。しかしながら、それだけでは可能性を秘めた人材を振るい落としかねません。
 私自身は前職で先輩や同僚に恵まれ、若くして成果をあげることができました。その一方、成長するチャンスをつかみそこねているメンバーも多かった。だから、そうした人材に気づきを与えて、じっくり育成していきたい。これは会社のためにも、個人のためにもなると考えています。そしてリーダーとしての素質が大前提ですが、思いきってまかせることが重要です。

あえて「窓際管理職」のポストをつくる

―その他に定着率を高める施策はありますか。

 柔軟な人事制度ですね。代表的な例として、伸び悩む中間管理職の異動があげられます。
 営業職として数字を追いかけ続けると、疲れる社員も出てくるでしょう。モチベーションが下がっているときには、いったん肩の荷を下ろすのもいい。そこで、あえて「窓際管理職」のポストを設置しました。
 ただし、机に座っているだけではありません。若いメンバーに理念を伝え、仕事を教える役割を果たしてほしいと考えています。
 会社は助けあうことで成長していく組織。そのときにいちばんできる人が会社をひっぱり、みんなを幸せにすればいいんです。要は、できる人ができない人のぶんまでカバーする。もちろん、窓際から現場のトップに返り咲くメンバーが出てくることにも期待しています。

―ベンチャー企業としては珍しい人事方針ですね。

 これら施策の前提として、採用時のマッチングにも手間暇をかけています。メンバーには2週間の試用期間を設け、働き続けられそうか判断してもらいます。「保険の案内業務が予想以上に難しい」「電話をかける仕事に向いていない」などと感じる場合もありますから。
 また、会社側も働きぶりを毎日観察し、改善点をていねいに伝えます。こうした地道な取り組みによってミスマッチを防いでいるのです。

―人材育成にはどう取り組んでいますか。

 海外研修や資格取得を支援しています。個人情報保護士など、業務に直結する資格に挑戦する社員には、受講料やテキスト代などを支給しています。
 くわえて、経営人材の輩出には力を入れていますよ。たとえば、経営者としての見識や判断力をつけるため、希望者はリーダーシップ養成研修を受講。仮に役員クラスにいたらなくても、社員の視野を広げ経営マインドをもたせられれば、会社にとって大きなメリットになります。
 こうした育成の結果、設立から4年間で役員を9名輩出することができました。2012年の新卒入社組からも、すでに取締役が誕生しています。現在はコールセンター事業を中軸に、保険代理店事業、環境ビジネス事業、Web広告事業、卸売事業などを展開。グループ全体で5社に達しています。

―経営において大切にしていることを教えてください。

 経営理念として「お客様、地域社会、お取引先、株主様、そして社員から一つでも多くの『ありがとう』をもらえる企業」をめざしています。
 このためには、まずは社員を大切にするのが先。すると社員の意欲が高まって顧客対応の質が上がり、お客さまから感謝される。そのような好循環を生み出していきたいですね。
 また、競争の激しい現代のビジネスでは、ランチェスター戦略と強烈なリーダーシップが必要とされています。同じ想いを共有することによって、金太郎アメのように同じ価値観をもってグループ全体の方向を一致させていきたいと考えています。
 当グループでは、事業部ごとに事業計画と予算を明確にし、社内ベンチャー制度を採用。これ自体は経営意識を高めるために重要です。しかし、互いをつなぐ横串が存在しなければ、バラバラになりかねません。だからこそ理念の共有を大切にしているのです。

―どのように理念を浸透させているのですか。

 理念を記したポスターを社内に貼り、日ごろからそれを引用して話をしています。さらに、日常業務のなかで大切にすべきことを記した「名言集」を活用しています。これは私や前職の先輩、著名人などの印象的な言葉を集めたもの。入社1年目の新人が発したセリフもあります。
 たとえば「答えは無い。自分で作り上げる事が答え」「信じる力」といった名言を社内に掲示。抽象的な理念を理解しやすい言葉に落としこむことで、共有を図っています。いわば、私の脳みその転送ですね。

5年後にグループ売上の海外比率50%をめざす

―今後の目標を聞かせてください。

 まずは人材育成に注力し、プロフェッショナルなベストプレイヤーからなる強い組織をつくります。そして、5年後に部長以上の役職者を3倍にしたい。
 また、保険代理店事業に限らず海外に拠点をつくり、グループ売上の海外比率を50%にしたいですね。より広い地域で、より多くの事業を運営する体制を構築し、理念共有と"人財力"で圧倒的な成長をめざします。

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