ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > 著名起業家 > GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷 正寿

INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷 正寿

生涯を懸ける夢を20代で見つけ出し、最短距離で成長を目指せ

GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷 正寿

※下記はベンチャー通信47号(2012年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―IT分野は成長産業ですが、ITベンチャーだから成長するとは限らないですよね。

熊谷:もちろんです。渋谷がビットバレーと呼ばれた時代、都内に約1500社ものITベンチャーが勃興しました。あれから約10年が経ち、今では1割も残っていないでしょう。ですから、「残る会社」と「残らない会社」を見極める必要があります。その指標のひとつとなるのが、会社の根本的な考え方。企業理念、社是・社訓など、明文化された会社の想いです。ある大学教授の調査によると、日本は創業200年以上の企業数が世界一多いそうです。そして、大手企業情報調査会社によると、長寿企業の77.6%に社是・社訓が存在している。インターネット産業で100年残る会社の条件は、このあたりにあると考えています。

―この10年で消えたITベンチャーと御社の違いは、そこにあるのでしょうか。

熊谷:大きな要因だと思います。私たちGMOインターネットグループでは、社是・社訓にあたる「スピリットベンチャー宣言」で「夢」、「ヴィジョン」、「フィロソフィー」など、定性的な目標を明文化しています。これをすべての仲間(スタッフ)に手帳サイズで配布し、共有しています。いわば、当グループのバイブル。これを1995年から17年間、仲間が集う場面で読み続けています。その他にも、「55ヶ年計画」という定量的な目標を掲げています。これは売上や利益、スタッフ数など、期間と数値目標を定めた55年にわたる長期計画です。

―GMOインターネットグループではベンチャー企業への投資事業も行っています。投資の判断において、重視しているポイントは何ですか?

熊谷:私たちは2種類の投資を行っています。ひとつは、本社の投資戦略室による投資。当グループとシナジーがある事業に対して、マジョリティ出資させていただくケースです。「仲間づくり担当役員」が中心となり、私たちの仲間(グループ会社)を増やしています。ここで重視しているのは“心”。気持ちでご一緒できる方じゃないと長続きしません。お金で動く人はお金で別れてしまいます。ですから、「夢」、「ヴィジョン」、「フィロソフィー」を共有できるかどうかを最も重視しています。

―では、もうひとつの投資について教えてください。

熊谷:GMO VenturePartnersというベンチャーキャピタルでも投資を行っています。過去に約30社の投資実績があり、すでに4社がIPOを果たしました。投資対象の条件は、インターネットの分野で世の中の不便を解決していること。重視しているのは“経営力”です。“経営力とは、継続力、技術力、判断力、決断力、スピードなど、経営に必要な力の総称です。その中でも大切なのは、継続力と経営者の人望。「商い」は「飽きない」ですから、続けられる人でなければ務まりません。また、人望がなければ仲間がついてきてくれないでしょう。
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。