累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

グレイトフルデイズ株式会社 代表取締役 村上 卓郎

ITグローバル視点で人材を育て、世界100ヵ国に進出する

グレイトフルデイズ株式会社 代表取締役 村上 卓郎

「MILU(ミル)」という従来の常識を覆すオンラインのコミュニティゲームが注目されている。「ユーザー間のポジティブなコミュニケーションを促進する」というユニークな仕組みを構築しているのだ。日韓両国でサービスを運営するグレイトフルデイズは、現在、日本、韓国、ベトナムの3ヵ所に拠点を持ち、アジア、北欧、北米への進出計画を着々と進めている。2012年には世界5ヵ国以上でのサービスを開始し、精鋭集団で世界100ヵ国への展開を進める予定だ。代表の村上氏に、サービスのこだわり、グローバル展開のポイント、今後のビジョンなどについて聞いた。

※下記はベンチャー通信45号(2011年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―20~30代を中心にオンラインコミュニティゲーム「MILU」が広がっていますね。

村上:現在、日本のユーザーは約20万人、韓国を合わせると35万人ほどの規模になってきました。2008年のリリース以来、着実にユーザー数が増えており、最近では月間2万ほどの新規入会者がありますね。

―「MILU」が支持されている理由はどこにあると分析していますか?

村上:いくつかあると思いますが、「MILU」のユーザーには女性が多いのが特徴的です。シンプルで簡単な操作性、親しみやすいキャラクターといった、オンラインコミュニティに大切な要素を突き詰めているのが大きなポイントです。あとはコミュニケーションがとりやすい世界観を設定していることでしょう。ユーザーが※アバターとなって暮らす3Dの世界の中には、さまざまな「助け合い」のイベントが発生します。そして、他のユーザーを手助けして「ありがとう」という感謝の言葉をもらうと、自分のキャラクターが成長するのです。

※アバター: SNS、オンラインゲーム、チャットなどのコミュニティサイトで、自分の分身として表示されるキャラクターのこと。

―なぜ「助け合い」をテーマにしているのですか?

村上:「MILU」は複雑なゲームを楽しむものではなく、カジュアルゲームとコミュニケーションを主体にしたコミュニティです。そもそもユーザー同士で戦うよりも、ポジティブな心温まる交流の方が気持ちいいですよね?みんなで助け合い、感謝し合い、感動するという感情の飛躍が起こるので、「MILU」の世界観を好きになってもらいやすいのです。一方、世の中のソーシャルゲームやオンラインゲームの一部は、殺し合いや盗み合いをテーマにしています。こういったテーマは人格形成に悪影響を与えかねないので、安易には娯楽にするべきでないと考えます。そこで、逆に思いやりや助け合いにインセンティブがはたらくポジティブな仕組みを作りました。ソーシャルゲームやオンラインゲームのあり方に一石を投じたいと思っています。現在は日韓だけですが、今後は世界100ヵ国に展開したいですね。

―世界展開について、具体的な計画は進んでいるのでしょうか。

村上:今夏、ベトナムに開発拠点を設立し、今後も拡大していく予定です。具体的なサービスの海外展開としてはフランス、ドイツ、北米、台湾、中国、ベトナムへの進出を考えています。また今後のグローバル化を見据えて、世界規模で交流ができるようなシステムやサービスの実験も重ねています。例えば海外のユーザーと話したり遊んだりできるように自動翻訳機能を装備してみたり、SNSの多様なコミュニティと連動させています。

―なぜ世界進出を目指しているのですか?

村上:世界規模のビジネスは創業時から考えていたことでした。ビジョンやコンセプトにこだわるのはもちろんですが、もともと短期間に世界展開ができるビジネスをしたいという気持ちが強かったので、その目標から逆算して事業を立ち上げました。また、「人と人をつなげて感謝の気持ちを連鎖させていく」という理想を想い描いていましたので、コミュニティゲームだとその両方が満たされると考えたのです。

―グローバル展開における注意点はありますか?

村上:ローカルに強いものはローカルで出して、部分的にユーザーがつながっていける仕組みをいくつも作ることが大事です。たとえば、物価の格差は問題になりやすい。「MILU」の中に為替変換システムを入れたとしても、お金のやり取りには劣等感が生まれてしまうでしょう。そうした国や地域感の格差を顕在化させないことが重要です。そして、常に一歩先のビジネスコンテンツを見据えておくこと。インターネットを軸足にしている以上、どのような変化が起こるかわかりません。ですから、グレイトフルデイズは「MILU」を基盤にインフラを整え、変化に順応しながらも、斬新かつ着実に、次のビジネスをその上に乗せていく考えです。

―会社の成長にともなって、優秀な人材の確保が急務ですね。

村上:そうですね。自社企画、自社開発、自社サービスにこだわる当社のビジネスは、コンテンツ自体に物理的な制約があるわけではないので、人が育った数だけサービスやプロジェクトが拡大していきます。開発人員は、すでにベトナム拠点などで増員・育成中ですから、プランニング、ディレクション、プロデュースといった、中核を担う人材を少しでも早く育てていきたいと考えています。財務面での企業体力も徐々についてきましたので、いい人材がいれば時期にこだわらず、即時採用していくつもりです。もっとも、そのためには当社の理念や事業コンセプトに賛同し、ともにグローバル展開を楽しく進められる人材でなくてはいけません。また、これまでは即戦力の中途採用だけで成長してきましたが、中長期的なメンバー育成の取り組みを行うと共に、新卒採用も開始しました。

―新卒人材の育成についてはどのように考えていますか?

村上:早い段階のキャリアパスとして、事業責任者を目指してもらいます。「入社して2~3年で事業責任者になるのが当然」と認識できるダイナミックな体験をしてもらいたいですね。  具体的には、入社後すぐに海外赴任、1~2年でコンテンツの企画やサービスの責任者を任せます。さらに1~2年後には、事業責任者や海外拠点の立ち上げ、海外拠点の責任者を任せるくらいのスピード感をイメージしています。実際、現在日本は本社機能のみに特化していますので、海外で活躍している社員が大半です。メンバーの国籍も6ヵ国に渡り、約60名の中で日本人は3割程度です。世界展開を目指すベンチャーにとって、国籍や年齢や性別は一切関係なく、終身雇用もありません。重要なのは、他社も含め、いつでも社会活動をしている組織体に求められる人材であることです。そういう人材を育てて、ポジティブな活動をしていく企業であるという認知を広げていきたいですね。

―最後に、今後の御社のビジョンを教えてください。

村上:事業展開としては、「MILU」の世界展開にくわえて、来年に複数の新サービスを立ち上げます。現在、スマートフォンとソーシャルメディア向けのゲームやメディアを開発しており、来春リリースします。目指す会社像としては、「ネットサービス業界のリッツ・カールトン」をイメージしていますね。当社の言葉で表現すると、『顧客第一主義を貫き、「感謝・感動・奉仕」というコンセプトにこだわり続ける』ということ。そして、「ありがとう」を創出する企業のロールモデルになりたいと思います。

村上 卓郎(むらかみ たくお)プロフィール

1979年、東京都渋谷区生まれ。2000年、エイベックス・グループに取締役秘書として入社。同社退社後、2002年にネットガレージ株式会社へ入社。営業を経て、アジア戦略の統括マネージャー、韓国拠点の責任者として活躍する。2005年にグレイトフルデイズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。「ひとりひとりの社員の自己実現をフォローしていきたい」と、全社的にコミュニケーションの深い組織体を目指している。

企業情報

設立 2005年6月
資本金 1億5,800万円
事業内容 ネットサービスの企画・開発・運営
URL http://gdays.jp/

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