累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

著名起業家インタビュー

株式会社gumi 代表取締役社長 國光 宏尚

著名起業家ソーシャルゲームで世界No.1になり、日本の未来を創りたい

株式会社gumi 代表取締役社長 國光 宏尚

ソーシャルゲームの市場拡大が進むなか、世界を舞台に戦いを挑んでいるモバイルオンラインゲーム会社がある。GREEをプラットフォームとするソーシャルRPG「騎士道」、「任侠道」などを中心に、急成長を遂げているgumiだ。売上規模を年々急拡大し、圧倒的なスピードで次々と海外拠点を設置している同社。果たしてどのような戦略で世界市場に挑むのか。代表の國光氏に話を聞いた。

※下記はベンチャー通信49号(2012年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―國光さんは昔から起業を目指していたのですか。

國光:いいえ。ボクは29歳まで、海外を30ヵ国ほど放浪していました。たまたま滞在先のロサンゼルスで出会った日本人経営者に誘われ、2004年に帰国して映像会社の立ち上げに参画。下請け会社ではなく、自分たちから企画を提案してトータルにプロデュースする会社です。そのなかでインターネットを絡めた企画を進めていたのですが、壁にぶつかったんです。革新的なアイデアを提案すると、「前例がない」と取引先にことごとく否定されて(笑)。古い業界は既存の秩序を壊したくないので、新しいチャレンジができなかった。でも、インターネットという新しい業界なら、しがらみや前例主義がない。新しいイノベーションを起こせると思い、33歳で起業したのです。

―御社は上海、ソウル、シンガポールなど、世界に5拠点を構えています。なぜ海外進出に積極的なのですか。

國光:「今やらんで、いつやんの?」と聞きたいくらいです。日本のソーシャルゲーム市場は4000~5000億円ですが、世界のゲーム市場のなかで日本の売上が占める割合は10~15%といわれています。つまり、全世界でざっと5兆円規模の巨大市場が生まれる可能性があるわけです。また、これまでゲーム市場は先進国だけのものでしたが、新興国の経済成長にともない、市場全体が拡大しています。スマートフォンがあれば高価なゲーム専用機は必要ないので、10年後には市場が10兆円規模に膨らんでも不思議じゃありません。その一方、モバイル版のソーシャルゲームをつくる会社って、海外にはほとんどない。大航海時代のようにチャンスが転がっている状態なので、スピードを加速して世界中へgumiの旗を立てにいきますよ。

―世界市場での勝算はあるのですか?

國光:ボクたちの優位性は世界でも通用すると考えています。そのひとつは、モバイルプラットフォームを手がけてきたノウハウの蓄積です。当社は2007年の創業時から、モバイル版のSNSをリリースしていました。mixiやFacebookのモバイル版よりも早かったのですが、ユーザーが集まらず、誰もコンテンツをつくってくれない。仕方なく自分たちでアプリをつくったものの、両立は大変で(笑)。その後にmixiモバイルがオープン化され、流行の兆しが見えたのでソーシャルアプリを提供。2010年からは、GREEやモバゲーにソーシャルゲームを提供するようになりました。 つまり、事業がプラットフォームからソーシャルゲームに変わっても、一貫して「モバイル×ソーシャル」を追求してきたわけです。だから、その技術や知識、経験は他社と次元が違います。

―いち早くモバイル時代の到来を予測していたわけですね。

國光:ええ。2つめの優位性は、海外の人材を採用しやすいこと。インターネットやゲームの世界で大切なのって、やっぱり人材なんです。そして、ベンチャーが優秀な人を採用するためには、起業家の情熱が必要。ボクは英語も中国語も話せるので、通訳を介さずに直接想いを伝えられる。これは意外に大きいと思います。3つめは、エンタメコンテンツのツボを知っていること。前職で映像関係の仕事をしていましたが、映画やテレビ業界のクリエイティブ力は非常に高い。演出方法や世界観まで含めた細部のつくり込みなど、総合的なクオリティが高いんです。ですから、当社では映画やテレビ業界出身の人材を積極的に採用しています。

―ノウハウと人材がそろっていても、海外市場で成功するとは限りませんよね。

國光:その通りですが、世界進出の理由はそれだけではありません。現在は「天の時」、「地の利」、「人の和」がそろった時だからこそ、大きなチャンスがあるのです。「天の時」とは、タイミングのこと。現在、インターネットの世界はPCからモバイルへの急速な移行が進んでいます。FacebookもZyngaもそのスピードに追いついていないから、苦しんでいる。しかし、日本はソーシャルゲーム市場の95%がモバイル。世界的トレンドよりも一足早くモバイル対応が進んでいるので、アドバンテージがあるのです。また、当社自身のタイミングもあります。以前のgumiは国内市場で戦うだけで精一杯で、海外に進出する余裕なんてなかった。でも海外でモバイルゲーム市場が伸びてきた時に、日本での地盤が固まりました。もしスマホの普及やGREEのオープン化が1年遅れていたら、この好機を逃していたでしょうね。「地の利」とは、日本という経済の要地をおさえていること。日本はGDPが世界3位に下がったとはいえ、まだまだ国内市場が大きい。しかも、モバイルゲームの歴史が長いので、海外勢が攻めにくいのです。

―日本のITベンチャーが世界で成功したことはありませんが、本当に世界で勝てるのでしょうか。

國光:これまで日本のITベンチャーは、アメリカで流行したサービスを持ち込む「タイムマシン経営」で成長してきました。これでは日本一にはなれても、世界一にはなれません。必要なのは、時代の先を行くイノベーション。日本はソーシャルゲームでそれを実現できます。ですから世界に挑むには、主要企業が協力してオールジャパン体制で臨むべきです。日本のベンチャー同士で争っている場合ではありません。

―最後に、今後の目標を教えてください。

國光:「失われた10年」という言葉がありますが、実質的には20年以上失われた時代が続き、日本は暗い雰囲気に覆われています。この閉塞感を打破するには、夢や希望が必要。たとえば野球の野茂や、サッカーの中田が先駆者として世界に挑戦し、日本人に夢と希望を与えました。同じように、当社が世界で成功すれば、「gumiができたなら、オレたちも」と、続くベンチャーが出てくるでしょう。そんな環境をつくり、日本の新時代を切り拓きたいですね。

國光 宏尚(くにみつ ひろなお)プロフィール

1974年、兵庫県生まれ。高校を卒業後、中国、チベットなどのアジア諸国、北米、中南米など約28ヵ国を放浪。中国・復旦大学、アメリカ・Santa Monica Collegeを経て、2004年に株式会社アットムービーに入社。取締役に就任し、映画・テレビドラマのプロデュースと新規事業の立ち上げを担当する。2007年に株式会社gumiを設立し、代表取締役に就任。GREEをプラットフォームとするソーシャルゲームの企画・開発・運用で急成長を遂げ、積極的な海外展開を進めている。

企業情報

設立 2007年6月
資本金 13億6,880万円
従業員数 500名(国内・海外子会社を含む)
事業内容 ソーシャルゲームの企画・開発・運営
URL http://gu3.co.jp/

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