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IT業界の起業家インタビュー

株式会社HAL 代表取締役 寺西 信夫

IT「エンジニアのための会社」という旗は絶対に降ろさない

株式会社HAL 代表取締役 寺西 信夫

エンジニアの「やりがい」「働きやすさ」を追求、給与体系をガラス張りにしている会社がある。SE出身の寺西氏が率いるHALだ。創業の原点には自身の経験と、仲間との固い約束があった。経営ビジョン、同社が実施している独自の制度の内容などを寺西氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信51号(2013年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は「エンジニアのための会社」を標榜しています。どのような仕組みや制度があるのですか。

寺西:当社は、「やりがいのある仕事」「明確な給与体系」「働きやすい環境づくり」、この3つを経営の中核に位置づけています。そのため、一般のシステム構築会社とは仕事の進め方が少し違います。採用面接時に業務内容、勤務地、給与についての希望を聞くほか、そのエンジニアが考えているスキルアップやキャリアパスの方向性についてもヒアリング。そうした要望がかなう仕事をアサインするのはもちろん、フィットする案件が手元にない場合は、営業部門が探して受注してきます。当社の営業活動の基本は、エンジニアのやりがいの実現。売上ほしさになんでも受注してくる会社ではなく、エンジニアが主役の会社なんです。

―「明確な給与体系」とは、どういうことですか?

寺西:当社では個別案件ごとに、正社員の場合は、受注金額の80%をエンジニアに還元しています。安心して働いてもらうため、給与体系をガラス張りにしているのです。社会保険や賞与積立などがあるため、支給額の目安は受注金額の60~65%です。たとえば、月次80万円の受注案件なら還元金額は64万円で、そこから社会保険や賞与積立を差し引いた約52万円を支給します。当社ホームページで「正社員給与体系シミュレーション」も公開しています。ここでは、作業料金や年齢などの項目を選択するだけで、月次給与や年間賞与、年収予想の目安がはじき出せます。ここまで金銭面を徹底的に透明化しているシステム構築会社は、少数だと思います。

―どのような方法で「働きやすい環境づくり」を実現しているのですか。

寺西:エンジニアが外部に常駐する当社のようなシステム構築会社にとって、現場の労働環境づくりを自社でコントロールするのはむずかしいのが実状です。それでも、できることはあります。そのひとつが、大手SIerからの受注に特化すること。そうした案件では大企業の現場が多いため、一定の質の労働環境が担保されるからです。

その点、当社のクライアントはアクセンチュア、SCSK、キヤノンITソリューションズ、スミセイ情報システムなど、大手がほとんど。現場の多くもメガバンク、信託銀行、証券会社、生命保険会社などの一部上場企業です。しかもほとんどが長期案件なので、長期間、安心して働くことが可能です。 このほか、つねに現場の状況を把握し、問題があればそのつど対処することなどで、働きやすい環境づくりを推進しています。

―どんなことをしているのですか。

寺西:当社のコーディネーターが定期的に巡回。現場の状況などについてヒアリングし、エンジニアをフォロー、現場の問題点や不満点を早期に解決しています。とくに注意しているのは残業。超過勤務がひどい場合、エンジニアを引き揚げることもあります。また、35歳以上のエンジニアを対象にした人間ドックを年に一回、実施するなど、健康面についても配慮しています。現場のエンジニアを守れるのは会社だけ。今後もキメ細かな対応を継続していきます。

―そもそも、なぜ「エンジニアのための会社」を標榜しているのですか。

寺西:その理由は、当社を起業した原点にさかのぼります。もともと私はシステム開発会社のエンジニアで、労働負荷の割に見返りが少ない現実を自分の身で経験しています。その後、別会社に転職したのですが、そこも収益至上で、現場のエンジニアの待遇なんか眼中にありませんでした。

そして、そこで知り合った天野さんと「こんな実態はおかしい」「エンジニアが報われる会社をつくりたい」という想いで意気投合。HALを一緒に起業しました。ですから「エンジニアのための会社」というビジョンは、当社の※レゾンデートルそのものなんです。残念ながら天野さんは、4年前に病に倒れ、亡くなりました。しかし、彼との男の約束はいまも生きている。だから、何があってもこの旗を降ろすわけにはいきません。

―御社の採用基準を教えてください。

寺西:技術的なスキルよりもマジメさや意欲などのヒューマンスキルを重視しています。安定した労働環境で長く働き、自身のキャリアマップを目指すエンジニアにとり、当社は絶好のフィールドだと自負しています。

※レゾンデートル(raison d'etre):存在意義、存在価値のこと

寺西 信夫(てらにし のぶお)プロフィール

1961年、兵庫県生まれ。1990年に法政大学を卒業。システム開発会社のSEなどを経て、2003年に株式会社HALを設立し、代表取締役に就任。社名はスタンリー・キューブリック監督のSF大作映画『2001年宇宙の旅』に登場する人工知能を備えた架空のコンピュータHeuristicallyprogrammed ALgorithmic computer9000に由来する。

企業情報

設立 2003年8月
資本金 1,000万円
売上高 5億6,000万円(2012年3月期)7億5,000万円(2013年3月期見込み)
従業員数 150名(2012年12月末現在)
事業内容 コンピュータシステム構築請負業務、コンピュータシステム運用管理業務など
■事業所/東京本社、中部支社、関西支社
URL http://www.hal21.co.jp/

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