累計経営者579人に取材、掲載社数300ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

著名起業家インタビュー

堀場製作所 創業者 堀場 雅夫

著名起業家おもしろいことをやれば成功する

堀場製作所 創業者 堀場 雅夫

※下記はベンチャー通信38号(2009年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―では起業家の資質とは別に、ベンチャー企業の「成功の条件」はありますか。

堀場:主に3つあると思います。まず1つ目の条件は「市場」、つまりマーケット。そのビジネスがマーケットから必要とされていなければ、絶対に成功しません。たとえば、技術屋は技術に惚れ込んでしまうことがある。その張本人が私です(笑)。この技術は素晴らしいと信じて、営業マンに商品を売らせてみる。でも一向に売れない。お客さんには「この技術は素晴らしいと思います。でもウチはいりません」と言われる。世の中から必要とされていなければ、どんなに技術が優れていても売れるはずがないんです。そして、2つ目の条件が「継続」。ベンチャー企業は大きな花火をひとつ打ち上げるだけではダメです。社会の進展と共に、技術やサービスをバージョンアップしていかなければいけません。3つ目の条件は「社会への貢献」、つまり社会に役立つ事業を行うこと。はやりのCSR(企業の社会的責任)とは違いますよ。CSRと謳って木を植えることも結構ですが、まず事業そのものが社会に役立っていなければいけません。木を植えることが何かの免罪符だとしたら、それは本末転倒でしょう。そもそも事業が社会の役に立っていなければ、利益も出ないはずです。商売とは、儲けようと思って儲かるものではありません。商売とは、情熱を持って、社会に役立つ事業をしっかりと継続することです。その結果として、儲かるわけです。

―ベンチャー企業が気をつけるべき“落とし穴”はありますか。

堀場:資金繰りでしょうね。特に、技術系のベンチャー企業は資金繰りに苦労して、技術開発のチャンスを失うケースが多い。だから私の考えでは、どんなビジネスでも会社設立時に2千万円は資本金を積むべきです。いま銀行は超低金利で、世の中にお金は余っています。だから、情熱と綿密な事業計画があれば、2千万円ぐらいは集まります。それができない人は、商売にそもそも不向きだと思います。なぜなら、それは「自分の情熱や事業の将来性を支援者に伝えられない」という証拠だからです。

―最近の新興市場の停滞について、どう捉えていますか。

堀場:新興市場の停滞は、現在の世界的大不況が原因ではありません。その前から兆候は出ていました。だから不況の今こそ、ベンチャー企業や新興市場のあり方を見直さないといけません。振り出しに戻って、冷静に考える良い機会だと思います。最近の新興市場は、会社設立から3年ぐらいでIPOできるでしょう。あれはおかしいですね。当社はIPOまで17年かかりましたが、それでも当時はスピード上場と言われていました。IPOするのであれば、事業を継続的に成長させて、企業にホンモノの価値があることを証明しないとダメです。だから、それなりに時間をかけて、しっかり体制作りをしなければいけない。IPOした途端、利益率が半分になるようなベンチャー企業には、IPOの資格がありません。また短期間でIPOを果たした起業家の中には、すぐに自社株を売り抜ける人間もいます。そんな人間は、サブプライムローンを売り逃げした連中と何ら変わらんでしょう。人間として最低です。金儲けを目的にした企業は、いずれ潰れます。残りカスの株式をつかまされた個人投資家がかわいそうですよ。

―最後に、若者へのメッセージをお願いします。

堀場:人生は一度きりです。だから、自分のやりたいことをしてください。あなたはもしかすると、明日死ぬかもしれません。だから、今この瞬間を楽しく生きてください。つまらない瞬間を積み重ねても、つまらない人生しか送れません。そのことを私は逆説的に「イヤならやめろ!」と言っているわけです。単純に「やりたいことをやれ」と言っても、おもろないからね(笑)。イヤなことを頑張って続けても、なかなかうまくいかないはずです。自分が好きなこと、おもろいと思うことをやらんと成功しません。私は84年間生きてきましたが、イヤイヤ仕事をしながら成功した人を未だかつて見たことがない。失敗している人は、おもろいことが見つかっていない人です。もしくは見つかっていても、それをやっていない人です。みなさんも、常にチャレンジして、人生を満喫してください。

堀場 雅夫(ほりば まさお)プロフィール

1924年、京都市生まれ。1945年、京都帝国大学(現:京都大学)理学部在学中に堀場無線研究所を創業。国内初のガラス電極式pHメーターの開発に成功し、1953年、株式会社堀場製作所を設立。社員に博士号の取得を推奨し、自身も1961年に医学博士号を取得。1978年に会長、2005年に最高顧問に就任。現在は日本新事業支援機関協議会会長、京都市ベンチャー企業目利き委員会委員長など、起業家の育成に力を注いでいる。著書に『イヤならやめろ!』(日本経済新聞出版社)、『今すぐやる人が成功する』、『仕事ができる人できない人』(三笠書房)など、ベストセラー多数。

企業情報

設立 1953年1月26日
資本金 119億5,200万円
売上高 1,442億8,300万円 ※連結売上高
従業員数 4,976名 (グループ従業員数)
事業内容 自動車計測機器、環境用計測機器、科学計測機器、医用計測機器、半導体用計測機器の製造販売。分析・計測に関する周辺機器の製造販売。分析・計測に関する工事、その他の建設工事ならびにこれらに関する装置・機器の製造販売
URL http://www.jp.horiba.com

その他の著名起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら

pagetop