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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ニトリホールディングス 代表取締役会長 似鳥 昭雄

流通業界の革命者が語る“イノベーションを起こす方法”

大きなロマンがあれば不可能はない

株式会社ニトリホールディングス 代表取締役会長 似鳥 昭雄

「お、ねだん以上。ニトリ」のキャッチフレーズを耳にした人は多いだろう。国内外に400店以上(2015年10月末時点)、中国や米国など海外進出も加速する家具店の一大チェーンだ。躍進の背景には、1967年の1号店開業から指揮をとる代表の似鳥氏の惜しみない人財への投資があった。流通業界に巨大なイノベーションを起こした人財集団をどうやって育てあげたのか。「ヒトづくり」「組織づくり」にかける想いを同氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信62号(2016年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

世界3000店を目指す60 年計画に挑戦中

―北海道・札幌市に1号店を開業してほぼ半世紀。ニトリは国内外に400店舗を展開するまでに成長しました。強さの秘訣はなんでしょうか。

 ただひたすら、ロマンを追求してきたことです。すべての原点は、43年前に私が参加した米国の流通業の視察ツアーにあります。そこでは、暮らしをいろどるあらゆる商品が豊富にそろっているのに圧倒されました。そして、その品質の高さと価格の安さにも。「日本は米国に50年は遅れている」。そう感じ、「日本にも本当の意味での住まいの豊かさを実現したい」というロマンを抱いたのです。

 壮大なロマンをなにがなんでも実現してみせる。そのために、60年にわたる長期ビジョンを打ち立てました。前半の30年で「100店舗・売上高1000億円」という目標は達成。いまは後半の30年間に突入し、「3000店舗・売上高3兆円」を目標に走り続けています。

―壮大なロマンが原動力になっているわけですね。

 ええ。長期にわたって高い目標を追求していくわけですから、小手先の改良・改善を積み重ねていくだけでは達成できません。常識や先入観をすてて、イノベーションを起こさなくてはならない。

 お客さまにとって適正な品質と機能をもつ商品を、お手ごろな価格で提供するためにどうするか。それだけを考える。そして、そのために有効ならば、まだ誰もやっていないことでもやってやろうと。思い切ったチャレンジを重ねてきた。その結果、世界的にも例のない「製造物流小売業」という独自のビジネスモデルが構築されてきました。

 私たちは商品企画から原材料調達・製造・輸入・販売・物流までをトータルで手がけています。グループ全体では、小売にかけるパワーは全体の3割程度。世界各国から部品や素材を厳選して調達し、海外工場で徹底した品質管理のもとに製造することに大きな比重を置いています。それを輸入して全国の店舗で販売し、お客さまの家まで配送する物流まで自分たちでやっているのです。
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