累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

株式会社アイデンティティー 代表取締役 今野 力

IT確かな技術と収益化ノウハウを武器にアジア市場へ進出する

株式会社アイデンティティー 代表取締役 今野 力

収益化が難しいとされるスマートフォンのアプリ市場で、着実に収益をあげながら、圧倒的な開発本数を達成したアイデンティティー。同社は1年間で241本という過酷ともいえる開発数を通じて、技術力・開発スピード・収益化ノウハウなどを着実に蓄積してきた。そして今、インターネット広告の草分けとして知られるアドウェイズグループの支援を武器に、アジア・世界市場を目指すという。同社代表の今野社長に、その戦略とビジョンなどを聞いた。

※下記はベンチャー通信47号(2012年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―1年間で241種類ものAndroid用アプリをリリースしたそうですね。なぜ、それほど多くのアプリを開発しようと思ったのですか。

今野:以前から、何かしらの主導権を握れる企業になりたいと考えていたからです。当社がスマートフォン(以下、スマホ)用アプリの開発を始めたのは2010年11月のことでした。しかし、当時はiPhone向けアプリの市場が先行。すでにトップベンダーがいるうえ、収益化の手法も確立された状況でした。そこで、まだ混沌としていたAndroid向けアプリの開発に注力することにしたのです。主導権を握るにあたっては、できるだけ数多くのアプリを開発しようと、「100本ノック」というスローガンを掲げました。100本ノックをこなすようなつもりで、次々とAndroid向けアプリを開発しようと決めたのです。そして1年をかけて取り組んだ結果、目標の100本を大きく超え、241本ものアプリをリリースすることができました。これは2011年10月現在、Android向けアプリ開発マーケットにおけるベスト1000ベンダー中、年間生産本数で世界一となっています。

―スマホアプリの収益化は容易ではありません。御社が成功できた理由はなんですか?

今野:自社内でできるプロモーション施策と※リワード広告でランキングを上げたことです。収益化においては、Androidマーケットで上位にランキングされることが何よりも大事。当社の場合、具体的なランキング対策として、当社独自で編み出したプロモーション施策12か条と当社の出資企業でもあるアドウェイズさんのプロモーション用プラットフォーム「AppDriver」を使ったリワード広告が非常に効果的でした。今では「当社独自のプロモーション施策とAppDriverを入口としてダウンロード数を増やし、そこでコンテンツのクオリティの高さが認められる。そしてランキングが上がり自然流入、ソーシャルバイラル、各媒体宣伝(無料)によってさらにダウンロード数を増やし、広告収益が上がっていく」という流れが確立できています。スマホアプリで収益をあげる方法には、広告収益型モデルや課金型モデルがあります。数年前は当社も手探りの状況でしたが、スマホの普及に伴いユーザーおよび広告主が増え、徐々に収益化がしやすい環境になってきていると実感しています。

※リワード広告:成果報酬型広告のひとつで、広告(アプリをダウンロードする)に対する報酬(ポイントやアイテム)を還元する仕組みをもった広告のこと。ソーシャルメディアのポイントやアイテムといった仮想的なものが一般的。

―今後の製品展開と収益モデルを聞かせてください。

今野:まず製品については、2つの新製品を4月末にリリースする予定です。このうちひとつは、ジオラマのように仮想世界を作りあげていく※箱庭系のソーシャルゲームアプリ「カプセルガーデン」。現実の世界にある建物や動物をカプセルの中に配置し、おもちゃ箱を見ているようなミニチュア感覚の世界を作れる点が魅力です。アプリ自体は無料ですが、レアな建物やゲーム内の通貨は有料。リワード広告や純広告による広告収入も得られますが、アイテム販売が主な収入源になります。そしてもうひとつは、※ソーシャルCGM型のアプリ「アテナの書庫」。これはユーザーがクイズを作成し、それに対して他のユーザーが回答していくというものです。既存の検定系サイトとは異なり、問題を作成する側と解く側のユーザー双方にポイントを還元します。リワード広告、純広告、アフィリエイト広告の広告収入が主な収入源ですが、将来的には企業からの「協賛クイズ」を掲載することによる掲載料も見込んでいます。また、問題を作成してくれたユーザーに広告収益の一部を還元する仕組みも大きな特徴。さらに、多言語展開アプリとして開発している点もCGM型サービスでは珍しいですね。まずは、日本語、英語、韓国語でリリースし、将来は中国語にも対応予定です。ちなみに当社のアプリは、これまでも英語、韓国語での展開を進めており、合計ダウンロード数200万のうち約半数が海外で、今回のソーシャルCGM型サービスをきっかけに、海外での当社の存在感を高めていきたいと考えています。

※箱庭ゲーム:箱庭的世界を外から眺めるタイプの育成シミュレーションゲームのジャンル。

※ソーシャルCGM(Social Consumer Generated Media):インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア。ユーザーが直接情報を投稿し、掲載されるタイプのメディアのこと。

―具体的にはどのような戦略で挑むのですか?

今野:中国、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インドネシアなど、アジア圏でインターネット事業を積極的に展開するアドウェイズさんとのパートナーシップが大きな力になると考えています。当社にとって、ソーシャルプラットフォーム、スマホアプリ開発による海外進出は単なる通過点にすぎません。将来的には、「世界No.1のIT公共インフラをつくる企業」を目指しているのです。IT公共インフラとは、例で言うとFacebookのようにコミュニケーションの基盤として社会全体に根付づくもの。誰もが直接感謝の言葉を口にすることはなくても、確かに大勢の人々の暮らしを支えている。そうした大きな価値を提供できる企業を目指して、小さなイノベーションを重ねていきます。

今野 力(こんの つとむ)プロフィール

2008年8月、株式会社アイデンティティーを設立し、代表取締役に就任。「人と人のつながりを大切にせよ」、「成長をし続けるために、困難に立ち向かえ」、「小さな革新を重ねよ」を経営理念に掲げ、日々イノベーションに取り組んでいる。

企業情報

設立 2008年8月
資本金 1,000万円
売上高 1.5億円
従業員数 16名
事業内容 スマートフォンアプリケーション 開発事業・ソーシャルコンテンツ 開発事業・Web、Mobile 制作、開発事業・IT技術者常駐支援事業
URL http://id-entity.jp/

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