累計経営者579人に取材、掲載社数289ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

飲食・食品業界の起業家インタビュー

株式会社アイム・フードセンター 取締役社長 今村 貴紀

飲食・食品顧客との信頼の絆が、新しい食肉卸業の姿を創り出す

株式会社アイム・フードセンター 取締役社長 今村 貴紀

―なぜ、御社でそうしたサービスが可能になったのでしょうか。

 お客様への対応に徹底的にこだわってきたからに尽きると思います。当社では、お客様から言われたことは絶対にやります。

 「できない」とは言わず、必ずこなせるように努力する。他の食肉業者が見て、「そこまでやるのか」「うちではとても採算が合わない」と思うところまでやるのが当社のモットーなのです。

 その一つとして、配送にも力を入れています。都内でお店が集中する新宿や六本木などの店舗には、1日1便が常識のなかで、午前・午後の1日2便の配達を行っています。

 また必要に応じて、たとえば居酒屋チェーンのセントラルキッチンから各店舗への肉の配送を請け負う際に、お店の魚や野菜などの食材を一緒に運ぶといったサービスを無償で提供しているんですよ。

―なぜそこまでするのですか。

 焼き鳥用の肉を任せてもらえれば、お客様のほうで焼き鳥を刺す手間がなくなり、時間の余裕が生まれてその他の仕事ができるようになります。

 配送・納品における利便性を高めてサービスすることも同様。お客様の仕事を機能的に変えるお手伝いをすることで経営が効率的になり、多くのお客様の店舗数が増えて成長しています。取引開始時は3店舗だったのが、今や20数店舗に増えたお客様もおられます。

 もちろん、当社のサービスだけが理由ではないとは思いますが、そうやって取引先のお店や会社が大きくなることは、私たちとしてもとてもうれしいものです。

 お客様の店舗の成長や売上の増加を願って、当社では、お客様用の焼き鳥の卓上メニュー表を作ってお店に提供したり、焼き鳥をより美味しく見せるための串への刺し方のコツなどのアドバイスも実施。「焼き鳥や鶏肉のことは何でも聞いてください!」というスタンスで積極的に情報提供をしながら、お客様に喜んでいただけるサービスを心がけています。

―今村社長が事業を行う上で大切にしている考えを教えてください。

 鶏肉卸のビジネスは薄利ですから、当社も5~6年前までは事業がなかなか軌道に乗りませんでした。食肉業界の他の経営者の方からは「焼き鳥ばかりやっていても駄目だよ」と嘲笑される始末。でも私は、「うちはあくまでも鶏肉屋です。絶対にこの路線を続けます」と言い続けたんです。

 そして当社のサービスを気に入ってくれるお客様が増え、「アイムさんに任せておけば、鶏肉や焼き鳥のことはまったく心配いらない」と信頼を獲得。お客様にメリットを感じていただけたことで、次第に数が増えて収益ラインを大きく上回るようになりました。

 だからこそ私は、お客様のために仕事をするというスタンスを貫きたいのです。当社の仕事ぶりをぜひ買っていただいて、こちらもその信頼に応える仕事がしたい。少しくらいの無理は、喜んで請け負います。

 お客様から発注もれの連絡があれば、たとえ500円だけの肉でも首都高に乗って届けに行きますよ。時には損を承知でお客様の要望に喜んでお応えするなど、気持ちでつながる部分を大事にしながら、お客様との信頼関係を大事にしたサービスを徹底したいですね。

従来の固定観念を切り崩し他の業界に誇れる会社を作り上げる

―食肉卸のビジネスについてはどのような思いがありますか。

 実は食肉卸は古い慣習が残る業界で、昔ながらの感覚の「肉屋」が多いんです。つまり、お客様の要望に応えるというよりは、お客様に合わせてもらうのが当たり前という業界。

 たとえば野球のピッチャーがお客様でバッターが肉屋なら、「ここに投げて来い!」とピッチャーに注文するのが今までの肉屋です。私はそれではおかしいと思い、「どんなボールを投げてもらっても打てる会社になろう」と思いました。

 そうするうちに、自分のストライクゾーンがどんどん広がっていき、お客様からも、好きなボールを気軽に投げてもらえる会社になったように思います。

 だからこそ私は、旧態依然とした業界に、お客様本位の考え方を浸透させていきながら、他の業界に誇れるようなしっかりとした会社を作っていきたいと思っているんです。

―今後の事業展開について聞かせてください。

 焼き鳥用に串に刺した鶏肉を、小ロットから納入してくれる食肉卸があることは、まだそれほど知られていないんです。しかもそれをチルドで入れると話すと、お客様はとても驚かれます。

 そうした当社の存在自体をもっと知っていただくことで、需要はさらに増えていくと思います。そのためにもこのほど群馬に加工工場を確保して、新たな需要に応えられるように準備しました。

 そして今後は、従来の食肉卸事業のほかに、食肉の配送における新たなサービスを始めたいと思っているんです。当社は都内を中心に、細かな配送網を広範囲に張り巡らせている強みがあります。それを使って、同業他社の食肉の配送を請け負うデリバリーサービスを新事業として確立できるのでないかと考えています。

―最後に今後のビジョンを教えてください。

 焼き鳥は日本人の食文化として根付いていますから、きっとこれからもなくなることはないでしょう。だからこそ、鶏肉を中心とした新たなサービスの循環を、自社の中に作りたいと思っています。
私はある縁からラーメン店の経営を担うことになり、別会社で飲食事業をスタートしました。今後は居酒屋などの展開も視野に入れていきたいと考えています。

 そして将来の目標としては、自身で養鶏を行い、自社ブランドの鶏肉をつくるところまで実現できればうれしいです。つまり肉をつくり、加工して配送し販売する。そして飲食店でお客様に食べていただく。そうした鶏肉の循環すべてを事業として構築できれば面白いと思うんです。

 そして、各プロセスを担うための新会社を複数で立ち上げ、社員を社長に抜擢して、組織をみんなで大きくしたい。鶏肉を中心にした食肉ベンチャーとして、若い人がどんどん挑戦できる土壌を作りたいという思いがあります。

 古い業界に風穴を開け、従来の固定観念を切り崩して、新しい食肉卸業の姿を創り出す。将来にわたって夢が描ける会社にしていきたいと思っています。

今村 貴紀(いまむら たかのり)プロフィール

1981年、2月生まれ。もともと食肉業界とは無縁だったが、父親の事業の関連で食肉ビジネスに参入することとなり、2007年に設立した株式会社アイム・フードセンターの役員となる。その後、取締役社長に就任。鶏肉を中心とした食肉卸にこだわり、徹底した顧客第一主義を貫くことで取引先の信頼を獲得、業界に新風を吹き込んだ。「自社配送1日2便対応」「チルド焼鳥の製造販売」「お客様からのご要望には100%応える」といった顧客対応力の高さを武器にいっそうの業容の拡大をはかっている。

企業情報

設立 2007年7月
資本金 1000万円
売上高 8億4千万円(今期見込)
事業内容 食肉総合卸売事業
URL http://www.im-foodcenter.com/
お問い合わせ電話番号 03-3679-7761
お問い合わせメールアドレス contact@im-foodcenter.com

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