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著名起業家インタビュー

株式会社ジャパネットたかた 代表取締役 髙田 明

著名起業家自分を信じて、自分を疑え

株式会社ジャパネットたかた 代表取締役 髙田 明

※下記はベンチャー通信36号(2008年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―髙田さんが考える"経営者に必要な資質"を教えてください。

髙田:まず右脳(感性)と左脳(理性)で言うと、どちらも大事だと思います。右脳は直感で物事を捉え、左脳は論理的に物事を捉えます。この両方がないと経営者は駄目です。理性ばかりで経営しては、いずれ会社は行き詰る。経営には感性が必要です。99%は理性的に経営を考えても、最後の1%に感性が必要なんです。
また、経営者に大事なのは"継続する力"です。必死に頑張るのは誰でもできます。しかも経営者なら頑張るのは当たり前です。大事なのは、どこまで粘り強く続けられるかです。継続にこそ意義があります。途中であきらめてはいけません。真の経営者は、常に満足することなく、改善を積み重ねながら自分に挑み続けるものです。私は企業の最終的な価値とは継続することだと考えています。50年、100年続いている企業こそ偉大だと思います。当社も100年後にも残っている会社でありたいと常々思っています。

そして、経営者は"他責にしないこと"です。現在、アメリカに端を発した金融危機で世界経済は厳しいですが、自社の経営難をそのせいにしてはいけません。金融危機なんて、一個人にはどうにもできないことです。だから、この状況は受け入れるしかない。真の経営者とは、置かれた環境を受け入れたうえで、どこまで自分の信念を貫いて、七転び八起きの精神で継続できるかです。強い精神力が必要になります。

あと大事なのは"伝える力"ですね。自分の感動を人に伝え、共有させることができるか。たとえば映画を観て感動して、その感動を人に話して伝えられるか。うまく話すのとは違います。感動を伝えられる力があるかどうかです。感動の共有ができるか。これは自社の経営理念を社員と共有できるかと同じなんです。この力がなければ、経営者の想いを社員と共有することはできません。

―数年前、ライブドア事件や村上ファンド事件が起こり、ベンチャー業界で不祥事が続きました。これについて髙田さんはどう思いますか?

髙田:一概に、良い、悪いという話ではないと思います。経営者にはそれぞれ経営に対する考え方があります。これは経営者の生き方の問題でもあります。その中で、売上や時価総額を追求する考え方もあるわけです。
松下幸之助氏は「企業は社会の公器である」と言っています。私もその考え方に非常に共感します。要は経営に対する考え方の違いだと思います。

―最近、都市と地方の格差について議論されていますが、これについては?

髙田:私は地方の人が「地方の格差」を口にする時点で負けだと思います。それがすべての言い訳になってしまう。今やITや物流も発展して、地方でもビジネスはできます。50年前のビジネス環境とは違います。もちろん物理的な距離など、地方にデメリットがあるのは確かです。でも逆に地方の良さ、つまり強みもある。 北海道では、タレントの田中義剛さんが生キャラメルで成功されています。冷静に自社の置かれている状況を分析して、誠実に仕事をすることで糸口は見えてくると思います。決して悲観することはないんです。ただし、他責にしてはいけません。だから「地方の格差」と言った時点で、私は負けだと思います。

―つまり最後は自分との戦いということですね。

髙田:そうですね。どこまで自分を高めていけるか。私もどれだけ商品をお客さまに買って頂いても、さらに上を目指すようにしています。今よりもっと買って頂くにはどうすればいいか。常に悩んでいますよ。常に高みを目指して、現状に満足しない。その積み重ねが、企業としての強みにもなると信じています。小さなステップを乗り越えていけば、その積み重ねが大きな成果を生み出すんです。

―最後に若い読者にメッセージをください。

髙田:あまり若いうちに自分を固めないことです。無理に夢なんて持たなくていい。若いうちはいろんな人に出会い、いろんな本を読むべきです。最初から完成形を目指さずに、徐々に変化していけばいいと思います。あと、若いうちに論理的思考力を鍛えるべきだと思います。社会に出たら、問題解決する時に、物事を論理的に考える必要に迫られます。感性も大事ですが、そのベースに必要なのは論理的思考力です。しっかり論理的思考力を身に付けて、深く考える力を養ってください。

 そして、最後に伝えたいのが“信”と“疑”という言葉。“信”とは自分を信じること。“疑”とは、自分を疑うこと。この両方を常に覚えておいてほしい。誰よりも自分を信じているけど、できないことはできないと素直に認める謙虚な姿勢も大事です。この相反する2つの言葉を常に意識しておくことです。私どもとは次元が違いますが、大リーガーのイチロー選手も同じだと思います。自分を人一倍信じているけれど、常に現状に満足せず、努力し続けている。また、危険なのは、成長して成果が出れば“疑”を忘れることです。謙虚に学ぶ姿勢はいつまでも持ち続けるべきです。私も今年で60歳になりましたが、いつまでも謙虚であり続けたいと、常に自分に言い聞かせています。

髙田 明(たかた あきら)プロフィール

1948年、長崎県平戸市生まれ。1971年に大阪経済大学経済学部を卒業後、阪村機械製作所に入社。欧州駐在の後、友人と翻訳会社の立ち上げを計画するも頓挫する。その後、故郷の長崎県平戸市に戻る。1974年、父親が経営していた“カメラのたかた”に入社。1986年には独立して、株式会社たかたを設立し、代表取締役に就任。1990年にラジオショッピング事業、1994年にテレビショッピング事業に参入。その後も、通信販売事業をはじめ、新聞折込、CS放送、インターネット、ケータイサイトなどのメディア戦略を展開し、通販業界のトップクラスに躍り出る。1999年には現社名に変更。

企業情報

設立 1986年1月16日
資本金 1億円
売上高 1,161億円(2007年12月期)
従業員数 345名(内パート・アルバイト含む、2008年1月現在)
URL http://www.japanet.co.jp/

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