累計経営者579人に取材、掲載社数273ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

IT”着物”で日本経済を活性化したい

株式会社Japan Style(ジャパンスタイル) 代表取締役社長 熊切 雄三

「着物に興味はあるが、敷居が高そうでなかなか手が出せない」。そんな声を受け、初心者にも役立つ着物情報サイトやイベント開催などを多角的に展開するJapan Style。ITベンチャーとして培ったノウハウをもとに着物の魅力や気軽な楽しみ方を情報発信し、その普及と日本文化の継承に取り組んでいる。「日本の活力が低迷している今の時代だからこそ、日本の伝統文化に目を向け、着物を通して日本を元気にしたい」。そう語る同社代表の熊切氏に、ネットを使った多様な取り組みやビジネスシーンにも役立つ着物の魅力などについて聞いた。

※下記はベンチャー通信47号(2012年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は着物の普及に取り組んでいるそうですね。きっかけはなんだったのですか?

熊切:私自身、着物が大好きなこともあり、良い伝統を守りながら新しい文化や価値観を創造していきたいと考えたからです。ここ数年、堅苦しいイメージや日本のしきたりにとらわれず、個々のライフスタイルに合わせて着物を楽しむ人が増えています。一方で、「着物はどこで買えるのか」、「何から揃えればいいのか」、「相場価格がわからない」といった声をよく耳にします。そこで当社では「着物と触れ合い、日本の伝統を伝え、楽しむこと」を提唱し、着物や日本文化に関するサイトを運営。着物にまつわる情報発信などを実施しています。また、着物初心者向けのセミナーを開催し、着物の魅力や楽しみ方などを広く伝える活動を行っています。

―御社が手がける着物情報サイトやイベントについて具体的に教えてください。

熊切:着物情報サイト「KIMONDOU(着物道/キモンドウ)」では、着物の基礎知識やスタイリング、着付け法、手入れ方法、イベント情報など、着物初心者にも役立つコンテンツを幅広く提供しています。現在、サイト内のフェイスブックページには約9000人のファンがおり、ユーザー同士が情報を共有しながら着物ライフの楽しみ方を広げています。また、高級帯専門通販サイト「源水堂」ではメーカーや問屋から仕入れた約200種類の商品を扱い、日本の女性を輝かせると同時に着物ファンを応援しています。同サイトはビジュアルでわかりやすく魅せることを意識し、商品のほとんどをコーディネートして紹介。季節やテーマごとに着物、帯、和装小物を組み合わせた約70種類のスタイルを提案しています。イベントに関しては、着物や日本文化を楽しく体験できるものを随時開催。中でも人気を集めているのが、少人数制で基礎から学べる「着物のはじめかた講座」です。着物に興味はあっても何から始めたらいいのかわからないという初心者に向けて、揃えるべきアイテム、相場価格、失敗しない買い方、TPOなど、着物デビューに必要な知識を伝授。最近はミドル世代の経営者の方を中心に、男性からのお問い合わせも増えています。

―学生時代から起業家志向だったのですか?

熊切:はい。大学生時代にITベンチャーを立ち上げ、さまざまな業界のクライアント案件に携わってきました。その中で呉服業界の方と接する機会があり、業界の古い慣習や複雑な流通システムを認識。それがネックとなって消費者の着物離れが進み、市場規模も年々縮小していると知ったのです。私自身の着物への興味も手伝って、これは何とかしなければいけないと一念発起。その第一歩として2009年、IT事業の一環で着物のサイトを開設しました。そこで大きな手応えを得て、2011年4月にジャパンスタイルを設立し、着物の普及と業界改革に挑むべく本格始動したのです。

―着物の素晴らしさはどこにありますか。

熊切:日本が誇るべき伝統文化である点です。着物はさまざまな時代を背景に、職人の知恵や技術を駆使して作り上げられてきた日本古来の民族衣装です。ですから、「着物を着る」ということは、日本を知り、日本を感じるということ。実際,着物を着て海外のパーティーに参加した時の周囲の反響の大きさには驚きと感動を覚えました。着物は日本人を象徴するブランドなのだと実感しましたね。

―着物はビジネスシーンにも役立つと聞きました。具体的なメリットは何ですか。

熊切:アイデンティティーをきちんと示せることです。特にグローバルなビジネスシーンでは、自己表現が何より大切。着物を着ることが日本人としてのアイデンティティーを示すことになり、相手に信用してもらうきっかけになってくれます。そのうえで互いに語り合い、相手のことを知ることで、初めてビジネスパートナーとして認めてもらえるのです。実際、こうしたビジネスに関する交流の場では、多くの人たちが自国の民族衣装を着用しています。これは、それぞれの国の方が自国の代表として、他国の人々との相互理解を大切にしているからに他なりません。

 ちなみに、海外の公式な席では、ドレスコードに着物を含むところが多くあります。日本人にも日本の代表として、率先して着物を着てほしいですね。一方で最近、着物を愛用する日本人経営者が増えているのも事実。確固たる信念を持って会社経営を行う彼らの中には、茶道などの伝統文化をたしなむ人もいます。これからの時代、世界市場でビジネスを展開していくためには、自国の伝統文化に目を向けることがますます重要になってくるでしょう。日本人も誇りを持って着物を着用し、日本の代表として世界を舞台に活躍してほしいですね。

―経済の活性化という点でも、着物の可能性に注目しているそうですね。

熊切:はい。数年前から、「着物を着て街歩き&ショッピング(東京 銀座)」や「着物で乗るとタクシー料金を割引(京都市)」など、地域を盛り上げる着物イベントおよび特典が増えています。これと同様に、着物パーティーや※街コンといった着物ファンの集まりが増えれば、商店街や店舗が潤って日本経済の活性化にもつながると考えています。日本を元気にするためにも、日本の文化を愛し、着物を着る人たちをもっと増やして、その輪をどんどん広げていきたいですね。

※街コン:街ぐるみで行われる大型の合コンイベントのこと。

熊切 雄三(くまきり ゆうぞう)プロフィール

1981年、神奈川県生まれ。20歳の頃から着物や日本の伝統文化に興味を持つようになる。神奈川大学工学部在学中の2005年、ITベンチャーの有限会社プリッキアを設立。さまざまな業界の案件に携わる中で、縮小する呉服業界の現状を知り、IT事業の一環として着物の情報サイトを開設。2011年、株式会社Japan Styleを設立し、代表取締役社長に就任。

企業情報

設立 2011年4月
資本金 2,100万円
事業内容 着物情報サイト「KIMONDOU」を中心としたインターネットメディア事業、イベント・ワークショップの企画運営
URL http://www.japan-style.co.jp/

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