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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

際コーポレーション株式会社 代表取締役 中島 武

西洋と東洋の”際”を目指して

際コーポレーション株式会社 代表取締役 中島 武

※下記はベンチャー通信7号(2003年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―起業家になるための資質は何ですか。

中島:起業家になるには、総合能力を持っていることが大切です。ある時には商品開発能力が必要で、ある時にはプレゼン能力が必要となります。そして、人を動かす能力もないといけない。つまり、プレーヤーにも監督にもなれないといけないわけです。私の場合、会社に勤めていたら、及第点に及ぶか及ばないかくらいのダメなサラリーマンだったと思います。何にもできない訳ですからね。でも、総合的に判断して人にしてもらうという能力だけはあります。私には、素晴らしい企画書のアイデアは出せても、素晴らしい企画書を作ることはできない。だからこそ、かえって起業家に向いていたのではないでしょうか。

―中島社長から見て、今の学生はどうですか。

中島:あまり好意的に受け止めてはいません。ベンチャーと言いながら、やっていることは社会人の物まねではないでしょうか。みんな名刺の渡し方など上手です。どこかのサラリーマンみたいにね。でも、「それってベンチャーですか」と聞きたい。私に言わせれば、それは単なる「ベンチャーごっこ」。そこにあるのは、学生だけど社会人のような真似ごとをやっているという自負だけです。本当にベンチャーをするのだったら、そんなことは今すぐやめたほうがいい。そんな暇があるのだったら、形式にとらわれることなく、どうすればお金が儲かるのかということをもう少し真剣に考えるべきですよ。それが本当のベンチャーじゃないですか。第一、ベンチャーをやりたくてベンチャーをするという発想がおかしい。自分のしたいことをはっきりと見つけて、それを一生懸命すればいいのです。それが、マーケットの中で商売になれば、それこそ立派なベンチャーです。

―最後に、起業したい若者にメッセージをお願いします。

中島:「おれは儲けるんだ」というような強者どもが若い人の中から出てこないと、日本の景気は良くならないでしょう。でも、最近の若者の中には、お金を稼ぐということに貪欲になれるタフな人間がいなくなってしまった。
 お金を稼ぐということが汚く見えてしまって、みんなボランティアやNPOに走ってしまう。別に、ボランティアが悪いと言っているわけではありません。もちろん、いいことだと思っています。しかし、自分で会社を作ってお金を稼いで、そのお金を清く使うことが一番の社会貢献ではないでしょうか。だから、若い人には、もっと物事の本質を見据えて、タフに生きてほしい。さっきも言いましたが、形式ではベンチャーは生まれません。人間の持っている底力のようなエネルギーが必要なんです。人脈なんて、本当に何の当てにもなりません。私も、この会社を作った時に人脈など全くありませんでした。だけど、ここまで会社を大きくすることができたのです。だから、起業したいような人は、形式にとらわれることなく、自由に自分のやりたいことを一生懸命すればいいのです。そうすれば、ベンチャーなんて簡単にできるはずです。だから、若い人たちはどんどんチャレンジしてみるべきだと思います。
PROFILE プロフィール
中島 武(なかじま たけし)プロフィール
1948年福岡県生まれ。拓殖大学付属高校に入学し、応援団に入団。高校、大学を通じて応援団一色の生活を送る。70年、拓殖大学商学部卒業後、東急航空に入社。その後、応援団時代の先輩と会社を設立するなど転職を繰り返し、83年に輸入卸会社「デモデトレーディング」を立ち上げる。そして、90年には「際コーポレーション」を設立し、数多くの繁盛レストランを作り出す。
企業情報
設立 1990年12月7日
資本金 5億4,106万円
売上高 25,657百万円(2009年10月期)
従業員数 1,185名(2009年10月末)
事業内容 ・飲食店の経営・食料品、衣料品、日用品雑貨の卸、輸出入及び小売店の経営・飲食店に関する企画、商品開発並びにコンサルタント業務
URL http://www.kiwa-group.co.jp
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