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環境・エネルギー業界の起業家インタビュー

株式会社Looop 代表取締役社長 中村 創一郎

環境・エネルギー太陽光、風力、水力発電ビジネスで「日本再生」に向けて旋風を巻き起こす

株式会社Looop 代表取締役社長 中村 創一郎

原子力にも化石燃料にも依存しない持続可能な環境社会の実現は、いまや世界中で喫緊の課題。太陽光や風力、水力などの自然エネルギーの利用は急速に広がり、日本経済の再生にもつながる大きなビジネスチャンスといえる。こうしたなか、業界の注目を集めているのが、中村氏が率いるLooop。設立から2年たらずにもかかわらず、今年度中に全国200ヵ所でソーラー発電所の設置を予定しており、年商は30億円に達する。今回は中村氏に、同社の成長の秘密や自然エネルギーの可能性について聞いた。

※下記はベンチャー通信50号(2012年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―Looopという社名には、どのような意味があるのですか。

中村:Looopには「エネルギーを循環させる」意味がこめられていて、3つの"O"はボクらが狙っている、太陽光、風力、水力という3つのセグメントを表しています。一方で、3人で会社を始めたから"O"を3つにしたという隠れた意味もあります。また、当社の理念は「自然エネルギーをあなたのそばに」です。自然エネルギーを、もっと身近なところで活用してほしいという想いを込めました。

―事業内容について教えてください。

中村:今のところ、ソーラー発電所の設置と太陽光発電システム機器の販売です。太陽光発電システムを設置すれば、停電時に電気を使用できるのはもちろん、電力会社と契約して余剰電力を供給したり、販売したりすることができます。また、送電インフラが整備されていない国や地域に対しても、当社は太陽光発電や風力発電などの再生可能機器の提供を通じて、社会貢献をしたいと考えています。

―中村さんは中国でビジネスに成功していたそうですが、日本で起業しようと思ったきっかけは何だったのですか。

中村:中国の大学で勉強していた99年にネットブームが起き、Webサイトで中国の製品を日本で売り始めたのが、ビジネスに目覚めたきっかけです。その後、大学を中退し、日系企業と中国企業との橋渡しをしたり、レアメタルの調達などを手がけたりしていました。そして2011年3月、あの東日本大震災が起きたのです。当時、ボクは上海に住んでいましたが、太陽光パネルをつくっている上海のビジネスパートナーから被災者の助けになりたいという申し出を受け、無償でパネルを供給してもらいました。翌4月に帰国し、バッテリーとインバーターを買って石巻と気仙沼の被災地に入り、電気が止まっている避難所などに設置してまわりました。それによって携帯電話が充電できたり、夜間に蛍光灯が使えるようになったりして、非常に喜んでもらえました。そんな経験から、今後は自然エネルギービジネスが日本でも大切になり、発展すると感じました。

―震災を通して、印象的な経験をしたそうですね。

中村:じつは中国でレアメタルビジネスに成功していた頃、日本に冷めた気持ちを抱いていました。活況を呈する中国から見ると経済が停滞し、「座して死を待っている」ように感じました。活力のない日本は、魅力的に映らなかったのです。そんな残像を頭の片隅に残して被災地をまわったのですが、そこで心を揺さぶられる出来事がありました。被災者の方々とひっそり酒を交わしていたとき、震災時に合流地点で落ち会えたものの、自宅に大切なものを取りに帰って亡くなった方の話を聞いたのです。驚くことに、それは位牌だというんですね。位牌は流されたら二度と取り返せないので、絶対に守らなければいけない―現金や金目のものだろうと思っていたボクは、冷水を浴びせられた思いでした。

 確かにいまの日本は不況で元気がない。でも「先祖を敬う」という、人としての大切な「心」が残っている。まだまだ捨てたものではない。そう感じると同時に、中国でもっとも良くない点だと思う拝金主義に、自分も侵されていたとわかったのです。そのようなことがあり、原点に戻って日本でビジネスをしたい、少しでも日本が再生できるようにお手伝いしたい、という気持ちになりました。

―太陽エネルギー事業へはさまざまな企業の参入が進んでいます。御社の優位点はどこにあるのでしょうか。

中村:太陽光発電システムを導入するにしても、その決め手には4つのポイントがあると思います。まず1つめはコストです。日本の市場はまだ未成熟で、太陽光発電をつくると大手メーカーでは12kW(キロワット)で400~600万円もかかってしまう。しかし、当社は360~370万円という価格帯で実現しています。またDIYキットを使って自分で設置もできるので、自らメンテナンスをすれば業者に払う管理費が不要。さらにコストを削減できます。2つめが、発電所の導入スピードが他社と比べて非常に早いということ。設置スピードをいかに早められるかを研究し、合理化を徹底しました。また、少しでも早く発電所を設置し、お客さまへ売電収入をお届けしたいという強い気持ちがスピードに表れていると思います。お客さまの気持ちになれば当然のことですね。3つめの優位点は、トータルソリューションメーカーであるということ。当社はパネル製造から発電所の設置までワンストップで行いますが、ワンストップはコストやスピードだけでなく、問題発生時のトラブル処理にも有効です。原因を迅速に分析し、即時に対応できます。

―大変なスピード感ですが、太陽光発電システムの設置にはノウハウが必要だと思います。

中村:もちろんこれらの実行には、必要な部材調達や計画、品質管理なども欠かせません。そして実際に発電所をつくるには、土木工事や土地取得のための不動産や関連法規などの知識も必要になります。4つめが「品質」です。中国でのビジネス経験から品質の重要性は強く認識してきましたので、品質管理は徹底した体制を築いています。中国に人材を駐在させ、品質管理はもちろん、工場が当社製品を正しく扱っているかをチェックしています。

―そのような優位性の背景として、中国でのビジネス経験や人脈が活かされているのでしょうか。

中村:それは大きいですね。特に中国でのビジネスで培った信頼関係は、商品調達時などの支払い体制の部分で生きていますし、有利な条件で取引できる交渉力の強みになっています。それと同時に、中国では煮え湯を飲まされてきた経験があるので、盲信するのではなく契約の上で信頼関係を築いています。さらに安定的な供給をはかるため、現在は台湾、ドイツなど調達先を複数化し、リスクの分散も行っています。

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