累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

株式会社ファランクス 代表取締役社長兼CEO 小田部 崇弘

IT「ベニクラゲ経営」の実践で国内外のマーケットを獲りに行く

株式会社ファランクス 代表取締役社長兼CEO 小田部 崇弘

「インターネット広告事業」「コンテンツ事業」「通販事業」という3つの柱を軸に事業を展開しているファランクス。なかでもゲーミフィケーション※を取り入れた独自のサービス「PAG!」(ポイント・アドバタイズ・ゲーム)が業界で高い評価を得ている。6ヵ月でユーザー数を4倍に伸ばしたり、月間売上1億円に貢献するなどの実績をあげ、現在は100社以上のサイトを支援している。代表の小田部氏に、「PAG!」開発のきっかけや経営戦略などを聞いた。

※ゲーミフィケーション:ゲームが本来の目的ではないサービスにゲーム的要素を組みこんで、ユーザーのモチベーションやロイヤリティを高めるサービス。たとえば、Webサイトでアイテムの獲得、ユーザー同士でスコアを競うといった手法を取り入れて、アクセス数やコンバージョン率を上げる施策を示す

※下記はベンチャー通信57号(2014年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は大手企業を中心に、100社以上のサイトを支援しているそうですね。なぜ多くの企業から評価されているのですか。

小田部:アフィリエイト型(成功報酬型)広告の分野で、独自の視点に立ったサービスを提供しているからですね。当社がインターネット広告事業に進出したのは7~8年前。業界ではすでに後発組で、先行している企業と同じことをしても勝てない状況でした。アフィリエイト型広告は、人気のあるポータルサイトやブログといったメディアの目立つ場所に貼れば、多くのクリックが期待できる。この枠を代理店が取り合っていて、当社がその枠を取る余地はなかったんです。

―それでどう打開したのですか。

小田部:発想を変えたんです。インターネットで、クライアントが抱えている課題はなんだろうといろいろヒアリングしました。すると、「一度サイトを訪問したユーザーが、なかなか再訪してくれない」と悩んでいる企業が多かった。そこで「どうしたらユーザーの再訪率を上げられるか」という視点で開発したのが、当社のオリジナルコンテンツ「PAG!」なのです。「PAG!」は、すごろくやビンゴといったゲーム要素とポイントシステムを広告に組み合わせたコンテンツサービス。定期的にゲームをすれば特典が獲得できるうえに、お得に購買ができます。こうした演出により、サイトに訪問するメリットを明確化。その結果、再訪率と客単価のアップにつなげるビジネスモデルなのです。

―具体的な事例を教えてください。

小田部:たとえば、TポイントとTカードの総合サイト『T-SITE』のケース。2009年、サイト内に「PAG!」を導入したところ、わずか6ヵ月でユーザー数が4倍に増加しました。再訪率だけでなく、新規顧客の開拓にも貢献。現在も毎日11万人のユーザーがゲームをプレイしており、参加人数はさらに増加しています。また、ある大手化粧品のECサイトでは月商9億円のうち「PAG!」経由の売上が1億円に達していることを公表しています。このように、サイトのブランディングや売上アップに貢献しているのです。

―どうしてこのようなサービスを提供できたのでしょう。

小田部:シンプルに、「こういうサービスがあったらいいのに」という自由な発想を重視しているからですね。私を含め、創業期にいたメンバーはインターネット業界にいた人間ではありませんでした。そのため、「ネット広告とはこうあるべきもの」という固定観念がなかった。だからこそ、ゲーミフィケーションという言葉がまだ知られていなかったときに「PAG!」をリリースすることができたのです。また、つねに改善をくりかえし、新しい付加価値を生み出し続けていることもクライアントに受け入れられている要因です。当社の経営スローガンは「ベニクラゲ経営」。ベニクラゲというのは、成長と再生をくりかえすことで不老不死を実現している。まさにそれが会社の継続成長に必要な条件であり、現場で実践しているのです。

―新しい付加価値を生み出し続けるために、取り組んでいることはありますか。

小田部:定期的にアイデアコンテストを実施し、全社員からやってみたいという事業を提案してもらっています。事業化が見こめれば採用。これは、学生インターンに対しても同様です。実際に、学生の意見を取り入れた新しい事業がスタート。執行役員がサポートについて、着々とプロジェクトが進んでいます。

―今後のビジョンを聞かせてください。

小田部:「PAG!」のコンテンツ価値をさらに高めていきたいですね。クライアントとのシステム連携を一層深め、サイトに訪れたユーザーの属性や行動履歴を詳細に分析。その結果を施策に活かすことで、もっと価値の高い広告を提供できるはず。これからも、クライアントとユーザーがともにハッピーになれるようなサービスを提供していきます。さらに、海外進出を強化していきます。すでに、中国、ベトナム、カンボジアに拠点を置いてオフショア開発を行っていますが、今後は「PAG!」を輸出して海外のマーケットを開拓していきたい。当面の目標は中国進出。現地のポータルサイトやポイントサイトにサービスをローカライズして、日本より巨大なマーケットを獲得していきたいですね。

小田部 崇弘(おたべ たかひろ)プロフィール

1978年、栃木県生まれ。日本大学在学中より起業に興味を持ち、2001年に大学卒業後、キャリアアップの場としてマンパワー・ジャパン株式会社(現:マンパワーグループ株式会社)に入社。企業と人材のマッチングや営業、面接、紹介者のフォロー、顧客企業との戦略策定に携わる。2004年、大学時代の仲間が立ち上げた株式会社ファランクスの事業に参画。独自サービス「PAG!」を立ち上げ、事業を軌道に乗せる。2009年、同氏が会社を買い取る形で代表取締役社長兼CEOに就任。

企業情報

設立 2003年9月
資本金 1,000万円
従業員数 90名(国内アルバイト、海外スタッフ含む)
事業内容 インターネットによる広告の企画・制作および広告代理事業、インターネットによる通信販売事業、Webアプリケーション開発事業、Webシステムインテグレーション事業
URL http://www.phalanx.co.jp/

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