累計経営者579人に取材、掲載社数300ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

株式会社プラスクラス 代表取締役 平地 大樹

ITトップがマンツーマンで社員を鍛えるスポーツチーム経営で成長

株式会社プラスクラス 代表取締役 平地 大樹

Webコンサルティング事業で成長を遂げているプラスクラス。代表の平地氏は人材育成法について「ベンチャーなら、トップがマンツーマンで指導し、社員を鍛えるべきだ」と語る。直接教育ができるように、「社員を15名以上にはしない」と少数精鋭主義を貫く。同氏が率いるスポーツチームのような組織風土を取材した。

※下記はベンチャー通信53号(2013年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

購入する備品の機種を学生のプレゼンで選ぶ

東京・渋谷駅から少し離れた閑静な住宅街に建つマンション。その一室に、Webコンサルティング事業で急成長するプラスクラスがある。社員個々の机はなく、部屋の中央に大きな黒いテーブルがひとつ置かれたシンプルなオフィス。代表の平地氏がテーブルの一角に陣取り、壁に映し出されたスライドを見つめている。

スライドを指さし、熱弁をふるっているのは、大学4年生のインターン川上さん。「処理能力・価格・大きさ・使用電力量。いずれの観点からも、最適なのはこの機種です」。同社でシュレッダーを購入するにあたり、どの機種にするかをインターン4人によるプレゼンテーションで決めるコンペが開催されているのだ。
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高額の備品を買うときは必ず開催。若い人材に営業の基本を教える場にしている。今回のコンペで、見事“受注”を獲得した川上さんは「プレゼン大会に限らず、出勤するたびに社長からビジネスパーソンとしての基礎を教わっています」という。

「毎回、業務日報を提出していますが、2~3行の報告に対して、読み切るのに10分はかかる長文のフィードバックをもらったことが何度もあります。そのフィードバックのなかに『君が整理した名刺の束から営業リストができ、それが受注につながったよ』というものがありました。インターンを始めた直後に与えられた仕事が、名刺の整理だったんです。そのときは正直、つまらないと思った。でも、ムダな仕事なんてないんだなと気づきました」。

顧客の担当者を鍛え信頼関係を築く

大学卒業後はプラスクラスに入社するのか。川上さんに聞くと、意外にも首を横に振った。「社長からは大企業に就職しろと言われました」。同社は多くのベンチャー企業と異なり、インターンを新卒採用の対象にしていない。「うちぐらいの規模の会社に新卒入社すると、“井の中の蛙”になってしまう。稟議(りんぎ)システムとか、大組織の内部事情を知らなければ、そこに営業することもできない。だから最初の就職先は大企業のほうがいいんです」(平地氏)。

一方で、自社を大組織にするつもりはない。社長のマンツーマン指導による社員育成にこだわりをもつからだ。「ひとりが同時にマンツーマン指導できる相手は、十数人が限度。だから、社員数は15名までと決めている。もし顧客ニーズが15人ではこたえられないほど伸びたら、私と同じような指導ができるようになった人材をトップに据えて15名以下の会社を新設。グループ化して対応します」。コンサルタントの古嶋氏は、そんな平地氏の想いに共感して、今年4月に入社した。「平地は前職での先輩。当時から人材育成に熱心で、就業時間外に自宅に部下や他部署のメンバーなど数人を招き、営業手法の勉強会を開いていたほど。今後は、平地から経営者の考え方を学びたい。経営に携わることが将来の目標だからです」。

平地氏のマンツーマン指導は社員だけでなく、顧客に対しても行われている。プラスクラスのコンサルティングはSEO・※LPO対策がメイン。顧客企業のWeb担当者に無料で技術研修を実施していることが、支持される大きな要因になっている。SEO・LPO対策の技術を教え、売上が上がるまで続けることも多いという。同業他社は、ノウハウを提供すれば顧客がSEO・LPO対策を内製化するかもしれないと考え、研修まで実施するところは少ない。受注が減る心配はないのだろうか。平地氏は「研修によって、顧客との間に強い信頼関係が生まれます。顧客の売上がアップすれば、外注予算も増える。結果的に、次により大きな案件を受注できるんです」と語る。

Web事業で得た利益を引退後のスポーツ選手支援に投資

順調に業績を伸ばす同社。しかし、平地氏は「本当にやりたい事業は、ほかにあるんです。ただ、大きな投資が必要になる。だから、いまはWebコンサルティングで稼いだ利益を蓄えているんです」という。その事業とは、引退したプロスポーツ選手のセカンドキャリア支援だ。同氏は学生時代にバスケットボール選手として活躍し、海外でのプロ選手を目指したという経歴の持ち主。そのためアスリートの友人が多く、彼らの引退後のキャリアを支えたいという想いを抱いた。この事業ビジョンに共感し、入社したのがコンサルタントの玉井氏。甲子園に出場した高校球児だった同氏は、「27歳の私にも、すでにプロを引退した同窓生がたくさんいます。彼らの厳しい生活を知っているので、支援事業は絶対に成功させたい」という。

近々スタートする事業のひとつが、進学塾に講師として元スポーツ選手を派遣するもの。塾で体育も教え、生徒の内申書の成績や体力をあげる。塾にとっては生徒の囲い込みにもつながる事業だ。実績を積んだ後、同社が挑むのは、※IMGアカデミーのようなアスリート養成からマネジメントまでこなすしくみの創設。元選手がコーチとして働く場にするとともに、日本のスポーツ界を活性化する起爆剤にする計画だ。「5年後には実現したい」。そう平地氏は力強く宣言する。

※LPO:Landing Page Optimizationの略。ランディングページ最適化。ユーザーが訪れるWebサイトページを改善し、会員登録や商品購入にいたる割合を高めること。
※IMGアカデミー:IMGニック・ボロテリー・テニス・アカデミー。サンプラス、シャラポワ、錦織などを育成したアメリカのテニススクール。

平地 大樹(ひらち たいじゅ)プロフィール

1980年、東京都生まれ。2004年に電気通信大学知能機械工学科を卒業後、プロバスケットボール選手を目指し渡米したが、果たせず引退。人材コンサルティング会社を経て、2008年にWebコンサルティング企業に入社し、営業・技術・商材開発など幅広い業務に携わる。2011年に株式会社プラスクラスを設立し、代表取締役に就任。Webコンサルティング事業を展開する一方で、引退したプロスポーツ選手のキャリア支援事業を計画している。

企業情報

設立 2011年12月
資本金 250万円
従業員数 7名(2013年5月末現在)
事業内容 Webコンサルティング、プロアスリートのキャリア支援など
URL http://plus-class.co.jp/

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