累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

不動産業界の起業家インタビュー

株式会社S-FIT 代表取締役社長 紫原 友規

不動産業界初の「カフェスタイル」店舗の展開で年商24億円に急成長した不動産ベンチャー

株式会社S-FIT 代表取締役社長 紫原 友規

せまい日本列島に約40万社がひしめき合う不動産市場。そうした激戦区のマーケットで、創業9年ながら全国トップクラスの不動産仲介会社に急成長したのがS-FITだ。東京に住んでいる読者なら、同社が展開している「ヘヤギメ!」の店舗で物件を探した人も多いのではないか。知名度に勝る老舗や大手を相手に、同社が短期間のうちに躍進した理由は何か。代表の紫原氏に、独自の仕事哲学や経営ビジョンなどを聞いた。

※下記はベンチャー通信50号(2012年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社の事業内容を教えてください。

紫原:「お部屋探しCAFEヘヤギメ!」のブランド名で店舗展開している個人向け仲介事業、社宅など法人向け仲介事業、物件オーナー向けのプロパティマネジメント(PM)事業を3本柱としています。2003年の会社設立から今年で9年目。不動産業界のなかでは若い会社ですが、昨年度の賃貸仲介件数は1万件を超え、全国20位になりました。また、法人向け仲介件数では5000件を突破。これは業界でも5本の指に入る実績です。

―賃貸仲介市場は知名度のある老舗や大手が強いといわれます。なぜ、御社は短期間で急成長できたのですか。

紫原:業界の常識を180度転換し、「借り主目線」を徹底したからです。従来の不動産仲介業のスタイルは「貸し主目線」。オーナーから預かった順に物件を紹介するのが慣例でした。一方、当社はお客さまの希望とマッチする物件を、一緒に市場から探し出すというスタイル。仲介というより、コンサルティングに近いですね。時間をかけて物件を検討していただくため、お客さまの平均店舗滞在時間は2~3時間。くつろぎながらお部屋探しができるよう、業界で初めてカフェスタイルの店舗にしました。効率が良いとは言えませんが、そこでの経験と顧客満足の積み重ねが、競争の激しい不動産仲介市場で成長を遂げるカギになると考えました。

―法人向け仲介では、何が飛躍の原因になりましたか。

紫原:借り主である企業は仲介業者に何を期待しているか、そこを徹底的に考えました。社員の転勤がひんぱんにある大手企業では、社内規定に合う物件探しに苦労しているところが多い。また法人のお客さまは、情報量だけでなくレスポンスの早さを求めています。そこで、まずはお客さまの社内規定を把握するところから始めました。依頼を受けたら、どこよりも速く社内規定に合う物件を提案するためです。現在、法人向け仲介の契約率は90パーセント。これは当社に対するお客さまの満足度が高い証拠だと自負しています。

―PM事業の強みはどこにあるのですか。

紫原:PM事業は不動産オーナーの賃貸物件管理、運営戦略を提案する「貸し主目線」の事業です。しかし、真に貸し主にとって有効な提案を行うには、やはり借り主のニーズに敏感であるべき。ここに「借り主目線」を徹底してきた当社の強みが活きています。

 たとえば、ある企業が土地活用の一環として、賃貸マンションを竣工するとします。私たちに任せてもらえれば、提携先の法人や大学生協などにマーケティングを行い、竣工時期や家賃を調整しながら、借り主を見つけていきます。実際、竣工時点で空室ゼロということもあります。このスピード感が他社との差別化になっており、PM事業も堅調に成長しています。いまでは個人・法人・PMの3事業の売上構成比が、ちょうど3分の1ずつになっており、バランスがとれていますね。

―今後の事業展開を教えてください。

紫原:個人向けについては、早期に「東京でNo.1」の評価を得たいですね。法人向けでは、福岡、札幌などにも拠点を設け、5年後に全国1位になることが目標です。PM事業の管理戸数は現状で約4000戸。4年後には1万戸を視野に入れています。そして長期的な目標は、総合不動産企業になること。賃貸・売買・管理・土地活用など、ワンストップであらゆる不動産ニーズに応えられる会社を目指しています。

―新規事業では、何に力を入れていますか。

紫原:最も有望なのは介護賃貸事業です。グループホームなど、物件探しに苦労している介護福祉事業者は少なくありません。一方で、少子化の進行により、先行きに不安を抱えている不動産オーナーは多い。当社のノウハウを活かして両者をマッチングすれば、介護福祉事業者の苦労と物件オーナーの不安が同時に解消できるでしょう。すでに当社は約500社の介護福祉事業者と提携しており、介護の充実に貢献するためにも力を入れていきたい分野です。

―御社では、どのような人材が活躍していますか。

紫原:私は「人を育てるのは現場」という哲学を持っています。現場で存分に活躍するためには、権限と責任が必要。そこで人事考課を年に4回行い、年齢や社歴に関係なく、実績次第で素早くステップアップできる環境を整えています。事実、新卒社員の7割は最初の1年間で昇進を果たしています。入社半年で昇進するケースも珍しくありません。

―最後に、若者にメッセージをお願いします。

紫原:20代の経験は失敗も含めて大きな財産になります。経験値を高めるには、管理され、上からの指示を待つのではなく、積極的に現場に出るしかない。成長したいなら、若いときこそマネジメントの視点を持って現場で仕事をすべきです。そうした環境があるのは、年功序列の壁が厚い大手企業ではなく、ベンチャー企業。つまずかないように足元ばかり見ていないで、もっと先を見て大胆に生きてほしいですね。

紫原 友規(しはら ともき)プロフィール

1977年、福岡県生まれ。17歳で「社長になる」という目標を掲げ、単身上京。不動産販売会社に勤める。2002年に起業し、友人と不動産デベロッパーを設立。翌年に子会社として株式会社S-FITを設立し、代表取締役社長に就任。2011年にMBOを実施、自身を100%株主とする独立資本の会社に転換した。「人を育てるのは現場」をモットーとする。

企業情報

設立 2003年6月
資本金 1億円
売上高 24億円(2012年6月期)
従業員数 180名
事業内容 不動産賃貸仲介事業、不動産管理事業、不動産売買事業、リノベーション事業
事務所/東京、神奈川、大阪、愛知
URL http://www.sfit.co.jp/

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