累計経営者579人に取材、掲載社数300ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

著名起業家インタビュー

シダックス 代表取締役会長 志太 勤

著名起業家燃える男、志太 勤

シダックス 代表取締役会長 志太 勤

※下記はベンチャー通信9号(2003年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―東京ではどんなビジネスをはじめたんですか。

志太:東京の知り合いは、一人しかいなかった。富士写真フィルムの工場長をしていた藤田さんという方です。私の妻の父親が藤田さんと知り合いだったんです。私は紹介してもらって、藤田さんのご自宅にお邪魔しました。そこで、藤田さんに「仕事をまわしてほしい」と何度もお願いした。2ヶ月近くの間に、12,3回も訪問しました。火事で焼け焦げた洋服しかなかったので、それを裏返しにして仕立て直したものを着ていった。最初は、石炭ガラを無料でもらって、土地造成に使うことで財を成した人がいることを知っていたので、その仕事をイメージして、お願いしていた。でも、通産省(現在の経済産業省)の方針で石炭から石油へとエネルギー転換の動きが激しくなったということもあり、途中でやむなく諦めたんです。そこで、今度は食堂の仕事に的を絞ってお願いをしました。私の仕事は、「食の世界」以外にはないと思っていたんで。藤田さんの自宅へは、12,3回も訪問したんですが、最後にお願いしたのが、ちょうど11月半ば頃だったと思います。その日は雨も降っていて、何度もお邪魔するのもためらわれて、玄関近くでたたずんでいたところ、奥様が「中に入りなさい」と呼び入れてくれました。台所で熱いお茶をいただいていると、藤田さんが帰ってきました。しばらくしてから、居間に通していただいて、そこで「志太君、キミには負けたよ。キミの思うようにやっていいよ」との言葉をもらったんです。いまでも藤田さんには本当に感謝してますよ。根気よく、誠実に接していれば、どんな人でも理解してくれる。愚直であることの尊さと、信頼から仕事がはじまることを、このとき知りました。そしてこの出会いが、私の給食事業の出発点なんです。

―志太さんが、いまの給食事業を、生涯の事業と決めたのはいつですか。

志太:若いときというのは、自分の仕事を天職とは思えないものです。私も給食事業を成り行きで始めたので、はじめは自分の天職だとは思えなかった。その頃は、ただ「日本一の金持ちになるんだ」という手段でしかなく、ほかの仕事でも何でも良かったのかもしれない。しかし、時が経てば、給食事業が自分の天職であると思えるようになってきました。この事業を大切に育てていき、全力を尽くすことが、自分のかけがえのない人生なんだと思えるようになったんです。自分の仕事が天職だと思えるようになれば、それは本当に強い。また自分の仕事が天職だと思えると、一種の使命感も湧いてきます。

―「これは天職だ」と思えたきっかけは何かあったんですか。

志太:それはアメリカに行ったときのことです。アメリカのフードサービスを視察するために、あるビジネスツアーに参加しました。そのツアーでシカゴに行った時、ビッグフード社という給食サービス会社の副社長に出会ったんです。マーティン・H・ケネリィー氏という方なんですが、元シカゴ市長もしていた人です。まず、市長を務めていた人が、給食サービス会社の副社長をしていることに驚きましたね。また、その時にケネリィー氏から、給食事業の社会的重要性を教えられたんです。「給食サービスという仕事はとても大事な仕事で、社員の健康を管理して、その企業の生産の一翼を担っているんだ」と教えてもらいました。そして、こうも付け加えたんです。「オレはアメリカでトップの給食サービス会社になる。ミスター志太!お前は日本一の給食サービス会社になれ!」と。それを聞いた私も興奮して、「そうか!日本一か。よし!」という気持ちになった。帰りの飛行機の中では、それこそ足をバタバタさせるような気持ちになって、居ても立ってもいられなくなった。こうして、私は給食サービス事業を自分の天職だと認識するようになりました。

―最後に起業家を目指す若者にメッセージを下さい。

志太:起業家を目指すなら、これから言う3つのことが大事です。一つ目は「志」。二つ目は「計画力」。そして三つ目が「達成力」。一つ目の志とは、「オレは絶対にこうなるんだという強い気持ち」です。起業すれば、いろんな難題にぶち当たります。そんな難題も志を持っていれば乗り越えられるんです。二つ目の計画力とは、その志に向かうまでの、道のりを決めることです。10年後の自分を思い描ければ、そのために5年後までに何をするか、1年後までに何をするか、それを決めないといけない。そういう計画を持ってこそ、無駄のない人生が送れると思います。三つ目の達成力とは、つまり執念ということです。なにがなんでもやり抜く。その集中力。これが大事です。また集中ということで、私は大好きな言葉があります。それは、「的面の今」という言葉。弓で矢を射るときに、的の一点に集中しますよね。その集中力のことです。雑念を振り払って、一点だけに集中する。そんな集中力が起業家には必要です。また現在は、とてもビッグチャンスな時代だと思います。今の時代は、幕末期、戦後復興期につづく三度目の大きな転換期です。情報革命と豊饒化というビッグチェンジが、同時にビッグチャンスを生んでいます。しっかりとした方向性を定めて、志を高く持って、地道に努力すれば大成功するでしょう。まずは自分の行き先を決めて、頑張ってください。みなさんの挑戦を応援しています。

志太 勤(しだ つとむ)プロフィール

1934年10月、静岡県生まれ。1953年に静岡県立韮山高校卒業。同年、フードサービス事業を開始。1959年1月、現シダックス株式会社を創業、社長に就任。現在、シダックス株式会社代表取締役会長。ほかには、社団法人ニュービジネス協議会の会長、日本ニュービジネス協議会連合会の会長なども務める。

企業情報

設立 2001年4月2日
資本金 89億3,000万円(平成18年3月期)
売上高 1,751億5,000万円(2007年3月期)
従業員数 3,698名(平成18年3月期)
事業内容 下記3社の全株式を所有する持株会社。 3社に対する、経営指導、管理業務等の受託。①シダックスフードサービス(株) 企業・学校・病院等における給食業務の受託。②シダックス・コミュニティー(株)カラオケと食を融合した「レストランカラオケ」店舗を全国に展開。③エス・ロジックス(株)食材の一括発注、一括配送を可能にする食材販売事業
URL http://www.shidax.co.jp

その他の著名起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら

pagetop