累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

株式会社エスプロックス 代表取締役社長 鎌倉 圭

ITあえて逆を行くと仕事や人生はもっと楽しくなる

株式会社エスプロックス 代表取締役社長 鎌倉 圭

税理士、シンガーソングライター、広告代理店事業を主力にする急成長ベンチャーの経営者。ひとつでも成就させるのは難しいのに、すべてを実現させたのがエスプロックス代表の鎌倉氏だ。「僕らが子どもの頃にあこがれた世界」(鎌倉氏の代表曲『デジタル難民』より)を手中にできた秘密はなにか。同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信57号(2014年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―なぜ鎌倉さんは多様なジャンルで活躍できるんですか。秘訣を教えてください。

鎌倉:正直、必殺技のような秘訣はありません。誰もがするように、目の前に与えられた課題を一生懸命やっていただけのシンプルなものです。もちろん、振り返るとその課題がまさにさまざまなジャンルだったので、それらの課題を与えられるように自分をオープンしておくことは最低条件です。どちらにしても、誰かが与えた課題をこなすわけですから、今の僕の経歴は、僕がつくりあげていったものというよりは、まわりの人たちによってつくりあげられたものなんですよ。故郷の長野県諏訪から上京し、税理士をめざして10代から20代にかけての7年間は、勉強に明け暮れる日々でした。同世代の若者たちが自由を謳歌して楽しい想い出をつくり、社会人としてスキルアップしていくなか、僕はというと、今後、役立つかも定かではない法律、理論、計算式と格闘する日々を送っていました。だから、税理士試験に合格したときは、もちろんすごくうれしかったのですが、社会人としてのスキルや経験について、同世代の人たちとの差に焦りを感じていたと思います。だけど、ついに税理士試験に合格し、社会人として早くみんなに追いつこうと思っていた矢先、まさかのシンガーソングライターになるわけですから、あまり参考にしないほうがいい人生ですね(笑)。

―どんなきっかけだったんですか。

鎌倉:プロとしての活動を開始したのは、税理士試験に合格した翌年。それまでは、試験勉強のかたわら、趣味としてたまに駅前の路上や都内のライブハウスで演奏する程度でした。音楽は大好きでしたが、試験勉強をしながらプロのミュージシャンになれるほど甘いものではないということは理解していました。しかし、たまたま自作曲がインターネット上のオーディションで選ばれ、合格直後にCDデビューが決定したんです。幸運以外のなにものでもありません。

―その後、人気テレビ番組のエンディングテーマやゲームの主題歌になるなど、プロのシンガーソングライターとして活躍し、今度は起業家へ転身しますね。

鎌倉:ええ。シンガーソングライター時代、自分の音楽活動の告知のため、SNSを利用した独自のプロモーションを行っていました。それに興味をもった一般企業からの依頼が、起業への大きなきっかけでした。当時はシンガーソングライターの活動をやめ、すでに社員税理士として普通に働いていました。相当、リスクは高かったはずなのですが、なぜか迷いもなく、広告代理店事業を開始しました。いま考えると、シンガーソングライターとしてテレビやラジオ、新聞などのマスメディアに出入りし、人脈も多少あったうえに、デザイン、コピーライティング、クリエイティブ、ディレクションなどの広告制作は、楽曲制作と通じる部分が多いと無意識に感じていたのかもしれません。カッコつけるとこんなところですが、ただ、税理士業務がつまらなかったので、逃げ出しただけなのかもしれません(笑)。

―広告代理店事業が成功した理由を聞かせてください。

鎌倉:最近実践しているのは、ひとりのスタッフがマルチタスクで業務遂行する当社独特の担当スタイルです。通常、広告代理店はデザイン、キャッチコピー、ディレクションなど、要素ごとにタスクを細分化。人海戦術でひとつのプロモーションを実施します。しかし、当社ではひとりの人間が全体を企画し、マーケティング調査を実施。キャッチコピーを考え、デザインをつくり、あらゆるメディアに企みをしかけていきます。そうすることで、コストは安く、時間は早く、ブレのない高品質なプロモーションが可能となりました。また、すべてひとりの人間が担当することで最終責任がはっきりとするため、社員は当事者意識をもちながら、プロモーションに臨んでいます。当社のアイデンティティは、大手代理店の何倍にも達する生産性を誇る、少数精鋭のマルチタスク集団であることです。さらに、サービス面では「初回無料」「完全成果報酬」「全額返金保証」という3つの特徴あるサービスを展開中です。そのため当社のクライアントは、初回、ほぼノーリスクでの広告展開が可能です。

―さらに、お笑いプロダクションや音楽事務所にも進出します。どのような基準で新規事業を選定しているんですか。

鎌倉:とくに決めていません。極力、人から頼まれた新しい課題に関してノーと言わないように心がけています。税理士をのぞけば、シンガーソングライター、広告代理店事業、そしてお笑いプロダクションや音楽事務所も、基本「やってくれないか」と依頼されたことばかり。頼まれごとって、チャンスだと思います。もちろん、新しい課題を達成するには、慣れた課題に比べて体力が必要だし、初挑戦だから成功への道筋が見えない。プロセスの多くは、誰もやりたくないような面倒くさいことだったりします。「できない」と言うのは簡単だし、できることすら「できない」と言ってしまいたい。しかし、怖がりながらも、カッコ悪いながらも、新しい世界に飛び込んだことで、今の僕が存在します。とても他人にオススメできるようなものではないですが、、勇気を出せない人の背中を少しでも押せるエピソードになれば、こんな変な人生にも意味がもてるような気がします。

―今後のビジョンを教えてください。

鎌倉:今までの経緯を考えると、あえて逆に行くこと、主流からはずれることで、仕事も人生もおもしろくなったと思っています。なので、今後もあえて逆に行ったり、主流からはずれていくかもしれません。たとえば、どの企業も新規顧客開拓を重視していると思いますので、逆に新規顧客開拓は一切考えないとか、やたらみんながイノベーションというので、この際、イノベーションは一切しないと宣言するとか。これからも、そういう自由な発想で仕事も人生もおもしろくしていきたいです。

鎌倉 圭(かまくら けい)プロフィール

1979年、長野県生まれ。税理士の勉強をしながら、ライブハウスやストリートで音楽活動を続ける。2006年、税理士試験に合格。2007年、ミュージシャンとしてCDデビューを果たす。同年、メモリーソング株式会社(現:株式会社エスプロックス)を設立し、代表取締役社長に就任。その後、広告代理店事業、税理士事務所、お笑いプロダクション、音楽事務所など業務を拡大する。

企業情報

設立 2007年8月
資本金 1,000万円
売上高 30億円
従業員数 8名
事業内容 広告代理店事業、エンターテインメント事業、プロダクション事業
URL http://www.sprox.co.jp/

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