累計経営者579人に取材、掲載社数298ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

不動産業界の起業家インタビュー

株式会社スイートハウジング CEO 髙松 秀太

不動産伝えたいのは「不動産ってこんなに夢がある仕事」

株式会社スイートハウジング CEO 髙松 秀太

「空間づくりを通じて、人の夢を応援したい」―。こんな熱い想いでスイートハウジングが競争厳しい不動産業界に名乗りを上げたのは約2年前。みずからを「空間オタク」と呼ぶCEOの髙松氏や、「営業力ならだれにも負けない」と自負する代表取締役社長の中山氏が中心となり、設立以来、右肩上がりの着実な成長を続けている。その成長の原動力とはなにか。創業メンバーである髙松、中山両氏に成長を支える独自の人材育成術や会社の将来ビジョンなどを聞いた。

※下記はベンチャー通信69号(2017年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

独自の営業方針「ノルマいっさいなし」

―まずは事業内容から教えてください。

髙松 現在は中古ワンルームマンションの販売が事業の中心です。グループには内装専門会社やリサイクル会社があり、買い取りから企画、内装、販売まで一貫して請け負える体制を築いています。今後は、1棟マンション・アパートの買い取り・再販や中古物件のリノベーション開発にも参入する予定です。売上高はグループ全体ですでに50億円を達成。スイートハウジング単体でも15億円を実現しており、設立以来、右肩上がりで成長しています。

―成長の要因はなんでしょう。

中山 当社の独特な営業体制にあるのかもしれません。まずは、「顧客とのタッチポイントを増やす」という手法。このご時世、メールやSNSなど、人との接点をもつ手段はたくさんありますが、基本はfacetoface。できる限り時間をつくって顧客と直接会い、自分という個性を売り込むことをどこまでも徹底しています。
 もうひとつが、「営業ノルマをいっさい設定しない」という方針です。もちろん、営業成績が悪くてもペナルティを課すこともありません。この方針は同じ不動産業界の人間が聞くと驚きますが、事実なんです。

―その方針を決めた理由はなんですか。

髙松 「営業には失敗を恐れず顧客にアタックしてほしい」という私の想いが原点になっています。

中山 ペナルティを課せば、どうしても営業は消極的になり、ペナルティを受けないよう言われたことだけを守ろうとする。新しいことへのチャレンジや創意工夫が失われてしまいます。そうなれば成果は上がらず、さらに失敗を恐れるようになる。まさに悪循環です。営業の個性も死んでしまい、周囲にも悪影響を与えます。
 逆に、失敗を恐れなければ、営業は伸び伸びと積極的にアイデアをめぐらせ、みずから個性を発揮するものです。まわりが成果を出せば、それに刺激を受け自然と健全な競争意識がわく。その自発的な行動力を引き出すためには、ノルマやペナルティはむしろ邪魔になるだけです。会社は個性を殺す場所ではなく、活かす場所なんです。

「ベンチャー社長崩れ」たちが再起をかけて起業

―そうした信念はどのように生まれたのでしょう。

髙松 それは私の過去の経験からです。私が10代のころ、最初に就職した会社が不動産販売業でした。その会社は年商100億円以上を誇る不動産ベンチャー企業で、業界でも注目の成長株でした。しかし、人を大切にする気風は弱く、人材は使い捨て。厳しいノルマに追い詰められて、会社のメンバーは仲間ではなく、競争相手に。「人を押しのけても自分が勝ちたい」というゆがんだ競争意識が職場に充満していました。メンバー同士、ウソをついたり、不義理を働くこともしばしば。その結果、とにかく人材の回転が速く、昨日まで普通に仕事をしていた仲間が、ある日突然いなくなってしまう。その会社に限らず、現在でも不動産業界は離職率が軒並み高い不名誉な状況があります。その慣例を打破したかったんです。

中山 「正直な人が正直なままでいられるような環境にしたい」というのは、会社設立当初から話していましたね。「メンバーが居心地よく感じられる環境」「男女に関係なく活躍できる優しい環境」という理念を込めたのが、「スイートハウジング」という社名なんです。

―そもそも起業のきっかけはどのようなものだったのですか。

髙松 私が、事業に失敗したことです。20代半ば、不動産業界で小さな成功を手にした私はその後、それを元手にアパレルブランドを立ち上げ、大成功しました。総合通販サイトで売上1位を当たり前のように獲得し、商品は出せば出すだけ、飛ぶように売れる。それはいまから思えば、偶然に偶然が重なっただけの薄っぺらな成功にすぎなかったのですが、その成功にあぐらをかいて、地道なマーケティングを怠ってしまったんです。すると、あっという間にユーザーに飽きられ、売上は急降下。みるみる在庫の山が積みあがってしまった。結局、大きな借財を抱えて、事業を整理してしまいました。そして、再起を図る勇気を失いかけていたとき声をかけてくれたのが、中山でした。

中山 じつは、ちょうどその時期、私も同じように失敗を経験してたんです。当時、通信回線の販売で成功し、独立を果たしたのですが、私も成功にあぐらをかいてしまい、事業を傾かせてしまったんです。同じように途方に暮れていたんですが、「モノを売る力は、だれにも負けない」という自信だけはあった。イチ営業としてチャンスを与えられれば、なんでも売って見せると。旧知の髙松もそのころ、同じく再起を図るチャンスを模索していたので、「アイデアマンの髙松となら力をあわせればなんでもできる」という確信もありました。

髙松 当時、中山は「売るべきモノを用意してくれたら、俺がなんでも売って見せます。いっしょにやりましょう」と声をあげてくれました。あのときの中山のポジティブさには救われました。本当に心強かった。それなら、「経験のある不動産を売ろう」と誓い、スイートハウジング設立を決めたんです。じつは、中山以外にも起業に参画してくれた人間が3名いたんですが、みな偶然、同じように事業をおこして失敗していた。

中山 そう、みんな「ベンチャー社長崩れ」だったんですね(笑)。

髙松 そんなメンツが顔をそろえ、みなで再起を誓ったのです。

どんな業種ともコラボできる不動産業の可能性

―なぜ、再起の舞台を不動産業界に決めたのでしょう。

中山 自分たちの営業力をもっとも活かせる業界はどこかと考えたとき、不動産が頭に浮かんだからです。不動産は非常に高価な買い物であるだけに、営業力が問われ、われわれには好都合。それに不動産は衣食住の住。生活にかならず必要なものです。売り方しだいで買い手はつくものですから、「商材としては悪くない」と判断しました。

髙松 それになによりも私自身、不動産事業に大きな可能性を感じていました。というのも、不動産事業にはどのような業種ともコラボレーションができる魅力があります。飲食業であれ、ファッション業やアミューズメント業であれ、物件を自分たちのアイデアしだいで魅力的な空間にプロデュースし、いろいろな業種のパートナーと組んだり、異業種のパートナー同士を結びつけて新しいビジネスを生み出すことがいくらでもできる。そんなことができるのは、不動産業だけです。

―いわゆる不動産デベロッパーのような存在ですね。

髙松 それに近いです。自社保有の不動産物件に斬新なアイデアを投影し、空間としての価値を高めるリノベーションを施したうえで、販売したり、リーシングしたり。リノベーションにはアーティストのタマゴや若手事業家の力を借ります。具現化したい斬新なビジネスアイデアはいくらでもあります。一方で、都心の高層ビルから周囲の街並みを見渡せば、開発の余地が大きな遊休空間が随所にある。この先の事業の将来性を考えるだけで、ワクワクしますよ。

中山 髙松はわれわれが思いつかないようなアイデアを着想し、それをカタチにするチカラがある。先日も、秋葉原駅前のビルの一部をまったく新しいエンターテインメント施設に衣替えする構想を立て、ある芸能プロダクションと契約を結びました。そんな姿を見ていると、自分たちの事業がどれだけ大きな可能性があるのか、再認識させられます。メンバーのあいだでも将来の事業ビジョンとして共有されており、いまや髙松のアイデアとバイタリティが当社の成長の原動力になっていますね。ただし、斬新すぎて無謀なアイデアなら、会社のために髙松の「暴走」を止めるのは私の役割です(笑)。

会社の理想の姿は「社員が夢をかなえる場所」

―今後の成長ビジョンを聞かせてください。

中山 直近では、3年後に売上50億円、5年後に100億円を必達目標に掲げています。ただ、その数字を頭に置きながらも、いつも考えているのはスイートハウジングの名をどこで有名にするのかということ。私は、「あそこの営業は、すごいよね」といわれる会社にしたいのです。会社の看板である営業自身が高い商品価値を発揮し、組織のリーダー格として育ち、会社の成長をけん引していく。そうなれれば、さほど時間はかからず数字は達成できるでしょう。

髙松 私もメンバーの成長をなによりも大事にしたいです。会社を「メンバーが夢をかなえる場所」にするのが夢ですね。以前、『ベンチャー通信』で、「登場人物がすべて子会社の社長たち」という会社の記事を見ました。初期メンバーがそれぞれ成長し、一国一城の主をまかされている。その記事を見たとき、その会社を心底「うらやましい」と感じました。そんな会社になることが理想ですね。

―最後に、ベンチャー企業で成長をのぞむ若手人材にメッセージをお願いします。

中山 自分の個性を殺さずに、自分のやりたいことをどこまでもどん欲に追求してほしい。苦しみながら、環境に自分をムリヤリあわせるなど時間の無駄です。会社で苦しい経験をした人こそ、当社の門をたたいてほしい。あなたの先入観をくつがえす会社、仕事にワクワクできる会社が世のなかには本当にあることがわかるはずです。

髙松 私たちはいちど失敗した人間たちですが、不動産業の可能性に魅せられて、再起を決意しました。それほど、不動産業には夢があります。
 ただ、その夢をカタチにするにはもっともっと仲間のチカラが必要です。いっしょに、「不動産ってこんなにおもしろいんだぜ」というメッセージを表現していってくれる仲間をわれわれは求めています。

その他の不動産起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら

pagetop