累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

飲食・食品業界の起業家インタビュー

有限会社タキダエンタープライズ 代表取締役CEO 滝田 庄次郎

飲食・食品小売流通業界での新しいビジネスモデルを創造

有限会社タキダエンタープライズ 代表取締役CEO 滝田 庄次郎

「越前海鮮倶楽部」のブランド名で「越前海鮮煎餅」を主力商品に販売するタキダエンタープライズ。創業20年を迎えた今年、売上高10億円を突破するなど、継続成長を遂げている。その原動力となったのが、まるまる一匹のたこを使った「たこから揚げせんべい」だ。通信販売や有名百貨店での催事販売のほか、羽田空港、東京駅、大阪と博多の阪急阪神百貨店などで直営店舗を展開。来年はシンガポールにも出店を予定している。長い歴史のある和菓子業界で、海外進出するケースはきわめて珍しい。消費不況が続くなか、なぜ同社は好調な経営を続けることができるのか。代表の滝田氏にその理由や今後のビジョンなどを聞いた。

※下記はベンチャー通信50号(2012年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―日本経済が「失われた20年」と言われる長い低迷から脱却できないなか、御社は継続成長してきました。その理由はなんですか。

滝田:創業期から現在に至るまで、一貫して誰もやらないことに挑戦し続けてきたからです。周囲から「とんでもない」「常識に反している」「イカれている」と言われるような企画や販促シナリオを考えている時が、一番、ワクワクしますね(笑)。

 立ち上げ当初は厳しい時期が続きました。そうした辛い経営状況を脱する原動力となったのは「東京で一旗上げたい」という想い。それを実現するためには、「なんとしても百貨店に出店しなければならない」と考えていました。一方、百貨店で商品を販売すると、高い初期コストがかかります。まして、当社の商品は、外部の工場に生産委託をしている。百貨店の高い初期コストに加えて委託生産コストもかかるため、通常のやり方では会社に利益が残りません。どうすればよいか、ハードルを越える方法はないか。それだけを考え続けました。

―常識で考えれば、百貨店との取引をあきらめよう、との結論になりますね。

滝田:多くの会社は、「お客さまが買ってくれる値段はいくらか」という視点で価格設定します。初期コストや生産コストを加算すれば、到底、お客さまに買っていただけるような価格におさまりません。だから、「ムリだ」という発想になってしまいます。しかし、私は「コストを積み上げたうえで、収益も加えるといくらになるか」という視点に立ち、「その価格で売るためには、どうすればよいのか」を考え抜きました。結果、それまで誰もやろうとしなかった販売促進計画へのチャレンジが始まりました。

―どのような販売促進を行ったのですか。

滝田:まず、市場選定を行いました。菓子需要には大きく分けて、贈答用のギフト需要と、毎日のおやつとして購入するデイリー需要があります。当社が狙ったのは、ちょうどその境目。ギフトとしても、おやつとしても購入できるよう、贈答用の箱詰めを用意したほか、小分けでも購入できるよう、量り売りを導入しました。市場に合わせてパッケージを変幻自在にしたのです。当時の百貨店では「量り売りは、もうからない」と言われたものです。

―菓子市場では老舗や大手が強く、新規参入の成功は難しいとされます。御社はどのような方法で、競合に対抗したのですか。

滝田:単品訴求です。見た目にもインパクトのある「たこから揚げせんべい」や「いかから揚げせんべい」を、目一杯盛り上げて陳列しました。

 どれだけ素晴らしい商品でも、インパクトがなければ誰も振り向いてくれません。老舗や大手の知名度という圧力に屈することなく、競合に勝つためには、商品のおいしさだけではお客さまに訴求できません。「あっ!」と驚くようなことをしなければ、誰も振り向いてくれない。そこで、単品を盛り上げるという迫力ある陳列にしたのです。

―しかし、単品では消費者に飽きられるのではありませんか。

滝田:百貨店からも同じことを言われました(笑)。私は「一度食べてもらえれば、当社の商品が飽きられることはない」と確信していましたが、常識的に考えれば単品商売はもろい。

 だからと言って、知名度のない新規参入者が品数豊富な大手と同じことをしても、うまくいくはずがありません。資本力で劣る小さな会社が成功をつかみ取るためには、モノマネではない、独自のチャレンジをする以外にない。常識に反していることだからこそ、そこには大きな可能性があるのです。

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