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コンサルティング業界の起業家インタビュー

株式会社ベクトル 代表取締役 西江 肇司

コンサルティング独自のノウハウを活かしアジアNo.1のPR会社へ

株式会社ベクトル 代表取締役 西江 肇司

2012年3月に東証マザーズに上場したベクトルは、国内最大級のPR会社である。クライアントが外部にPRしたい情報や商品を、テレビや雑誌が取り上げたくなるような内容に変換。同社ではそれを「情報開発力」と呼ぶ。取り上げられた内容は、同時にWebサイトでも話題にさせ、拡散のしかけをはかる。そうしてクライアントの売上アップを加速させるのだ。代表の西江氏に、成長理由、M&Aによって進出したIR分野での構想、アジアNo.1のPR会社になるための戦略を聞いた。

※下記はベンチャー通信特別号/2014年 IPO市場 最前線号(2014年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は「戦略PR」という手法で業績を伸ばしていますね。

西江:成長の理由は大きくは2つあります。まず1つめが、企業のPRニーズの拡大。企業が自社の商品・サービスを広めたいと思ったとき、昔は広告を打つ以外にあまり手段がありませんでした。広告には多額のコストがかかることが多く、場合によっては数千万円から億単位におよぶことすらあります。一方、時代の変化とともにさまざまなメディアが増えた状況を受け、企業はテレビ番組やニュース番組、雑誌記事、Web記事、SNSなどさまざまなメディアで取り上げられたいというニーズが年々高まってきています。2つめが、独自の「情報開発力」とそのノウハウを持っている点。「情報開発力」とは、クライアントがPRしたい商品やサービスがどうすればメディアに取り上げられるかという観点から考え、その本質を見抜き、特徴を一般化して別の言葉をつくりだす力。多数のメディアで紹介されるような"社会事象"を引き起こすにはどうしたらよいか。じつは、それにはいくつかのパターンがあるのです。商品やサービスにあったパターンを活用すれば、ヤフーのトップニュースに掲載されたり、キーワード検索にも引っかかるようになる。当社は、これまでにそういった実績を年間500以上蓄積しています。

―多くのPR会社が存在しますが、御社の強みはなんでしょうか。

西江:先ほど少しお話ししたように、時代と顧客ニーズは変化しています。現在は数多くメディアが存在していて、インターネットメディアやFacebookを中心としたSNSの影響力も強まってきています。従来のPR会社が、ニュースリリースを作成してメディアに投げ込むという「広報PR代行業務」を行うところが多いなかで、当社は時代の変化と顧客ニーズの変化に対応することができました。私たちは「情報開発力」を強みに、数多くのメディアに働きかけ、同時にWebでの露出度を高める。実際にこれを実現できている当社は「商品を広めるインフラ会社」と自認しています。また、グループ内にはPRTIMESという子会社があります。日本で最大級の配信数を誇るプレスリリース配信サービスを行っていて、全上場企業のうちおよそ17%、トータル6,000社以上が利用しています。現在、当社におけるクライアントの契約継続率は高く、平均コンサルティング料は1クライアントあたり年間1,000万~3,000万円です。

―2012年3月に新規上場も果たし、アジア展開にも積極的です。

西江:上場した理由は、海外展開と新規事業を加速させるためです。PR事業そのものは設備投資に多額の資金はあまり必要ありません。しかし、これからさらなる成長をめざすなかで、海外展開と新規事業は必須。そのためにブランド力をつけなければなりませんし、国内外でのM&Aも加速していきたい。アジア展開では上海、北京、香港の現地法人はすべて順調です。最近のシンガポール、インドネシアへの進出に続いてタイとベトナムへも進出します。ASEAN各国ともPR需要がもっとも多いのは日系企業で、日系企業との取引だけで十分に収益が上がります。しかも、どの日系企業も日本で当社のクライアント。国内の取引関係が、現地で活かされるのです。現在、アジアのPR会社ランキングで当社は3位くらいですが、5年以内にアジアでNo.1になりたいと思っています。

―M&Aによって新規参入したIR分野はどう展開していきますか。

西江:月間利用者約300万人の投資家向けSNS「みんなの株式」を運営する「みんかぶ」の子会社を買収しました。同社のオンラインIR支援サービスにPRワイヤーサービス※、メディア露出やリスクマネジメントをくわえた「PR×IR」という考え方で、上場企業を対象にワンストップのサービスを提供します。これまでIR業界には、便利なサービスが存在しなかった。実際に当社が上場してみて、実感しています。この分野では、PR業務で蓄積したノウハウを活用できると確信しています。現に当社の上場企業クライアントを分析すると、過去にニュースリリースを用いたPRにより株価上昇を実現しているクライアントもあります。また、このIRサービスはアジア展開も可能です。たとえば香港では、PR会社よりもIR会社のほうが大規模。有望なマーケットです。2014年度の売上高、営業利益、経常利益がいずれも約25%アップする見通しを立てています。クライアント契約の継続率の高さから業績の下がるリスクは少ない。私たちはこれからも「モノを広めるプロフェッショナル」として、アジアNo.1のPRグループになることを目標に邁進していきたいと思っています。

※PRワイヤーサービス:共同通信社の情報ネットワークを基盤にした世界標準の広報通信サービス。日本国内だけでなく、全世界にプレスリリースを配信できる。

西江 肇司(にしえ けいじ)プロフィール

1968年、岡山県生まれ。関西学院大学在学中に起業し、1992年に卒業。翌1993年に株式会社ベクトルを設立する。2000年に戦略PR中心に業態を転換し、アジア市場を次々と開拓。独立系のPR会社として急成長をとげている。2012年3月、東証マザーズに上場。

企業情報

設立 1993年3月
資本金 5億1,370万4,000円(2013年4月末現在)
売上高 51億600万円(連結、2013年2月期)
従業員数 277名(グループ全体)
事業内容 PR企画立案及び実施、PR業務代行・コンサルティング、IRコミュニケーションなど
URL http://www.vectorinc.co.jp/

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