累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

コンサルティング業界の起業家インタビュー

アクア会計事務所 代表公認会計士 伊藤 史哉

コンサルティング自社の飛躍を可能にする「社外CFO」の活用法

アクア会計事務所 代表公認会計士 伊藤 史哉

諸葛孔明、黒田官兵衛―。歴史に残る名将は、つねに有能な参謀を使いこなしていた。「それは現代の企業競争においても同じ。IPOを果たすなど、飛躍したベンチャー企業は適切な専門家とチームワークを組んでいる場合が多い」。こう話すのは複数の成長ベンチャーにIPO支援を提供した実積をもつアクア会計事務所の代表を務める伊藤氏だ。そうした経営参謀にふさわしい人材の条件や活用法を同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信59号(2015年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

攻守のバランスが企業の未来を決定づける

―なぜ、同じように成長しているベンチャー企業でも、IPOできるケースとできない会社にわかれるのですか。

 経営の「攻め」と「守り」のバランスがとれているかどうかの違いがあるからです。
 IPOを実現した経営者の多くは、攻守のバランスのとり方がうまい。一方、守りの意識を欠く会社の場合、急成長していてもIPOできない場合が多いですね。

―企業経営における攻めと守りとは、どういうことですか。

 商品開発や営業部門への投資など、収益拡大を図る経営施策が攻めで、財務や人事などの管理部門が守りです。ここは収益を生まないコストセンターとされ、管理部門への投資を後回しにする経営者は少なくありません。しかし、守りがよければ攻めの効果は最大化するし、そうでない場合は半減します。
 ですから、攻守のバランスが悪い企業は、IPOはおろか、成長そのものが頭打ちになる危険性が高い。守りは継続成長に不可欠な要素なのです。

―管理部門に投資すれば、攻守のバランスを保てるのですか。

 それだけでは十分ではありません。守りの本質とは〝経営の見える化〟を図り、適時に経営課題を抽出し、対策を講じることにあります。そのためには目的意識をもって管理部門を活用し、経営者が多様かつ俯瞰した視点で自社の現状を把握することが大切です。
 それを可能にするには、自社にとって重要な経営指標を見極め、それをデータ化できる体制と、他社の成功事例・失敗事例や所属する業界の状況などについての豊富な知識と情報。このふたつを経営者はもつべきです。

IPOを考えていない会社にも社外CFOは必要

―自社のリソースだけで、そうした体制を整備するのは大変そうですね。

 そうですね。そこで私は「社外C※FO」をもつべきだと成長ベンチャーの経営者に提唱しています。社外CFOとは、財務を中心とする幅広い分野における分析スキルがあり、他社のケーススタディを豊富に蓄積し、事実と事例に基づいて攻めと守りの実務的アドバイスができる経営参謀。私はそう定義しています。
 他社で実際にCFOを務めた経験がある人材、高い財務分析スキルをもつ税理士や会計士といった有資格者が社外CFOに招聘されることが多いですね。とくに、未上場の成長ベンチャーからは、IPO支援の実績がある公認会計士の人気が高まっています。

―その理由を聞かせてください。

 上場審査基準に精通し、IPO支援の実績がある公認会計士なら、攻めと守りのバランスがとれた組織整備や経営計画の策定、財務分析、財務戦略立案など、継続成長を可能にする実務スキルを提供できるからです。
 IPOのハードルである上場審査基準を「経営の自由度を狭める足かせ」と考える経営者は少なくありませんが、その本質は〝経営の見える化〟の促進を通じた継続成長を支える仕組み。IPOを考えていない企業にとっても、大きな利用価値があります。
 さらに、大手監査法人で会計監査業務とIPO支援の両方に携わった経験のある公認会計士なら、大企業からスタートアップまで、幅広い企業のケーススタディを蓄積していることが期待できるので、成長ベンチャーの社外CFOとして最適任だと言えるでしょう。

―経営コンサルタントと社外CFOの違いを教えてください。

 一般的に、経営コンサルタントは課題を指摘するアドバイザー役。一方、社外CFOは経営者に助言すると同時に、実際に手足を動かして実務支援でも力を発揮する。ここが両者の大きな違いです。
 また「社内人材のCFOがいるので十分」と考える経営者は、その認識を改める必要があるかもしれません。なぜなら、社員がCFOになっている場合、どうしても経営者への遠慮があるからです。経営者と対等な立場で遠慮なく議論ができ、多様な視点を提供できるのも、社外CFOのメリットです。

上場企業からスタートアップまで多くの企業に支援を提供

―継続成長に取り組んでいるベンチャー企業の経営者にアドバイスをお願いします。

 かつては、創業者がひとりであらゆる経営課題を解決しながら会社の成長を牽引していくのが普通でした。しかし、経営環境の複雑化により、専門家とチームワークをいかに形成するかが飛躍のカギを握る時代に変わりつつあります。
 私は国内最大級の監査法人で、上場企業や外資系企業の会計監査業務やIPO支援に携わりました。数多くの成長ベンチャーを支援するうちに、経営者と想いを共有し、ともに成長できる仕事をしたいと考えるようになり、中小・ベンチャー企業をサポートするため独立したのです。
 現在は、通常の会計士業務にくわえ、成長ベンチャーや上場企業、上場準備企業、スタートアップの社外CFOを務めています。これからも経営者の参謀として、多くの企業の成長に貢献したいですね。

伊藤 史哉(いとう ふみや)プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。1999年に早稲田大学を卒業。1997年に公認会計士に合格。1998年に青山監査法人プライスウォーターハウス、2003年に監査法人トーマツに入所。上場企業や外資系企業などの会計監査業務、中小・ベンチャー企業のIPO支援業務に従事する。中小・ベンチャー企業の経営支援やIPO支援に、より近い立場で貢献したいとの志から、2009年にアクア会計事務所を設立し、代表公認会計士に就任。一般社団法人日本IPO実務検定協会が実施・認定する資格、認定上級IPOプロフェッショナルを取得。アクア会計事務所は経営革新等支援機関に認定されている。

企業情報

設立 2009年1月
事業内容 IPO支援、内部監査コンサルティング、事業継承コンサルティング、税務会計サービス
URL http://aqua-cpa.biz/
お問い合わせ電話番号 0120-135-500(受付時間 平日 9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス otoiawase@aqua-cpa.biz

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