累計経営者579人に取材、掲載社数291ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

業界の起業家インタビュー

「できないヤツなんていない」全員の潜在力を引き出す組織運営

株式会社Everエフォート 代表取締役社長 青木 一平

典型的な“レッドオーシャン”業界のひとつとされるコールセンター。最激戦区とされる大手通信回線の販売で、設立以来、急成長を遂げているのがEverエフォートだ。その成長の原動力は社員の育成スピードの速さにある。代表の青木氏に、メンバーのやる気を引き出すマネジメントやチーム運営法などについて聞いた。

※下記はベンチャー通信60号(2015年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

クオリティを最優先し 受注数を確実に伸ばす

―競争がし烈なコールセンター業界で、設立から2年以上急成長を続けています。なぜ可能なのでしょうか。

 クオリティ最優先の文化が理由だと思います。当社の業務は、①お客さまに電話でサービスを説明して受注をもらう、②お客さまが利用を開始、③できるだけ長く利用してもらうことです。

 同業他社では①の件数を追求しますが、当社は違う。③のためにはどうしたらいいかをつねに考え、教育やマネジメントをしています。

 たとえば、営業Aは①で80件受注して②が90%であれば結果は72件。いっぽうの営業Bは①で100件受注して②が70%だと70件になります。同業他社では、Bを評価することが多いですが、当社が評価するのはAなの
です。本質的な営業成績を見て評価をしていくことにこだわっているのです。

 本質的な営業成績を計上させるためには、営業部隊とは別に、会社の受注基準を理解した強いバックヤード組織が必要です。具体的には、営業部隊とは別のバックヤード部隊から再確認として「本当に契約する意思があるか」という連絡を全顧客に対して行い、会社の受注基準を満たしている案件のみを営業部隊の評価対象とします。そして、再確認のOK率や、その後の解約率など、必要な数字すべてを集計し、全従業員に伝えています。「ウチも多角的なデータを集めているよ」という企業もあるかもしれません。でも、それらのデータを月単位で見ているということであれば、当社は月のデータにくわえ、週間、デイリー、1日の時間帯ごとでも数値化し見ています。多角度から分析して従業員に伝えて改善に活かすことで、営業のクオリティを上げられるのです。

―クオリティの高い営業ができるスタッフの育成法を教えてください。

 会社の定めた基準に満たない受注を評価しないことです。そのうえでいかに競争させるかが重要です。「部署別」「配属3ヵ月以内メンバー」「全社」などでの受注ランキングを公開。“ライバル”の状況もわかるので、日々の営業活動の動機づけになるのです。 

―動機づけに向けたほかの工夫を教えてください。

 ひとつのチームのメンバーを4~6名前後にしていることです。競合他社の多くは30〜50名でチームを組んでいます。

 少人数チームのメリットは、リーダーになるチャンスを多くのメンバーに与えられること。50名のチームの組織と、5名ずつに分かれた10チームの組織とでは、同じ人数でもリーダー数は10倍になる。

 少人数チームにすることでのメリットは3つあります。1つ目は、リーダー数が増えることで競争を活性化できること。2つ目は、リーダーがマネジメントする人数が少ないので、1人ひとりのメンバーに目が行き届き、管理が徹底され、結果生産性が上がること。3つ目は、さまざまなカラーをもつリーダーが増えることで、所属チームを変えて離職率をさげられることです。

―とはいえ、競合他社に比べリーダーが増えるだけ、コストも増加しますね。

 ええ。でも、ひとりのメンバーを指導する時間が多くなるので、一人あたりの売上が上がる。コストをかけるだけのメリットがあります。

プラス思考をもたせることが 成長の原点

―どのような人材が好成績をあげているのでしょう。

 前向きな「マインド=考え方」をもっている人材ですね。

 一人ひとりの「やる気×能力×考え方」が成長度を決める。「やる気」と「能力」は高低の差はあってもプラスにしかならない。でも、「考え方」は“マイナス”にもなりえます。マイナスだと、掛け算すると全体もマイナスになってしまう。

 考え方をプラスにするため、当社では仕事上の心得を毎日、全スタッフに唱和させています。そのなかには、「自分の可能性を疑うことなく」という一節があります。これは、自分の可能性を信じて働き、プラス思考をもたせるためのもの。この心得を体現し、前向きな考え方をもてる人は、当社でも成長が早いですね。

―とくに成長した具体例を教えてください。

 入社当時、強烈なアガリ症で、電話をかけてお客さまが「もしもし」と言っただけで、そのあとずっと黙ってしまっていたメンバーの例をお話ししましょう。彼は「簡単な受け答えができるようになった」といった、小さな進歩でもとても喜んで、前向きにとらえていた。おそらく入社前から「自分を変えたい」と痛切に思っていたからでしょう。小さな前進を繰り返すうち、しだいに自信がついていった。

 それが、「自分にもできる」という確信に変わったところで一気に伸びたんです。結局、半年でトップセールスになりました。

 コールセンターの仕事は、購入しようか決めかねているお客さまの背中をそっと押すこと。流ちょうに商材を説明するより、良い商品であることを信じて話すほうが売れるものです。口ベタな人でトップセールスになったのは、ひとりふたりではないですよ。

リーダーを任せられる人材はつねにいる

―青木流のリーダー育成法を教えてください。

 ただ「思いきってやれ」と背中を押すだけです。あとは自分で伸びていきます。「リーダーを任せられる人がいない」という経営者もいますが、任せる気がないだけではないでしょうか。

 よく当日に申請して休んでいたメンバーでも、あえてリーダーに昇格させたことがあります。そうしたとたん、ぱたりと当日の欠勤申請がなくなった。メンバーが気ままにシフトを変えるのが、いかにリーダーに負担がかかるのか。自覚できたんでしょうね。

―若い読者にメッセージをお願いします。

 とにかくバットを振れ、といいたいですね。ボールを見逃していたら、絶対にヒットは出ない。でも、バットを振りさえすれば、当たる可能性が出てくる。「話すのが苦手」と思っていても人に話しかけてみる。「自分にリーダーなんてムリ」と感じてもチャレンジする。そうやって、とにかくバットを振ってみるんです。

 ぼくは25歳のとき大きく変わったし、33歳のいまも変わり続けています。好きな言葉は「信じる力を、信じる」。当社でなら、この言葉を実感できると思います。やる気があって行動できる人材なら大歓迎。バッターボックスは用意するので、思いきりバットを振ってほしい。ヒットを打てる人材に育ててみせます。

その他の起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら

pagetop