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コンサルティング業界の起業家インタビュー

株式会社FBマネジメント 代表取締役社長兼CEO 山田 一歩

コンサルティングファミリービジネス変革が日本経済を復活させる

株式会社FBマネジメント 代表取締役社長兼CEO 山田 一歩

※下記はベンチャー通信62号(2016年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「地方創生」のカギを握る地元オーナー企業の成長

 ファミリービジネスとは、血縁・地縁をベースにした体制で創業者とその親族によって経営されている企業。資本市場に重きをおかず、大多数の株式を創業者一族がもっている。そして日本企業の95%以上がファミリービジネスであるといわれ、その多くは地域に根づいた中堅・中小企業が占めている。

 なかには「老舗」と呼ばれる会社も少なくない。同族以外の株主の意向に左右されない独自の価値観で事業をイノベートしていくことが可能であり、長期的な視野に立って持続的に事業を運営できるからだ。

 地方におけるファミリービジネスは、雇用の創造・観光の振興・伝統文化の継承など多方面にわたって地元に貢献。地域活性化への取り組みにおいてリーダーの役割をになっていることが多い。つまり、地域経済の発展にはファミリービジネスの成長が欠かせない要素となっているわけだ。

「家業に魅力を感じない」後継者難が深刻化

 だが、多くのファミリービジネスが後継者難の問題に直面している。いまの国内企業の経営者の平均年齢はおよそ60歳。事業承継の問題は、もはや待ったなしの課題である。

 承継のあり方として、創業社長の多くは「血縁者が家業を継ぐことがいちばん望ましい」と考えている。だが、なかなかその通りにコトが運ばないのが実情だ。それはなぜか。ファミリービジネスの経営力向上に取り組むエキスパートで、FBマネジメント代表の山田氏は次のように話す。

「地方の中小企業の経営者の多くは、多額の費用をかけて自分の子どもに教育を受けさせます。その結果、中央の大学に入り、地元と離れてしまう。東京からの視点でふるさとを眺め、『遅れている』『古い』という感覚をもつ。そして『親とは別の人生を歩もう』と考えてしまうケースが少なくない。つまり、子どもには家業を継げる能力があるにもかかわらず、継がない場合が多いのです。それは裏返せば、家業に魅力を感じないことが一因だといえます」

 経営戦略の強化や新規事業の開発、営業戦略の拡充など自社事業の優位性を再構築していく施策がなされていないために、後継者難におちいっているのだ。それは、企業自体にそのノウハウがないことはもちろん、「ファミリービジネス企業を育てるための仕組みや考え方が、日本の経済社会に浸透していないことが理由のひとつ」(山田氏)ということだ。

欧米のビジネスシーンでは同族経営企業が尊敬される

 オーソドックスな経済の教科書には、「企業は“所有”と“経営”を分離する方向に発達してきた。多くの個人が所有者になり、経営は専門家にまかせる株式上場企業がいちばん進んだ形態」と書いてある。この考え方からすると、所有者と経営者が同じファミリービジネスは遅れた形態になってしまう。

 ファミリービジネスが遅れたものだとするならば、「近代的な経営のあり方」は適合しにくいはず。そんな思い込みが、事業価値を高めるための施策が地方のファミリービジネスまでなかなか普及しない根本的な要因になっている。

 では、近代的な経営の発祥地である欧米のファミリービジネスはどうか。イタリアのグッチやカンパリ、ドイツのBMWやメルセデス・ベンツ、フランスではルイ・ヴィトンやエルメス、米国のウォルマートやフォード…。世界的に有名な老舗ブランドがファミリービジネス的な経営をしており、尊敬のまなざしで見られている。

 そこまで有名でなくても、多くのファミリー企業が欧米各国の地域の顔となり、伝統的に地方の経済基盤を支えている。重要なのは、欧米各国にはファミリービジネスに対する深い理解と支援体制が、経済の土台としてしっかりと根づいていることだ。決して「遅れたもの」などとは考えられていないのだ。

 たとえばイタリアのBocconi大学やフランスのINSEAD、アメリカのBabsonなど。ファミリービジネスの研究で名声をとどろかせている機関が存在している。そこではファミリービジネスの成長プロセスや次世代の経営者の育成方法、事業承継の法などについてさかんに研究されている。さらにファミリービジネス専門のコンサルティング会社も多く、主要大学にファミリービジネスを対象にしたMBAのコースが設置されている。

 後継者の獲得も日本ほど問題化していない。たとえば米国では、ファミリービジネスの後継者となることは、その企業における「第2の起業」だととらえられている。先代経営者の親族ではないが、ほかで経営の経験や勉強を積んできた若い世代が後継ぎとなって事業を拡大させる例も少なくないのだ。

ファミリービジネス専門の経営サポートが必要

 一方の日本では、ファミリービジネスへの専門的な経営サポートを行う機関や企業が存在してこなかった。

 その理由について山田氏はこう指摘する。「日本の場合は、会計税務をまかせている地元の税理士法人が経営相談にあずかるケースが多い。たとえば納税申告書の作成を依頼するついでに後継者問題を相談したり。でも税理士法人はあくまでも会計税務のプロ。本業の強化や事業承継の専門家ではありません。ノウハウが異なりますから当然、彼らの手にあまります。適切な後継者を選定し、経営戦略を支援するとともに、事業・経営組織の見直しや強化を進めるなど、総合的にサポートする存在が不可欠なのです」。

 日本経済の発展には、地方経済の伸長が急務。それをになうファミリービジネス企業を活性化し、日本経済を底上げする。そのテーマに果敢に挑む企業の取り組みについて、次ページ以降で紹介する。

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