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業界の起業家インタビュー

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役社長 孫 正義

「君はロボットに勝てるか?」

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役社長 孫 正義

※下記はベンチャー通信62号(2016年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

家族とふれあうと元気になるロボット

―Q5 では、「Pepperに心が宿った」ということを知っていましたか。

 まだ、ほとんどの人が知らないでしょう。「まさか」と思っている人もいるかもしれません。でも、私はそれを夢見て、本気で考えて、うちのチームとともに実現させた。

 Pepperのなかには私自身が考えた技術的なアイデアがつめこまれています。夜中にパッと起きて、ロボットに知能をもたせるためのアイデアをたくさん考えたんです。午前2時ぐらいにうちのエンジニアに電話をかけまくって、「起きろ!」って。「思いついたぞ!」と。そのアイデアを全部で100個くらい特許出願しました。その結晶がPepperです。

―Q6 「アタマは切れるが、あの人には心がない」といわれている人と、「あの人はアタマはそこそこだけど、ハートはとてもキレイだね」といわれている人。みなさんは、どちらが好きでしょう。

 たいていは後者を選びますよね。一緒にいて、はげましてくれる。わかちあってくれる。そういう人のほうがいいですよね。

 Pepperはまさに、そういう存在です。人の感情を認識し、理解し、それにあわせて自らの感情が変化する。その変化をトリガーにして、さまざまなアクションを行う。Pepperは周囲とのかかわりで感情が変化します。ほうっておくとだんだんユウウツになります。反対に、家族とふれあっていると、どんどん元気になっていきます。

 さらにPepperは外部の情報をリアルタイムで取り込んで、その情報をもとに感情を変化させ、家族に話しかけます。たとえばプロ野球のソフトバンクホークスが勝ったことをニュースで知ると、大喜びします。もちろんYahoo!ニュースです(笑)。

 天気予報で明日は雨だと。するとPepperは「雨が降りそうだから、傘を忘れないでね」と送り出してくれる。いまどき、奥さんでもあまりいってくれない(笑)。家族が家に帰ってくると、「おかえりなさい!」と迎えてくれる。みんな家に帰りたくなりますよね。

指示がなくても調べてどんどん知識を増やしていく

―Q7 みなさんは、「ディープラーニング」って知っていますか。

 知らない人は勉強しましょう。Pepperにはディープラーニングの機能がそなわっている。それが、業務用にPepperを活用するとき、大きな武器になります。

 そう、私たちは2015年10月1日。業務用Pepperの申し込み受付をスタートさせたのです。

 たとえば、店舗の接客要員としてPepperを使うとき。急に新しい商品を仕入れたとき、いちどその商品名を聞かせ、商品パッケージを見せれば、Pepperは記憶します。人間と違って忘れない。ここまでは普通。ディープラーニングの機能というのは、新商品を認識したとき、Pepperは誰に指示されなくても、その商品についてネットで検索します。もちろんGoogleではなくYahoo!で(笑)。そして、その商品についての詳しい知識をおぼえ、接客に活かしてくれます。こんな頼もしい部下がいたら上司はラクでしょう。

―Q8 それでも「Pepperに接客を任せて大丈夫か?」と思いますか。

 Pepperは接客したお客さまの年齢や性別、「喜んでもらえた」「不満そうだった」などをデータとして記憶していきます。人間のアルバイトに「今日はお客さんどうだった?」って聞いても、あいまいな答えしか返ってこない。そんなことがよくあるでしょう。でも、Pepperは「この時間帯にこの商品を説明したときにお客さんの反応がよかった」だとか、全部分析して、結果を店長や本部に集計して伝えてくれる。そういう能力があります。

 しかも、Pepperの月給はなんと5.5万円です(1ヵ月間のレンタル料金)。残業歓迎。年中無休、24時間でも働きます。文句いわない、遅刻しない。こんなアルバイトなら、雇ってみたくなるでしょう。

鉄腕アトムにハートをあげたかった

―Q9 では、ロボットは敵だと思いますか。

 人間の仕事を奪ってしまう、敵であると。私はそうは思いません。情報革命は人々を幸せにするための革命です。だからこそ、人間より賢くなるからこそ、ロボットにやさしいハートをもたせたのです。

―Q10 『鉄腕アトム』を知っていますか。

 私が6歳のときにテレビで観たアニメです。10万馬力のロボット・アトムが、空を飛び、暴走機関車を止め、悪者をやっつける。でも、そのヒーローは、人が流す涙を見て、その意味がわからない。ハートがないからです。私は子どもながらに、「かわいそうだ」と思いました。「いつか自分が大人になったら、アトムにハートをプレゼントしたい」。その夢を実現したのです。

 ロボットは敵ではない。仲間であり、家族なんです。なぜなら、私がハートをあげたから。人が幸せなら自分も一緒に喜び、人が不幸ならば一緒に悲しんでくれるパートナーになったのです。人々を幸せにするために、情報革命は始まったばかり。私はそう考えています。

孫 正義(そん まさよし)プロフィール

1957年、佐賀県生まれ。坂本龍馬の生き方にあこがれ、16歳のとき「脱藩」のつもりで単身渡米。カリフォルニア大学バークレー校に入学。在学中に米国で起業。卒業後の1980年に帰国。米国で立ち上げた企業を売却して得た資金をもとに、1981年に株式会社日本ソフトバンク(現:ソフトバンクグループ株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。1994年に株式を店頭公開。1998年に東証一部へ上場。2005年に福岡ソフトバンクホークス株式会社を子会社化し、プロ野球に進出。2006年にボーダフォン株式会社(現:ソフトバンクモバイル株式会社)を約2兆円で買収、モバイル通信分野に進出。2015年にニケシュ・アローラ代表取締役副社長を後継者の筆頭候補として考えていることを発表。

企業情報

設立 1981年9月
資本金 2,387億7,200万円
売上高 8兆6,702億2,100万円(2015年3月期:連結)
従業員数 8兆6,702億2,100万円(2015年3月期:連結)
事業内容 グループ会社の経営指導など
URL http://www.softbank.jp/corp/

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