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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ワールドコーポレーション 代表取締役 小林 良

20代の技術者不足に泣く業界の救世主

ものづくり復権の時代をヒトの面から支えていく

株式会社ワールドコーポレーション 代表取締役 小林 良

※下記はベンチャー通信62号(2016年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
成長している企業には、経営陣が掲げるビジョンに向かってメンバーを導き、成果を出させるリーダー層が厚く存在しているものだ。ワールドコーポレーションも例外ではない。そこで同社の営業や人事、管理など各部門を牽引する4名のリーダーに集まってもらい、企業理念や成長戦略をどう具現化しているのか語りあってもらった。

過去の成功体験を捨て決断できるリーダーが必要

―志村さんと堀野さんは営業スタッフをマネジメントしていると聞いています。どうやって成長させているのですか。

志村 メンバーが自律的に考えて行動するように導いています。たとえば、受注にいたるプロセスがよくわからず、成果を出すための行動をやり切れていないメンバーに「やり切るべき行動を書き出しなさい」と指導します。私が正解を教えるのではなく、自分で答えを導き出させるのです。

堀野 私の場合、自分が率先して行動し、手本を見せています。

 たとえば、当社のメンバーには神棚に手をあわせる日課があります。「なにごとにつけ感謝する気持ちを忘れてはいけない」という小林が大事にしている理念からできたもの。でも、その意味がよくわからず、ちゃんと手をあわせないメンバーも。

 上司として命令すれば強制できるかもしれません。しかし、それでは社長の想いは伝わらない。

 だから私自身がつねに真剣に手をあわせ、感謝の気持ちをもつことと、営業成績をあげることはつながっていることを示す。最近、みんなが手をあわせるようになったので、少しはわかってもらえたのかな。

―堀野さんは現場に派遣している技術者もマネジメントしているそうですね。

堀野 ええ。そこでも自分から行動することを心がけています。「365日24時間、いつでもケータイに電話していいよ」といって、自分からも休憩時間に電話を入れ、できるだけ話す機会を増やしています。

藤巻 確かに。現場に派遣されて孤独な技術者たちには、こまめなコミュニケーションが大事。じつは、私が所属している管理部にも技術者をフォローする役割があるんです。というのも、技術者の勤怠報告をとりまとめているから。気になることがあれば、本人に電話をして声色で体調やメンタルを確認しています。

土ぼこりが舞う写真を採用面接の場で見せる

―みなさんがマネジメントする人材を採用しているのが七嶋さんですね。採用面接で心がけていることを教えてください。

七嶋 ウソをつかないことです。私自身がそれを実践するだけでなく、求職者と面接するメンバー全員にそう指導しています。人材が定着しない最大の原因は、「働く前に思っていたのと違った」という失望。だから面接で、きつい面も含めてリアルな現実を話すのです。

 たとえば地面を掘削する工事では、大量の土ぼこりが発生します。その話を避けてしまうことも可能です。でも、私はむしろ土ぼこりが舞っている写真を見せます。そのうえで、いかに掘削工事が重要かを話す。

 ものづくりへの情熱がある人なら、そうやってリアリティのある話をしたほうが興味をもちます。そして、しっかり覚悟をもって入社を決めてくれます。そして、すぐに辞めることなく、定着するのです。

不況期を乗り切った 先輩のような人材を育成

―入社した人材をどのように育てていきますか。

志村 「強い営業」を育てたい。東京オリンピックの前年である2019年をピークに建設市場は縮小に向かうと予想されています。その下り坂のなかで右肩上がりの営業成績を継続できる人材が必要になる。

 よいお手本があります。リーマンショック後の業界不況を乗り切った当社の先輩たちです。顧客に「数ヵ月後でもいいから発注してください」と頭を下げて仕事をとってきていました。そんな人材を多く育成します。

―藤巻さんはどうですか。

藤巻 管理職に育てたいですね。私は昨年末の納会で「5年後までにバックオフィス系のメンバー約30名全員を管理職に引き上げてみせる」と宣言しました。これから全国展開を進めていくなかで、各拠点をサポートするバックオフィス部門でもより多くのリーダーが必要になるからです。私自身のいまのポジションは育てた人材に明け渡し、社内で新しい役割を見つけるつもりです。

七嶋 それはいいね。私も全国展開を支える人材を採用し、さらに女性やシニアを採用する道筋をつけたら、新しいポジションにいきたい。確実な需要が見込める衣食住のうちのどれかの分野で、新規事業を立ち上げる責任者になりたいですね。
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