累計経営者579人に取材、掲載社数278ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

コンサルティング業界の起業家インタビュー

コンサルティング「社外CFO」の真価と活用法

アクア会計事務所 代表公認会計士 伊藤 史哉

「IPO支援を天職にしたい」。こうした強い志を抱き、リーマン・ショック直後の2009年1月に国内最大級の大手監査法人からスピンアウト。あえて「IPO氷河期」の真っ只中に独立した会計士がいる。アクア会計事務所代表の伊藤氏だ。同氏が中小・ベンチャー企業に向けて提唱する「社外CFO」というIPOを見すえた成長サポート体系の内容や活用法などを聞いた。

※下記はベンチャー通信63号(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

最短でIPOを実現する方法

―「社外CFO」という経営支援体系を提供していますね。どういうサービスなのですか。

 リソースが限られている中小・ベンチャー企業の経営環境を考えた当事務所独自の経営サポート体系で、独立したサービスではなく、われわれの支援スタンスそのものです。

 CFOとは「財務責任者」のことで、管理会計の整備など“経営の見える化 ”を通じて経営課題を適時に抽出。成長のための対策を講じます。当然、財務分析の高度なスキルや経験などが必要で、CFO人材を社内で育成するのは時間がかかり、社外から獲得するとコストが高い。そこで当事務所が「社外CFO」として顧客企業にコミットすることで、中小・ベンチャー企業が気軽にCFOの機能を利用できるようにしました。

―「社外CFO」を活用するメリットを教えてください。

 商品開発や営業など、収益拡大を図る施策を“攻め ”、財務や人事などの管理部門を“守り ”とすれば、一般的に経営者は“攻め ”に強く“守り ”は得意ではないとされます。一方、「社外CFO」は“守り”を盤石にし、攻めの効果を最大化する「経営参謀」の役割を果たします。「社外CFO」を上手に活用すれば、最短でIPOを実現することも可能です。

 攻め一辺倒で守りが脆弱だと成長が頭打ちになりがち。「売上は上がっているのに利益は伸びない」など、成長スピードが鈍化しやすくなります。いわゆる「成長の壁」ですね。ここを突破するには守りの体制を整備し、攻守のバランスをとることが不可欠です。

適切なKPIを設定し飛躍的な成長をもたらす

―「社外CFO」のサポートで成長の壁を突破した事例を教えてください。

 当社の顧客であるA社の事例を紹介しましょう。A社は設立10年前後の製造業で、旺盛な営業活動が功を奏し、ここ数年は順調に売上が拡大していました。しかし、利益は横ばい。同社の経営者は「これでは増収の意味がない」と悩み、当事務所にアドバイスを求めました。早速、調査に乗り出すと、積極的な営業活動によって新製品を次々と開発する一方で、材料の歩留まりが悪化。設計や生産管理の機能が売上拡大に追い付いていないことが推察されました。

―なるほど。その後はどのような手を打ったのですか。

 製品グループ別の歩留まり率を(※)KPIとして設定。その増減を管理しました。はじめは苦労しましたが、歩留まり率の悪い製品グループに着眼し、その原因分析をしながら改善活動を地道に継続。その結果、利益率が上昇し、現在は蓄積した利益を元に、さらなる果敢な“攻め ”に打って出るための大胆な投資を行っています。

※KPI : Key Performance Indicatorsの略。重要業績評価基準。

―A社が成長の壁を突破できた要因はなんですか。

“社外の目 ”を通じて、客観的に自社の状態を分析し、もっとも適切なKPIを設定できたことです。社員の立場だと遠慮があり、経営者にズバリと提言できませんよね(笑)。

 KPIは通常、売上高や利益といった決算書に登場する指標ではありません。業績としての売上高や利益は短期的な結果を表しているに過ぎず、KPIは売上や利益を生み出している事業活動の成果を表す、より根本的な要素。ですから、KPIが向上すれば、間違いなく売上や利益が上昇します。

1社でも多くの企業を飛躍に導きたいとの想い

―そもそも、なぜ「社外CFO」を始めようと思ったんですか。

 かつて私は国内最大級の監査法人などに在籍し、10社近くの企業のIPO支援に携わりました。しかし、2008年のリーマン・ショックで一気に市場が冷え込み、IPO部門も縮小されました。しかし、私はIPOの支援を自分の天職だと考えており、「IPO支援を提供し続けるためには、独立するしかない」と決断。「氷河期」といわれた2009年1月に当事務所を立ち上げました。そして「1社でも多くの会社がIPOを実現できるような支援をしたい」との想いから、「社外CFO」が生まれたのです。

―継続成長を目指す中小・ベンチャー企業の経営者へのメッセージを聞かせてください。

 経営環境の複雑化により、専門家とチームワークをいかに形成するかが飛躍のカギを握る時代に変わりつつあります。現在、われわれは通常の会計士業務にくわえ、成長ベンチャーや上場企業、上場準備企業、スタートアップの「社外CFO」を務めています。これからも経営者の参謀として、多くの企業の成長に貢献したいですね。

伊藤 史哉(いとう ふみや)プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。1999年に早稲田大学を卒業。1997年に公認会計士試験に合格。1998年に青山監査法人プライスウォーターハウス、2003年に監査法人トーマツに入所。上場企業や外資系企業などの会計監査業務、中小・ベンチャー企業のIPO支援業務に従事する。中小・ベンチャー企業の経営支援やIPO支援に、より近い立場で貢献したいとの志から、2009年にアクア会計事務所を設立し、代表公認会計士に就任。一般社団法人日本IPO実務検定協会が実施・認定する資格、認定上級IPOプロフェッショナルを取得。アクア会計事務所は経営革新等支援機関に認定されている。

企業情報

設立 2009年1月
事業内容 IPO支援、社外CFOサービス、税務会計サービス
URL http://aqua-cpa.biz/
お問い合わせ電話番号 0120-135-500(受付時間 平日 9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス otoiawase@aqua-cpa.biz

その他のコンサルティング起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら
  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times
  • 高知リフレッシュオフィス

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop