累計経営者579人に取材、掲載社数291ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

業界の起業家インタビュー

人を楽しませるために熱狂的に働けば必ず成功するんです

株式会社ダイヤモンドダイニング 代表取締役社長 松村 厚久

ドラキュラ城の雰囲気が楽しめるレストランや、「カツオのわら焼き」を見物したうえで口にできる料理店など、国内外に265店舗(2016年2月末時点)を展開するダイヤモンドダイニング。昨年、同社代表の松村氏は不治とされる難病にかかっていることを告白。思い通りに動かぬ身体を抱えながらも「飲食業をエンターテインメント産業として発展させる」という夢へと走り続ける。飲食業にかける想いや今後のビジョンなどを同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信63号(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

どんな業態であっても「いい接客」の基本は同じ

―2016年2月期の連結売上高は300億円、経常利益11億円を超えると見込んでいます。好調の要因はなんでしょう。

 サービス力の高さが、お客さまに支持されていることです。約900名の飲食店員がエントリーしておもてなしの能力を競った「S1サーバーグランプリ」の2014年大会で、当社の店員がグランプリを獲得。2015年には企業部門で当社が優勝しています。

 社内でも、社員と時間給で働く店員であるパートナーの合計4600名が参加し、サービスの質の高さを競う大会を実施。優勝者は胸にバッジをつけて仕事をする。そうやってサービス力を高めています。

 創業からしばらくは、世の中にない業態の店をどんどん出していくことで、新規のお客さまを獲得することに注力してきました。いまはそれにくわえ、店員のサービス力を高めてリピート客を増やすことに力を入れています。

 また、航空会社のマイレージのように、当社の店舗を予約するごとに利用人数に応じて“マイル”が貯まり、それによって割引サービスが受けられる「DDマイル」が浸透。既存顧客の囲い込みができていることも、業績好調の一因です。

―同じコンセプトの店をチェーン展開する常識的な成長戦略の逆を行き、新規性の高い業態の店を多数出店しています。サービスの内容が店ごとに違うので、マニュアルを徹底すればいいほかの企業よりも、サービス力を高めるのは難しいのではありませんか。

 いいえ。どんな業態であれ、サービスの基本は一緒です。それは「お客さまを喜ばせること」。それぞれの店に権限を大きく委譲し、店長以下のスタッフが自分たちのアタマで「どうすればお客さまを喜ばせられるか」を考えさせています。そこに“本部”が教えてあげられるような正解はないからです。自らが考えたサービスを実践し、お客さまの反応を見ながら改善していきます。

 その結果、店ごとにサービスが向上。そして、さまざまな業態を経験してきた幹部が審査員を務める社内大会で表彰し、お客さまを喜ばせたサービスの事例を全社で共有しています。また、全店舗にiPadを配布し、基本的なサービスの所作を実演する動画を配信して共有して、レベルの統一をはかっています。これらを通してサービス力を高めているのです。

若手メンバーが自ら動いてお客さまを感動させている

―社員が自ら考えて行動した「よいサービス」の実践例を教えてください。

 たとえば、ビリヤードやダーツなどのアミューズメントを提供している「BAGUS」の30代の男性店員のことをお話ししましょう。あるアパレル企業のパーティーが「BAGUS」で開催され、社長以下100名を超える参加者で盛況でした。私がそこに顔を出したとき、うっかり名刺を忘れてしまったことに気づいたんです。
「しまった」と思ったんですが、そのとき、店員がスッと箱入りの名刺を差し出してくれた。「こんなこともあるかと思って、用意していました」と。店につねに最新の私の名刺が置いてあるというんです。「すごいな」と思いましたね。

 それから、あるホテルでおつきあいのある会社の社長を招いてパーティーを開催したときのこと。近くの店舗の店員が運営スタッフを務めていました。宴もたけなわになって、ある社長さんがズボンにしょうゆをこぼしてしまった。すかさず、ある店員が持参していたシミ取り器で、さっとそれを吸い取ったんです。この男性店員もやはり30代前半。これには、パーティー参加者から拍手喝采が起きました。

「自分の店をもつ」ことを店長は疑似体験できる

―飲食業では社員の定着率が低いため、教育投資に消極的な経営者が多いです。しかし、ダイヤモンドダイニングは社歴の長い社員が多く、教育への投資効果が高いと聞いています。なぜ人材が定着するのですか。

 多くの業態を展開し、店長に大きな裁量を与えているからです。飲食業界の定着率が低いのは、「自分の店をもちたい」と考えている人材が多いから。会社に勤めているのは「独立までの修行のため」という意識なので、長く続かないのです。

 しかし、当社はもともと「100店舗100業態」のスローガンを掲げ、ほかにない新しいコンセプトの店を1ブランド1店舗で、100ブランド展開することをめざしていました。現在はブランドによっては部分的にチェーン展開もしていますが、それでも75ブランドを展開中です。

 当社の店長は、そんなほかにないコンセプトの店を自分のやりたいように切り回せる。店長が会社に約束することは3つだけ。「お客さまを喜ばせる」「コンセプトを外さない」「適正な利益を出す」。その約束を果たすためになにをすればいいかは、自分で考えるのです。

 だから、疑似独立しているというか。これがチェーン店だったら、誰かが策定したマニュアル通りに運営するだけ。独立したくなるのも当然です。でも、当社なら独立しなくても“自分の店”をもてる感覚があるのです。

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