累計経営者579人に取材、掲載社数287ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

不動産業界の起業家インタビュー

不動産不動産業界の常識を変える日本土地建物の魅力を徹底解剖

株式会社日本土地建物 代表取締役 神山 重子

不動産業界で事業を大きく伸ばしているベンチャー企業がある。それが銀座に本社を構える日本土地建物だ。本企画では同社をクローズアップ。社長からインターンまで幅広い取材により、独自の強さをひも解いてみた。

※下記はベンチャー通信63号(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

不動産業界レポート

トレンドは“建てる“から“リノベーションする“へ

 日本土地建物の紹介をする前に、まずは不動産業界をとりまく状況を簡単にレポートしてみよう。

 リーマン・ショック以降、長い間低迷が続いていた不動産業界。東日本大震災も少なからず影響した。しかし、ここ最近は2020年に東京五輪が控えていることもあり、東京都心部を中心に活発に不動産取引が行われるようになっている。

 その一方で、盛況感は五輪終了とともに急速にしぼみ、「価格に値崩れが始まるのでは」との懸念もある。さらに少子高齢化が進むにつれ、住宅ストック数が世帯数を上回るように。こうした「家あまり」の状態により空き家が増加していく昨今、「住宅をつくっては壊し、また新しく建て直す」という従来の“新築重視”の方針が見直されるようになっている。そこで注目を集めているのが、“リノベーション”である。

 中古マンションなどに高品質な内装を施し、現代のニーズにあわせて間取りも変える。こうした、「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く使う」という欧米型のスタイルが求められているのだ。

 市場ニーズにも変化がみられる。内閣府が実施した「住生活に関する世論調査」(平成27年度)によれば、「住宅を購入するとしたら新築か中古か」という問いに対して、中古一戸建て住宅と中古マンションをあわせた中古志向は9.9%。まだまだ多いとはいえないが、11年前の調査では3.4%にすぎなかったため、それに比べれば中古志向が3倍近くに増加しているといえる。

 政府もその流れを後押しする。2010年の閣議決定により、2020年までに中古住宅の流通とリフォームの市場を、それまでの倍の20兆円規模に成長させる施策を掲げた。リノベーションは、まさに国をあげて取り組んでいく事業であり、今後さらに伸びていくことが期待できる成長分野だといえる。

 この特集では、まさにリノベーションマンション事業で成長を遂げている日本土地建物を徹底解剖していく。ぜひ、会社選びの参考にしてほしい。

7坪の小さな事務所からスタートした日本土地建物。「土日休み」など不動産業界の常識にとらわれないユニークな取り組みで、いまや年間売上高19億円の投資用不動産販売会社へと変貌を遂げた。代表の神山氏に、会社の強みや独自の人材育成法を聞いた。

1棟売りの好調が売上高急増の要因

―事業内容を教えてください。

 大きくわけて「不動産投資事業」「ソリューション事業」「不動産再生事業(マンションリノベーション事業)」の3つ。そのなかでも不動産再生事業がメインで、仲介業者から投資用不動産に適した物件を紹介していただき、購入してリノベーションによりバリューアップしたものを法人・個人に販売。1都3県を対象エリアに区分マンション、1棟マンション、土地などを商材として扱っています。

 ソリューション事業は、お客さまが所有している土地や建物にあわせて幅広い提案を行うコンサルティングビジネス。不動産投資事業では、さまざまな物件がもつ潜在価値を引きだし、最適な商品に仕上げて、当社で保有しているのです。

―2013年4月期の売上高は8億円。2014年が10億円、2015年が19億円と急増しています。要因はなんでしょう。

 マンションの1棟買い、1棟売りが好調なことです。これまでは区分マンションを手がけることが多く、売上単価も大きくありませんでした。しかし、市場が好調なのを背景に1棟マンションを多く手がけるようになり、売上アップにつながったのです。

 また、以前とくらべて従業員数も増え、人材が育ってきたのも大きな要因ですね。

―起業のきっかけはなんだったのですか。

 起業というよりも、独立ですね。あまりにも仕事の時間が多いことからオンとオフの区別をはっきりしたいと思い、2003年に大手不動産会社から独立したのです。

 独立してからも、前職の流れで法人仲介のビジネスが中心。ひとりで仕事を始めた当初は、会社を大きくしようと思っていませんでした。しかし、おかげさまでだんだん仕事が多忙に。経理を手伝ってくれる方をお願いして、さらに自分のサポートをしてくれるスタッフを増やして…としているうちに、現在にいたったという感じです。

足を使って情報を集める異色の営業部隊

―手がける物件についてのこだわりを教えてください。

 当社が扱うのは投資用の物件のため、お客さまに対して利益をもたらすことができる物件を厳選しています。たとえば、新築物件はキレイで借り手もつきやすいでしょうが初期投資は高くつく。しかも、一度居住者が退去すると新築プレミアムがなくなる。それに比べて中古物件は安値で手に入れられて、周辺環境が変わらない限り不動産評価は比較的一定している。つまり中古は、確実な収益ラインが見込める物件なのです。

 物件を選ぶ際、人気エリアにはこだわりません。駅近や商店街が近いなどロケーションに恵まれてさえいれば、リノベーションで付加価値をつけて売ることができるからです。

 このような中古の優良物件は、仕入れ専門の営業担当者たち15名ほどが足を使って情報を集めて仕入れています。当然、そのような物件は他社との競合があります。それでも仕入れるために、当社の営業メンバーは現地に通い、情報をイチ早くキャッチするようにしています。 

 不動産業界はファックスやメールだけで仲介業者とやりとりすることが多いので、当社のやり方はアナログで異色だといえます。しかし、フェイス・トゥ・フェイスのほうが不動産仲介会社の担当者ともリレーションがとりやすく、情報を集めやすいのです。そのようにして検討案件をたくさん抱え、そのなかから仕入れ値は抑えられる物件を選び出して購入するので、値ごろ感のある価格で売り出せるのです。

 仕入れの営業担当者らはつねに新しい仲介業者やリフォーム業者の開拓も行い、ネットワークの構築に励んでいます。それが当社の成長を支えています。

―日本土地建物ならではの強みはなんですか。

 不動産物件に対する「目利き力」があることですね。

 当社は少数精鋭。そのため分業するのではなく、営業担当者一人ひとりが不動産の仕入れから売却までを一貫して行う点が、大手企業と異なっています。扱う物件も区分マンションから、一戸建て、1棟マンションとあらゆる種類にわたるので、営業担当者が踏む場数は他社に比べて非常に多い。おのずと不動産物件をみる力が養われ、会社の底上げにつながっています。

 今後、社員が増えたとしてもこの「目利き力」は伝えていかなければなりません。

家族やプライベートを社員にも大切にしてほしい

―社員が成長要因なのですね。どんな人材育成をしているのでしょう。

 新入社員には社内での研修のほかに、外部の研修機関で研修してもらいます。社内研修では不動産知識やビジネスマナー、掃除の仕方なども教え、外部研修では営業力に特化したスキルアップ研修などを実施。社内的には週1回、「税金」「相続税」などテーマを決めて勉強会を開催。マネージャー格が講師を務めます。

 また、仕事に役立つ資格として宅建を取得してもらうように会社として支援しています。起業マインドがある社員のために、独立支援制度も始めました。

―今後社員を増やす予定はありますか。

 ええ。いままでは社員20名程度で少数精鋭でしたが、ようやく中堅メンバーが育ってきたので、これからは組織を拡大していきます。また、昨年から新卒採用を開始し、今年4月に4名の新卒が入社。中途でも5~6名は採用したいですね。組織を大きくするためには、現場を任せられるリーダーをさらに育てていかなければなりません。くわえて、私が女性ということもあり、積極的に女性を採用していく方針です。

 求めているのは、機転の利く人ですね。営業職なら、人あたりがよい方が向いている。新卒はもちろん、中途採用の人材でも未経験者は積極的に歓迎します。業界に偏らない、自由で新鮮な発想で社内が活性化することを期待しています。

―神山さんが会社を経営するうえで大事にしていることはなんでしょう。

 社員には、家族やプライベートを大切にしてほしいということです。そのために当社は土日休み。できるだけ残業せずに、オンとオフの切り替えをうまくやってもらいたいですね。また、どうしても営業は外に出がちで社員同士の時間を共有することが難しいので、ボウリング大会、国内外への社員旅行、研修旅行、優秀社員旅行などを実施し、一緒にいる機会をつくり出しています。

 不動産業界は仕事がキツイというイメージがありますが、職場は楽しくありたい。業界の常識にとらわれない会社づくりをしていきたいですね。

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