累計経営者579人に取材、掲載社数282ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

ITフリーの腕利き“IT職人”と 成長ベンチャーをつなぐ 架け橋をつくる

株式会社フォトメ 代表取締役 佐々木 淳

フリーランスのエンジニア、デザイナーといったIT人材のなかには圧倒的なスキルと経験をもつ“IT職人”が存在する。そうした人材を企業がなかなか獲得できないのは「IT業界の“多重請負構造”に問題があるからだ」。こう指摘するのはフォトメ代表の佐々木氏。いま同社では企業とIT職人のマッチングをはかる新サービス『ドラフトワークス』を開発中だ。その内容、利活用法などを同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信64号(2016年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

さまざまな矛盾を生む〝業界ピラミッド〟

―有能なIT人材の採用を阻害する〝多重請負構造〟とはなんですか。

 大手SIerを頂点としたIT業界のピラミッド構造のことです。

 典型的なケースはこうです。エンドの発注企業が案件を外注する際、規模が大きいSIerに声をかけるのが一般的。これを1次請けと言います。しかし、1次請けが業務を行うわけではなく、中堅規模のSIerにそれを外注します。これが2次請け。そして案件の規模に応じて3次、4次と下請け構造が続き、開発実装や動作試験は3次請け以降が担います。その開発現場には高度なスキルがあり、経験が豊富なフリーランスのIT技術者が投入されることが多いですね。

―その構造のどこが問題なのですか。

 まず、発注企業が求める質のアウトプットの提供を難しくしています。開発現場での最優先課題は人材の質より人員確保なので、IT技術者のスキルと案件内容がミスマッチすることが少なくないためです。納期が大幅に後ズレするなど、紛糾することもあります。

 多重請負構造のなかで、有能なフリーランスのIT技術者が報われない環境に置かれていることも大きな問題です。

―その理由を聞かせてください。

 請負企業数が多くなるほど〝中抜き〟が重ねられ、開発現場のIT技術者への報酬は削られるからです。低賃金が常態化し、仕事量をこなす必要に迫られ、自分の能力が発揮できる案件を選んでいる余裕はIT技術者にありません。これでは慢性的なIT人材不足は、いつまでも解消されないでしょう。多重請負構造は、さまざまな矛盾をはらんでいます。

 人材紹介会社も使い勝手がよくないという声をよく聞きます。

―どういった課題があるのですか。

 エンジニアの市場評価が適正に行われていないことです。ITスキルの目利きができる人材エージェントは少数で、結局、企業は紹介された候補者とたくさん会わなければ、マッチング精度があがらなかったり、多重請負構造なばかりに本来エンジニアが得る適正な報酬が支払われてないというのが現状です。

 こうした一連の問題点を解決し、IT技術者と企業がWIN×WINの関係を築けるマッチングサービスが『ドラフトワークス』。IT技術者は自分の能力が発揮できる案件でより高い報酬を得られ、企業は〝中抜き〟されないぶん、低コストで自社のプロジェクトにあった有能な人材を短期間で見つけられます。

自社プロジェクトのある企業とフリーランスが登録できる

―その仕組みを教えてください。

 登録制のフリーランスIT人材のマッチングサービスで、当社審査に通過した人だけが登録可能。登録申し込み時に提出してもらうスキルシートで審査します。当社は設立以来、SES事業などを通じて数万人のフリーランスのIT技術者とコンタクトしてきました。プロジェクトの重要部分に携わった経験があるのか、ないのか。書かれている技術について、それを使いこなせるのか、知っている程度なのかなど、スキルシートを見ただけでIT技術者を目利きできます。

 登録者からは「デュアルディスプレイでなければ」とか「机の広さはこれくらい必要」など、働く環境の希望も聞きます。有能で職人的なIT技術者ほど、働く環境にこだわりをもっている場合が多いですから。企業についても審査を行います。

―どのようなことを審査するのですか。

 人材派遣のための人員確保の手段として悪用されないよう、自社でプロジェクトをもっているかどうかという点を確かめます。

 登録企業は『ドラフトワークス』内で公開している登録者のスキルセットを閲覧。気に入った人材にオファーメールが送れます。ただし、オフォーメールには受付期間があり、登録者がそれを決定します。ソーシャルリクルーティングやダイレクトリクルーティングの場合は期限がなく、いつオフォーがくるのかわかりません。しかし『ドラフトワークス』は自分で受付期間を設定できるので、使い勝手がいいと思います。

IT業界のイノベートに挑戦

―その後の流れを教えてください。

 登録者は受け取ったオファーメールのなかから希望にあう案件を選び、面談へと進んでもらいます。独自で開発した価値観マッチングを利用することにより、登録者と企業に、おたがいの相性までみきわめてもらって判断してもらうため、リアルの面談の実施を必須項目にしています。プロ野球のドラフトのように複数の企業からオファーメールという〝指名〟を受け、登録者から選ばれた企業は面談という〝交渉権〟を獲得できることから、『ドラフトワークス』とネーミングしました。

―『ドラフトワークス』はさまざまな問題を解消する新しい採用手法なんですね。最
後に今後のビジョンを聞かせてください。

『ドラフトワークス』の登録者には、福利厚生の無料利用、契約期間の最後や契約延長時に当社からのインセンティブ支払い、ハッカソン的な技術イベントやオフ会への参加など、さまざまな特典も提供し、フリーランスのIT技術者の働く環境の充実にも取り組みます。即戦力がほしい企業と〝IT職人〟の間にシンプルな架け橋をつくることで、この業界に蔓延する矛盾の破壊に挑戦したいですね。

その他のIT起業家の記事

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ベンチャー通信メールマガジン

ベンチャー通信注目の企業や、ビジネスニュースなどの情報をお知らせします。

ご登録はこちら

  • ベストベンチャー100
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • 人財力100 人材採用と育成に力を入れている100社
  • 活躍しているエンジニアの職場を取材!Tech通信ONLINE
  • INOUZ Times

ベンチャー通信

ベンチャー通信
ベンチャー情報雑誌

「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、2000年創刊のベンチャー情報雑誌です。

ベンチャー通信への掲載・取材希望の方

ベンチャー企業の採用力強化、自社の成長性・知名度アップのため、ベンチャー通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop