累計経営者579人に取材、掲載社数286ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

ITきめ細やかなサービスで異業種を結ぶ「強いビジネスモデル」

株式会社MDパートナーズ 代表取締役社長 星田 洋伸

大手流通企業や食品メーカーなどが採用する(※)O2Oのプラットフォーム「プチギフト」。その仕組みは、MDパートナーズが会社設立以来、地道につくり上げてきたものだ。手間をかけずに導入できて、集客や顧客囲い込みに効果があるとして、引き合いが増えているという。代表の星田氏に起業の経緯、「プチギフト」誕生の背景、今後のビジョンについて聞いた。

※下記はベンチャー通信64号(2016年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

将来の拡大を予測してO2Oシステムの構築を開始

―設立経緯を教えてください。

 設立は2009年です。モバイルコンテンツ企業のハウスエージェンシーで代表を務めていたとき、(※)MVNOに関するサービスコンサルティングや広告企画の依頼が来ましたが、当時の環境では受けることはできませんでした。私にとって非常に興味のある分野でしたが、43歳という年齢での独立には葛藤がありました。しかし将来的な売上が見込めることもあり、意を決し独立して会社をつくることにしたのです。

 そうした受託事業を軸としながらも、私は会社の継続や成長には自社事業を生み出すことが必要であるとずっと考えていました。そして当時、韓国で流行していたO2O事業が日本でも拡大すると予測し、2009年の創業時より地道に研究を重ね開発したのが、O2Oサービスの「プチギフト」です。

※O2O : Online to Offlineの略。ネット上(オンライン)から、ネット外の実地(オフライン)での行動へと促す施策のこと

※MVNO : Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者を指す

―どのようなサービスでしょう。

「手間をかけずに」「短期間で」企業に導入するためのプラットフォームです。最大の特徴は、高いセキュリティの下で運用するシステムにくわえ、クリエイティブの制作、交換する商品の調達、エンドユーザーへのお問い合わせ対応、事務局運営までキャンペーンのすべてを当社がワンストップで実施する点です。そのために企業側は導入の苦労なく、サービスを開始することができるのです。

―プチギフトは開始してすぐに拡大したのですか。

 いいえ山あり谷ありでした。2009年冬に試験的な案件を行い、翌年には2案件実施と、開始当初は想定以上の成果をあげ、2011年4月以降の案件も決まっていました。しかし3月11日にあの震災に見舞われました。決定案件はすべて見送られ、再開のメドもたたない状況で、当社としてはプチギフトを諦めざるを得ないところまで追い込まれました。しかし2年たった2013年に某企業からの引き合いをいただき、「プチギフト」サービスの新たなスタートとなったのです。

―企業の活用例を教えてください。

 たとえば某検索サイトでは、有料会員への恒常的なプレミアムサービスとして、平日は毎日コンビニエンスストア店頭にある商品の引換券をWeb上で1万枚以上を配布。ユーザーのロイヤルティ向上に寄与しています。

 商品の交換先としては、コンビニチェーン大手5社にくわえて、GMS、ファストフードチェーンやファミリーレストラン、電子マネーへのチャージ、大手ECサイトなど拡大傾向にあります。

 最近では、会員サービスをおもちの企業や食品メーカー、不動産や金融系企業など多岐にわたる業界からのお問い合わせが増えています。

食品商社時代に学んだ「強いビジネスモデル」

―販促効果の実績はどうでしょう。

 従来の紙クーポンの引換率は30%前後と言われていましたが、「プチギフト」から配布するデジタルクーポンは多いときで90%以上の方が最寄りの店舗で商品を引き換えています。3年間継続して利用いただいている某会員サイトでは、当該サービスの利用者は他サービスの利用者よりも解約率が低いと評価されています。

―「プチギフト」は、どういう発想から生まれたのですか。

「ITを使ってモノを動かす」という発想からです。私は長年、携帯電話ビジネスの世界で働いてきました。ところがある日「携帯業界しか見ていなかった」という想いがわき起こりました。リアルなビジネスを知らなかったことに気づいたのです。そこで100年の歴史をもつ食品商社に転職。社長室に配属され、同社で学んだのは「ビジネスの基本はモノを作り、動かすこと」という教えです。ITはツールでしかありません。そのITを使った「現実的にモノを動かすビジネス」を考えたすえに、「プチギフト」が生まれたのです。

 また、ほかにはまねのしづらい強いビジネスモデルをつくりあげる重要性もそこで教わりました。その商社の姿勢から学んだことを活かし、当社もさまざまな業界・企業と取引を拡げながら「プチギフト」のビジネスモデルをさらに確立していきたいですね。

 当社にはサプリメントの開発・販売を行う関連会社がありますが、これはその食品商社との協業で始めたもの。リアルなビジネスは大変です。しかしその大変さを知っているからこそ、コンビニやファストフードなど実店舗を運営する企業やメーカーとの取引が実現できているという背景があり、それが当社の強みにもつながっています。なにより「プチギフト」はアイデア次第でさまざまなコラボレーションが可能。リアルの現場を知っておくことがとても大切なのです。

第二創業期を迎え、将来の幹部候補を探す

―人材採用を開始しているそうですね。

 当社は2016年度を第二創業期と位置づけ、将来の幹部候補を探しています。

 入社の際には必ずしもITのプロである必要はありません。あらゆる業界とつきあうことが多いので、各業界の商習慣の違いや市場の変化につねにアンテナをはり、それをいち早く吸収し、クライアントのニーズに応じて提案していくことが必要となります。

 そのため、求める人物像は、自分で考えて工夫してアウトプットできる人、新しいことにチャレンジできる人、そして当たり前ですが礼儀正しいことです。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 デジタルクーポンは配布先や使用先が国内でなくても簡単に展開できるのが強み。最近は「プチギフト」の中国展開を企画しており、上海の日系企業などでテストを開始しています。

 また、中国国内でクーポンを配布して、インバウンド対応も同時に進めています。

 目指しているのは、1年でも長く続く会社。デジタルノベルティの総合商社として、100年は続く会社に育て上げたいですね。

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