累計経営者579人に取材、掲載社数314ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

株式会社アウトソーシングテクノロジー 代表取締役社長 茂手木 雅樹

IT起業時の「 やりたかったこと」を実現するM&A というひとつの選択肢

株式会社アウトソーシングテクノロジー 代表取締役社長 茂手木 雅樹

※下記はベンチャー通信64号(2016年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

若手人材に対する積極投資を実行社員の目が輝きはじめた

―堀尾さんは今年社長に就任したばかりと聞きました。

 はい。それまでは営業を統括する取締役を務めていました。当社のサービスは、おもに大手建設・プラント会社向けに、設計・施工管理のエンジニアを派遣するものです。業績は順調に伸びていましたが、派遣する社員の平均年齢が55歳と超高齢化。5年後・10年後のビジョンを社員に語ってあげられない会社だったのです。

 それがアウトソーシンググループに参画して一気に変わりました。

―どんな変化があったのですか。

「少ないコストで最大の効果を」から「大きく投資して一気に伸ばそう」という方針にシフト。たとえば人材採用への投資です。

 これまで人材採用に使えた予算は年間700万円。それが半年間に求人広告費だけで5000万円の予算を投下。採用した人材の研修費まで含めると、年間1億円近い採用・教育費を投じました。「中途半端に費用をかけて失敗するぐらいなら、成果が出るだけの費用を使う」。いままでになかった意識で実行したのです。

 その結果、この1年間に合計180名の採用実績が残せました。競合他社が積極的に実践していない新卒採用にも注力。この4月に28名の新卒社員が入社しました。お客さまは若手のエンジニアを求めているので、ニーズにスピーディーにこたえられる。現場の社員がイキイキとしてきました。会社の未来が見えることによって社員ががんばる、そのチカラはすばらしいものです。

【会社概要】
共同エンジニアリング株式会社
■設立:2002年3月
■資本金:5,000万円
■売上高:42億円(2015年12月期)
■従業員数:750名
■事業内容:土木・建築工事、空調・衛生設備、
 電気・計装設備、機械・プラント設備、建設コンサルタント、
 設計、監理業務、技術者紹介・派遣、運輸・物流ほか
■URL:http://www.kyodo-engine.com/

M&Aで取得した電子書籍アプリとロボットのクロスセールスに挑戦

―これまでに手がけたM&Aのなかで、ほかの事業と大きなシナジー
効果があった事例はありますか。

 はい。あるIT企業から電子書籍を閲覧するアプリの事業を買い取ったケースがあります。わかりやすくたとえると、新聞の電子版ビューアーとして使えるアプリです。大手電機メーカーと組んで、大きな発行部数を誇る新聞の電子化事業を受注できました。今後、各地の地方紙に売り込んでいく計画です。

 じつはこのアプリ、本来、期待していた成果とはまったく別のところで、シナジー効果が発揮されています。ロボットと組み合わせることで、大きなビジネスチャンスを開拓しようとしているのです。

―詳しく教えてください。

 当社はフランスのAldebaranが開発した自立型ヒューマノイドロボット『NAO』の国内における販売代理店をしています。話をしたり踊ったりできるけれど、ソフトバンクの『Pepper』みたいな表示機能はありません。

 そこで『NAO』とセットになったデジタルサイネージ(電子看板)に、このアプリのシステムを応用して文字や映像を表示すれば用途が広がると考えたのです。

―どんな活用ができますか。

 たとえばホテルの接客係。いま、国内のホテルには海外からの観光客が多く来ています。多言語対応のロボットが活躍できる。

 たとえば「レストランはどこ?」と中国から来たお客がロボットに聞いたとします。ロボットはまず音声で「今日はなにを食べたい気分ですか?」と聞き返す。「チカラのつくものを」「さっぱりした料理がいい」といった答えに応じて、そんな料理を出すレストランへの道案内やメニューをデジタルサイネージに表示してくれる。その場で席の予約もできる。そんな接客係がいれば、きっと評判を呼ぶはずです。

従来興味をもってくれなかった人たちが研修にひかれ応募してくれるように

― 大手自動車メーカーの研究開発部門にエンジニアを派遣するサービスを統括しているそうですね。これまでのグループ成長のヒストリーのなかで、中谷さんがマネジメントしているビジネスを大きく飛躍させたものはありますか。

 たとえば2014年のシンクスバンクのグループ入りですね。ITスクールの運営や企業研修サービスの提供をメインに、システム開発や技術者派遣、人材紹介まで手がけている会社です。ここが参加したことによって、私たちの人材採用力が格段にアップしました。

 昨年、私の部門では年間129名を採用。営業できる母数が増えたことで、これまでであれば断っていた仕事の依頼を引き受けられるようになりました。

―なぜ採用力が上がったのでしょう。

 これまでリーチできていなかった文系学生や工業高校生から応募が来るようになったからです。理系学生は競合が多いので、なかなか採用できない。一方、クルマに興味のある文系学生や工業高校生がエンジニアとして就職するには30万円ぐら自腹を切ってスクールに通う必要があります。でも、ウチならば入社してからシンクスバンクの研修を受ければいい。ホンモノのクルマを解体する実習もある。それが決め手となって応募する学生が多いのです。

 それに就職先としてのイメージも上がりました。多くの人材派遣会社はオフィスにお金をかけない。そんななかで私たちはシンクスバンクの教室がある駅近の一等地に拠点を構えているのです。内装も洗練されています

ISOを取得しブランディング採用支援を他社へ提供していく

― シンクスバンクの事業内容を教えてください。

『KENスクール』という個人・法人向けのPCスクールを運営。“現場が体感できる実践的なカリキュラム”を用意し、ビジネスの現場ですぐ戦力となるエンジニアを養成しています。また、ITエンジニアリング事業を通じて業界未経験者の雇用を促進する人材事業も展開しています。

―アウトソーシンググループに参画するにいたった経緯を聞かせ
てください。

 リーマン・ショックの影響でBtoCにおける育成需要が激減。法人研修にシフトしようと考えたのです。ちょうどそのころ、教育の供給先として、また受講者の受け皿として、人材の採用・育成・派遣先の拡大に積極的なアウトソーシンググループからオファーをもらったのです。

―その後、社内にどんな変化がありましたか。

 昨年8月にISO29990(教育サービスの質を保証する規格)を取得したことは、わかりやすい変化ではないでしょうか。生産物に対して国際基準に準拠した品質保証をするという考え方は、民間教育の世界にはあまりないもの。グループ入りする前は「取得しよう」とは、だれも考えなかったのです。

 また、以前は教育のカテゴリーはITに特化していましたが、アウトソーシングテクノロジーと連携したことで、機械や建築にも進出。今後はロボットや航空・宇宙など、グループとして拡大していくことが期待される分野での教育支援にチャレンジしていきたいですね。

 また、オンライン教育を充実させ、拠点がないエリアの人材や、多忙でスクールになかなか立ち寄れない方に教育できる環境を整えたい。地方の人材をエンジニアに育成できたら、グループに好影響を与えるでしょうから。その延長として、海外の人材を対象にした授業も視野に入れています。

【会社概要】
株式会社シンクスバンク
 ■設立:2012年7月
 ■資本金:4,800万円
 ■売上高:8億827万8,000円(2015年12月期)
 ■従業員数:139名(契約社員含む)
 ■事業内容:コンピュータ技術者育成スクール事業、
   ITシステム・プログラム開発事業(人材派遣/業務請負)、
   法人教育研修事業
 ■URL:http://thinkethbank.co.jp/

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