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IT業界の起業家インタビュー

株式会社アウトソーシングテクノロジー 代表取締役社長 茂手木 雅樹

IT起業時の「 やりたかったこと」を実現するM&A というひとつの選択肢

株式会社アウトソーシングテクノロジー 代表取締役社長 茂手木 雅樹

※下記はベンチャー通信64号(2016年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

アウトソーシンググループが推進するM&A戦略は、国内にとどまらない。今年4月にはイギリスとオーストラリアで非常に大規模な買収を実行している。その戦略を推進している茂手木氏が目指すのは、ずばり、売上高1兆円を超える普遍的なグローバル企業に成長することだ。「あと5~6年のうちに実現させる」と語る同氏に、海外事業を成功させるためのノウハウや今後の世界戦略について聞いた。

1国だけに進出しても世界では勝てない

―先進国各国でM&Aを実行するなど、海外進出に積極的です。その理由を教えてください。

 私と同じ世代の経営者はみんなそうかもしれませんが、「日本って未来ないよね」という感覚があります。海外に目を向け、進出しなければ生き残れない、と。

 とはいえ、年商が10億円・20億円程度では規模が小さくて世界に出ていく余裕をつくりにくい。「海外企業と提携しよう」「買収しよう」といっても、企業規模が小さいと相手にしてくれない。たとえ中国やベトナムなど、1国だけに進出してうまくいったとしても、グローバル競争には勝てない。世界市場を相手にしている競合に勝つには、先進国を中心とし、全世界的に事業を広げなくてはなりません。

 とくに私が起業したころは年商20億円前後のIT系のベンチャー企業がごろごろしていた。しかし、そこからさらに成長するのはなかなか大変です。では、グローバル展開はあきらめるしかないのか。

―その課題を克服する手段が、茂手木さんが起業した会社をアウトソーシンググループに参加させることだったのですね。

 その通りです。アウトソーシンググループはASEAN全域の人材派遣のライセンスをもっていた。これを活用してビジネス展開すれば競合他社に対する大変なアドバンテージを獲得できる。そこでグループ入りをするかどうかの交渉の場で、グループ側に「そのライセンスをすべて私に使わせてほしい」と申し出たら、イエスという返事をもらった。それもジョインを決断した大きな理由のひとつです。

 さらには、アウトソーシンググループは日本の産業構造をよく理解しており、今後のビジョンが私たちとリンクした。この2つが魅力でした。

アウトソーシンググループというプラットフォームほど、グローバルな事業展開をするのにふさわしいところはないでしょう。

「ライバルはファンド」地域と事業に分散投資する

―グローバル展開における基本方針を教えてください。

 国ごとの産業構造を綿密に分析し、進出する事業と地域の評定をする。それにもとづいて適正な資金配分をする。そうやって適切なポートフォリオをつくり、リスクをヘッジすることです。

 私は、アウトソーシンググループのライバルはファンドだと思っているのです。なぜなら、私たちのビジネスはその基本構造において、ファンドと相似形をなすことをやっているからです。ファンドがインデックス投資をする場合、全世界のポートフォリオを、各国のリスクを勘案しながら組むでしょう。それと同じ考え方で私たちも事業展開しています。

―リスク分散を重要視しているのですね。

 ええ。いまグループ全体で3万名を超える従業員がいて、その数は年々増えていきます。さらに、その家族をあわせると膨大な数になります。私たち経営陣はそこに責任を負っています。

 たとえA国の景気が悪化し、それと同時にB事業の採算が悪化し、C社の業績がへこんでも、D国が好況で、E事業が好調になり、F社の業績が伸びている。その結果、グループ全体としての成長スピードは変わらないようにする。そういうスタンスでグループのガバナン
スをしています。

―今後のビジョンを教えてください。

 グループの年商を1兆円の大台にもっていきたい。当グループの企業規模が拡大すると、買収できる企業の規模も大きくなるので、あと5~6年くらいで達成できると思っています。

海外法人のキーパーソンに聞く①

―ヨーロッパ各国でオラクルのビジネスアプリケーションをあつかうITエンジニアを企業に派遣するサービスを提供しているそうですね。顧客に支持されている要因はなんでしょう。

 サービスを真に“3次元”で提供していることでしょう。顧客とのリアルなコミュニケーションを大事にしています。そのため、5つの異なるヨーロッパの言語で顧客からの相談に対応。競合他社に差をつけてきたのです。

―2014年の設立以来、業績は順調です。なぜ、アウトソーシンググループにジョインしたのですか。

 ビジネスをより拡張するためです。当社のメンバーは19名。ここからほかの地域へとビジネスを広げるためには、アウトソーシンググループのグローバルなネットワークが必要だったのです。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 オラクルのプロダクトは非常に膨大な量にのぼります。これを、たとえばオラクルのリテールやミドルウェアなどの最新テクノロジーを使って圧縮したい。また、人材紹介ビジネスに関してもおおいに期待しています。この分野に特化した部署を立ち上げるつもりです。

海外法人のキーパーソンに聞く②

―事業内容を教えてください。

 オーストラリアでスペシャリスト人材の紹介・請負・サーチを手がけています。オフィスをシドニーとメルボルンにかまえ、メンバーは50名。それぞれがそれぞれのコンサルタントが担当するニッチなエリアに対して高い専門性をもつことが特徴です。それによって顧客のニーズに的確にこたえる人材を提供できています。

―具体的にはどんな分野が対象になるのでしょう。

 代表的なものをあげれば、さまざまな分野のテクノロジー、リスクマネジメント、コンプライアンス監査、データ分析、プロジェクトマネジメント、セールス・プレセールス、デジタル・マーケティング、資産管理、保険、ファイナンス、市場調査、税の徴収などです。顧客はオーストラリア証券取引所上場のトップ50に数えられる会社から、設立したばかりの会社にいたるまで多様です。

―アウトソーシンググループにジョインした経緯を聞かせてください。

 アプローチがあったのは2015年1月のことです。このとき、私たちはそれまでにない記録的な収益を生み出していた。それでも「アウトソーシンググループに入ろう」と決断したのは、“人を信じる”という価値観に共感したためです。そしてグループ入りした後も、私たちの文化にあったビジネスを継続できることを約束してくれた。

 また、私たちは近く香港やシンガポールに進出します。ビジネスをグローバルに展開していくときには、アウトソーシンググループがもつ経験が助けになるでしょうね。

海外法人のキーパーソンに聞く③

―事業内容を教えてください。

 インド最大級のHRソリューションおよびHRサービスの会社です。さまざまな業界の顧客企業に対して、採用・派遣・ペイロールサービス・労働コンプライアンスサービスを提供しています。

 メンバーの大半がIT畑の出身者です。本社をバンガロールにかまえており、インド各地に拠点をもっています。

―なぜ、アウトソーシンググループに入ったのですか。

「 国境を越えて成長したい」と考えていたからです。そこで、私たちと同じように国境を越えた成長を望む多くの戦略パートナー候補と会いました。そのなかでアウトソーシンググループのチームと話したとき、将来の成長した姿と国外展開のプランを明確にイメージすることができた。さらに、会社の文化に対する安心感もあり、今後お互いの強みをさらに良い方向へと引き立てることができることに気づいたのです。

―今後の目標を教えてください。

 茂手木さんをはじめグループの幹部たちからの支援や指導をあおぐことで、4~5年で年商80億円規模にすることを目指しています。

茂手木 雅樹(もてぎ まさき)プロフィール

1978年、埼玉県生まれ。2002年に大学卒業後、大手通信機器商社に入社。2004年に株式会社シーエス・ソリューション、2006年に株式会社グレイスケール、2010年に古籟依(大連)信息科技有限公司を設立。2012年にアウトソーシンググループに参画し、株式会社アウトソーシングの執行役員に就任。2014年、株式会社アウトソーシングテクノロジー代表取締役に就任する。2015年株式会社アウトソーシングの専務取締役に就任し、名実ともに同グループのIT、技術部門のトップとしてグループを統括している。

企業情報

設立 2004年12月
資本金 4億8,365万4,547円(2016年3月31日現在)
売上高 200億円(2015年12月期)
従業員数 3,561名(2016年1月現在)
事業内容 R&Dに特化した機械・電子・電気・ソフトウェアの技術者特定派遣および開発請負、次世代自動車・デジタル家電・ロボティクス・医療機器の研究開発・生産・技術開発、Webサービス(開発、インフラ、ネットワーク、モバイル)を中心とするコンサルティングおよびエンジニアリングサービスなど
URL https://www.ostechnology.co.jp/

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