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著名起業家インタビュー

著名起業家“未踏峰”を一緒に志す仲間を探せ

株式会社U-NEXT 代表取締役社長/株式会社USEN 取締役会長 宇野 康秀 

「ゼロからの起業」「財務悪化で危機に追い込まれた“家業”の承継」「私財を投じて300人の新会社を設立」―。どんな経営者も1回あるかないかの壮絶な修羅場に何度も飛び込み、経営を指揮した3社すべてが上場を果たすという“奇跡”を起こしたU-NEXT代表の宇野氏。その“起業家人生”の熱源はなにか。苦難を超越し、挑戦し続けられる人間になるための視座を宇野氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信64号(2016年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

カリスマにならなくていい

―宇野さんはインテリジェンスを起業したのちに父親が創業したUSENを事業承継。さらに私財を投じてU -NEXTをUSENから会社分割して設立しました。資本関係がない3社の企業を経営し、3社とも上場を実現したのは珍しいケースですね。旺盛な事業欲の源泉はなんですか。

 私の原動力であり、大きな支えになってくれたのは“仲間”です。

 起業を意識した頃に松下幸之助さんや盛田昭夫さん、本田宗一郎さんなどの立派な経営者の伝記ばかり読んでいて「自分もこんなふうになりたい」という憧れをもちました。と同時に「でも、自分はこんなカリスマ性や能力はないだろうな」。冷静に自分を見つめていました。そんなとき、ふと「自分が“カリスマ”である必要はないんじゃないかな」と思ったんです。

―特別な才覚はなくても起業できる、成功させられる道はあるはずだと。

 ええ、それが仲間。仲間と一緒に「チームで松下幸之助になればいいんだ」「何人かのキャラクターや能力が集まれば、そういうことができるんじゃないか」と気づいたんです。

 そこからチームづくりや仲間づくりが自分にとって大事なことになっていきました。

―そもそも、いつ起業を志したのですか。

 高校生のときです。「自分が生まれてきた理由はなにか」を考えていました。自分はスポーツ選手で活躍するふうでもなく、芸術家としての才能はない。政治家になれるとも思いませんでした。では、自分が生まれ落ちた意味をなにで成せばいいのか。私にとってそれが起業だったんです。「自らの手で会社をつくり、事業をつくり、それが結果的に世の中を変えて進化させていくことが自分の天命なんじゃないのか」。そう確信しました。

 それで、すぐにでも起業したかったのですが自分はカリスマにはなれないので仲間を探さなければならない。それで大学に行き、1年間だけ会社員も経験しました。ですから、なにかトントン拍子で起業したのではなく、「起業しかない」と確信してから仲間探しをするために5~6年の時間がかかった、と自分では感じています。

仲間の条件

―宇野さんの仲間探しの基準を聞かせてください。

 価値観があうこと、志が高いこと。このふたつです。インテリジェンスを起業したとき、世はバブルの頃。あらゆる人がマネーゲームに狂い「もっといい車に乗りたい」「もっとお金がほしい」と欲望をむき出しにしていた時代です。でも、インテリジェンスの創業仲間たちはそうではなかった。結果的に成功すればいいなとは思っていましたが、それが目的ではなく、あくまでも「世の中に新しい価値をつくること」が起業の目的で、その価値観、志を完全に共有していました。

 だからみんな本当に会社を大事に考えていたし、会社が好きだった。私を含め当時の創業メンバーたちはいま、それぞれの領域で活躍中ですが、すごい人数のOB・OGたちも、いまだにインテリジェンスのことを愛しているし、そこにいたことを誇りに感じています。

―U-NEXTを立ち上げる際も同じ気持ちだったんですか。

 そうです。U-NEXTのルーツはUSENの月額課金型映像配信サービス事業や光ファイバー販売事業など。USENの社長時代に私の陣頭指揮で始めた新規事業です。しかし、リーマン・ショックの余波などでUSENの財務が悪化すると赤字部門だったこの事業は銀行さんから「絶対にやめろ」と言われ、整理対象に挙げられました。そのため個人でU-NEXTの株式を買い取りUSENから分離、新会社として設立しました。

 そのとき、USENを辞めてU-NEXTについてきてくれた社員は300人。みんな私の同志、仲間です。事業を守ることと仲間を守ることは、私にとって同じくらい大事なんです。

―赤字部門を引き継いだ新しいベンチャー企業が、いきなり300人もの社員を抱えるのは無謀に感じます。なぜスモールサイズでスタートし、徐々に規模を拡大していこうと考えなかったんですか。

 どうしてなんでしょうね(笑)。私の周囲の友人や知人からも「バカなことはやめろ」と待ったをかけられ、「最初は少人数でやればいいじゃないか」と諭されました。ただ、心配や不安はゼロではなかったんですが、それ以上に「仲間が集まれば一気に自分たちが掲げる目標に到達できるんじゃないか」。そんな確信があったんです。

 それに、ヘンな話、ついてきてくれた300人は「宇野を信じてやってみよう」と思ってくれた人たちなので、こういう人たちなら自分の給料を稼ぐくらいのことはしてくれるだろうと(笑)。そんな信頼感がありました。USEN時代から苦労をともにしてきた仲間であり、信じられる300人がいたからこそ決断できたんだと思います。大きな規模で始めるためだけに中途募集などで300人をかき集めていたなら、U-NEXTの今日はなかったでしょうね。

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