累計経営者579人に取材、掲載社数317ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

業界の起業家インタビュー

グローバル・リンク株式会社 代表取締役 冨樫 浩司

不可能の壁を次々と壊し夢のエネルギーを創る

グローバル・リンク株式会社 代表取締役 冨樫 浩司

※下記はベンチャー通信65号(2016年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

蓄電技術を強みにプラント小型化を実現

―急成長のきっかけを教えてください。

 当社製品を使ってくれたユーザーのクチコミのおかげです。「G-SOLAR」について、被災地以外の病院からの引き合いが多くなったのは、寄贈先の病院がクチコミを広げてくれたからです。
 また、2012年から施行された(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)も追い風になりました。「小型ができるんだから大型のソーラープラントもできるだろう」との依頼で、茨城県大洗町でメガソーラープラント建設を初めて手がけました。そこでの実績がクチコミで広がり、地方自治体や国内外の企業から大規模なソーラープラント建設の依頼を受けるようになりました。当社は営業部門を置いていません。技術系、開発系の“モノづくりベンチャー”として、確かなモノづくりを継続し、実績を積み上げ、信用力を高めていくことのみが成長エンジンです。

―御社が手がけている地熱バイナリー発電もエネルギー業界などから注目されていますね。地熱バイナリーとはどういうものか、概要を教えてください。

 蒸気の熱で水より沸点が低い2次媒体を沸騰させ、この媒体の蒸気でタービンを回して電気をつくる発電方式です。
 地熱発電は温泉の源泉など高温の温泉水を使うものと、蒸気を利用するものの2種類あります。温泉水を利用するタイプと異なり蒸気を利用する方式では「泉質が変わるのでは」「水温が下がるのでは」といった不安を払拭できるため地元の理解を得られやすく、今後、地熱発電のメーンの方式になると期待されています。また、地熱バイナリーは太陽光よりも発電効率がよく、地熱バイナリー発電における125kWの発電量が太陽光発電の1MWに相当するとされています。

―地熱を利用できる活火山のある地域の大半が国立公園に指定されており、その開発は制限されていますね。

 当社製品の場合、そうした心配もほとんどありません。なぜなら、当社の地熱バイナリー発電では、大きな用地を必要としないからです。一基あたりの必要な敷地は60坪、標準は3基なので、180坪の土地があれば十分。旅館やホテルなど既存の施設の遊休地を利用すれば建設可能なコンパクトサイズなんです。たとえば当社がM&Aで買い取った長野県の「フォーシーズンスパ・宝泉」の場合、敷地内のテニスコートを地熱発電プラントに転用しています。
 発電した電気は、地産地消で地元の旅館やホテルなどで利用します。発電所なみの設備メンテナンスが必要なので、地域の雇用創出にもつながるはず。今後も地元と協議しながら、地方創生の観点で地熱発電を推進していきたいですね。

―地熱発電プラントは通常、大規模施設である場合が多いですね。なぜ、御社では小型化できるんですか。

 独自の蓄電池技術があるからです。プラントは24時間、発電を続けますが、電気の利用量が少ない夜間は蓄電します。蓄電池をカスタマイズすることで、比較的小規模な設備で、効率がいい発電が可能になるんです。ダブル発電も、発電プラントの小型化に取り組んだ結果、実現した技術です。

夢の技術の実現にチャンレンジし続ける

―ダブル発電の概要を教えてください。

 大きなきっかけは「医療廃棄物の処理に悩んでいる病院が多い」という事実を病院関係者から教えてもらったことです。医療廃棄物を滅菌処理すれば一般廃棄物と同じになり処理コストが格段に下がります。そこで医療廃棄物やプラスチック廃棄物を溶融滅菌する超小型湿式滅菌装置「エコ・エンジェル」を開発。99.99%の滅菌率を実現しました。溶融滅菌された医療廃棄物などはインゴット(塊)となります。それを当社が開発した油化プラント「エコ・エース」に投入。重油を抽出します。こうした過程で生じる排熱を利用してバイナリー方式でタービンを回し、抽出した再生油で発電エンジンも回す。医療廃棄物などのプラスチック廃棄物から2回、発電できるのでダブル発電と名づけました。
 通常、プラスチック廃棄物の滅菌・インゴット化・油化・排熱利用による発電をやろうとすれば、プラント建設に18~20億円程度が必要。しかし、当社は小型化することで6~7億円でできるプラントをイチから設計しました。日本国内の病院をはじめ、海外の病院からも問い合わせがあります。

―いま、注力している新技術を教えてください。

 電磁ロータリー発電「G-SYSTEM」です。これは、市販の一般電源や化石燃料を使った動力源や自然エネルギーも必要としない、磁力を利用したまったく新しいタイプの発電機です。磁力のチカラで永久的に電力を生み出すことができ、騒音値は図書館よりも低いなどの特徴があります(詳細はコラム記事を参照)。すでに全国展開している大手フランチャイズ本部で試験導入する計画が進んでいます。
 今後、倉庫・工場・店舗などの事業用やマンション・戸建て住宅など静音性が求められる個人向けのほか、降雪時の除雪ヒーティング用として、さらには寒冷下における農業などで活用してもらえるのではないかと期待しています。

―今後、どんなチャレンジをしていくつもりですか。

 化石燃料を外国に依存してきた日本では“エネルギーを買う”という発想があたり前でした。しかし、これからは新しい技術で“エネルギーをつくる”という考え方をあたり前にしていきたいですね。蒸気や医療用廃棄物などを筆頭に、ムダに捨てられているエネルギー源はまだまだあります。きちんとした技術さえあれば、それらを電力などのエネルギーに低コストで転換することができるんです。
 また、エネルギー分野とは違いますが、障がい者の雇用促進にも取り組みたい。すでに研究・開発が進んでいますが、障がい者を補助するロボットなどを開発し、働く場も提供したいですね。夢の技術の実現こそが当社のミッション。これからも不可能を可能にするチャレンジを続けていきます。

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