累計経営者579人に取材、掲載社数317ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

業界の起業家インタビュー

グローバル・リンク株式会社 代表取締役 冨樫 浩司

不可能の壁を次々と壊し夢のエネルギーを創る

グローバル・リンク株式会社 代表取締役 冨樫 浩司

※下記はベンチャー通信65号(2016年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

税収増と文化財保護に貢献

 東京一極集中や少子化の影響などで子ども人口の減少に悩む地方都市。小学校などの廃校跡地を「道の駅」や簡易宿泊所にリニューアルするなど、その有効活用に取り組む自治体は多い。
 そうしたなか、常陸太田市(茨城県)が学校跡地を民間事業者に開放。太陽光発電所などを誘致し、過疎化と財政難が続くなか、雇用創出や税収増につなげる試みを始めている。計画が明らかになったのは2014年7月。グローバル・リンクが主体となり同市旧北小学校の運動場を有償で借り受け、457.2kWの太陽光発電所「クリーンパワー 旧北小学校第一期発電所」を稼働。売電事業を開始している。同所では約400kWの第二期発電所も建設。雇用創出や税収増に貢献しているという。
 同社は同県大子町の旧黒沢中学校跡地でも発電事業を行っている。同中学校本館は2014年12月に国の登録有形文化財、いわゆる「文化遺産」に指定された。グローバル・リンクでは売電事業と並行して、自社負担で校舎周辺の草刈りなどを実施。パート従業員を雇用して内部の保守も行っている。こうした同社の取り組みは新しい官民連携のカタチを提示している。

ボトルネックを解消

 グローバル・リンクは風力発電の分野でも一石を投じている。同社が着目しているのは20kW以下の小型風力発電。売電価格が55円と高額ながら、まだ設置事例が少ない点に着目した。
 しかし、風力発電は騒音問題から本格設置が進まず、海の上に風車を浮かべる洋上風力発電方式が本命視されている。ここで問題になるのがコスト。洋上風力の場合、設置や維持管理が容易な陸地に建設するよりもコスト高になるとされる。
 そこでグローバル・リンクでは、磁石を使ってボトルネックである騒音の解消に取り組んでいる。風力発電の騒音の大きな原因は、ベアリングの摩耗だという。そこで磁石で羽を浮かせ、摩耗時に発生する音をなくした。また、折り畳み式で、取り付けには起重機などの機械設備が不要という特徴もある。
 自治体と連携し、風の強い沿岸部に同社の小型風力発電機を数珠つなぎで設置する計画もあるという。海に囲まれ、風の通り道である地形の起伏に富み、四季があるため季節風が吹き抜ける日本は「風資源大国」でもある。同社では大手重電メーカーと連携し、小型風力発電の普及を進めていく計画。風力の分野でもグローバル・リンクの活躍が期待される。

地域の未来を創る

 グローバル・リンクが推進している地熱バイナリー発電は、じつは競合がほとんどいない市場だという。そうした有利な環境下、同社では高い技術力で短期間での投資回収を実現。ブルーオーシャンの市場を囲い込みつつある。
 同社の地熱バイナリー発電所は、1基あたり2億円の初期投資で、年商4000万円分を発電。年間のメンテナンス費用400万円にくわえ、1基あたり1~2名の雇用創出効果による人件費を踏まえても、6年で投資回収できるという。
 さらに「当社が創エネで得られる収入の3分の1は自治体に寄付をし、そのお金で大きなビニールハウスをつくるなど、新しい特産品をつくる原資として活用してもらいたい」(冨樫代表)と話す。
 既存の特産物以外にも、地熱を利用したビニールハウスでの温熱栽培を行えば、市場で高く取引されている完熟マンゴーや薬草、フルーツのように甘いトマトなど新しい特産物をつくれそうだ。
 同社では官民一体型で地熱バイナリー発電所建設の計画を進めている。そのうちのある自治体は、人口が2000人を切る過疎地域。移住を積極的に誘致しているが、雇用が少ないため定住してもらうには厳しい環境だ。そこで「未来を担う子どもたちのために、地域に何か残したい」と、自治体主導でグローバル・リンクの地熱バイナリー発電所を誘致した。
 グローバル・リンクはエネルギーだけではなく、地域の明るい未来をも創りだしていると言えそうだ。

活躍の場は世界に

 医療廃棄物などプラスチック廃棄物を油化し、その過程で発生する排熱を利用。抽出した重油と排熱回収によるダブル発電を可能にするのが超小型湿式滅菌装置「エコ・エンジェル」と油化プラント装置「エコ・エース」だ。
 プラスチック廃棄物は「エコ・エンジェル」に投入され、190~210℃で溶融滅菌後、150℃で30分以上滅菌。これにより滅菌率99.99%のインゴット(塊)が生成される。次にインゴットを「エコ・エース」に収納。450℃の高温で4時間かけて気化・冷却。重油を抽出する。こうした高温化で行われるプロセスで生まれる排熱を使ってバイナリー発電を行い、あわせて抽出された重油でも発電を行うのがダブル発電だ。
 日本のように地下資源に乏しく、経済発展で医療廃棄物やプラスチック廃棄物の処理に悩んでいる国は世界に多い。一切のムダがなく、捨てられていたもの、扱いに困っていたものをエネルギー資源として再利用する同社のダブル発電は海外の大病院なども積極的に誘致を進めているという。
 日本にとどまらず、世界のエネルギー問題、資源問題の解決に取り組むグローバル・リンクの今後の活躍が楽しみだ。

企業情報

設立 2011年4月
資本金 2億5,500万円
売上高 2015年9月期:43億6,000万円(グループ全体)、2016年9月期見込み:67億5,000万円(同)
従業員数 42名(グループ全体)
事業内容 再生可能エネルギー発電システム・プラントの開発・設計・施工・メンテナンス、新エネルギーの研究開発など
URL http://globallink.co.jp/

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