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著名起業家インタビュー

著名起業家シェアリングエコノミーの波に乗り いま、きみも勝負するべきだ

株式会社オプトホールディング 代表取締役社長CEO 鉢嶺 登

eマーケティングの雄、オプトが「今後4年間に150億円を新規事業へ投資する」と宣言したのは3年前。オプトホールディング代表としてグループを牽引する鉢嶺氏は、「もう使いきりましたよ」と笑う。20代でインターネットに触れ「私たち小さな企業が勝てる」と武者ぶるいした同氏。いま、シェアリングエコノミーの台頭に同じ高揚を感じ、新規事業への投資を加速中だ。では、いまの20代はどう動くべきか。鉢嶺氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信65号(2016年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「私は経営者に向かないのか」業績低迷で自問自答する日々

―27歳でオプトを創業した鉢嶺さんが、20代でぶつかったいちばん大きな壁はなんでしたか。

 ダイレクトマーケティングを展開する会社を立ち上げたものの、業績がいっこうに上向かなかったことです。私は中学生のとき、「世の中を変える仕事をしたい」と志を立て、起業家になろうと決めた。高校・大学・そして会社員時代は「なにをやるか」と「だれとやるか」を、つまり事業と創業メンバーを探す期間でした。

 準備万端整ったわけではないのですが、「もう待てない」と、新卒入社して3年目で会社を辞めて起業。最初は私ひとりで、都内の飲食店を自転車でまわりました。クーポン付きのFAXを大企業に送り、忘年会や歓送迎会などの集客をするサービスの営業です。

 仕事そのものは楽しかったのですが、利益はなかなか出ない。自分自身への報酬を減らして、なんとか赤字にならないように調整していた。「私は経営者に向いていないのか」と自問自答する毎日でした。

―そんな苦境を脱出したのは、なにがきっかけだったのでしょう。

 創業して3年ほどたったころに、インターネットと出会ったことです。心底ワクワクしましたね。資本も人材も拠点網もないベンチャー企業でも、ネットを使えば効率的に営業できる。むしろ、そうした大きな資産をもち、コストがかかる大企業のほうが不利になる。ゲームのルールが一気に変わったのです。

 織田信長が鉄砲と出会ったとき、似た高揚を感じたかもしれません。それまでは修練を積んだ騎馬武者を大勢抱えていれば最強だった。でも、そんなもの鉄砲をもった足軽で簡単に撃破できる。信長が刀や弓矢より鉄砲に重きを置いたように、私もサービスをFAXからネットにシフトしたのです。

 そして、2000年に開発した、ネット広告の効果を測定できるシステム「ADPLAN(アドプラン)」が顧客から高い支持を獲得。会社を成長軌道に乗せることができたのです。

ことの成否をわけるのは事業に取り組む情熱だ

―ネット時代の到来のような劇的な変革の波に乗れた鉢嶺さんの世代は、めぐりあわせがよかったとも言えますね。

 いまの若い世代にも、大きな波が来ていますよ。シェアリングエコノミーの台頭です。これからは、モノを「買う」から「共有する」へ、大きくシフトしていくのです。この新しいトレンドを支えるビジネスモデルやテクノロジーの開発に、オプトは大きな投資をしています。この新領域を切り拓くビジネスには、巨大な成長が見込めるからです。

―変革の波が来ていても、経験のとぼしい20代が起業するのは無謀ではありませんか。

 いいえ。成否をわけるのは事業に取り組む情熱です。それは若い世代のほうが強くもっているケースが多い。

 実際、こんな例があります。オプトでは約1年間かけて、課題レポート作成や合宿などを通じて経営者に必要なスキルを学ばせる「経営者育成研修」を実施しています。次世代の経営者を育てるねらいでスタートしました。でも、研修の成績上位者は、20代の若手が多いのです。彼らのほうが、この研修に情熱をもち、より多くの時間をさいているからでしょう。

 それに、若いほうが失うものが少ない。「年収1000万円で、配偶者と子どもがいて…」という状態では、なかなか起業に踏み切れないでしょう。でも、新卒入社数年目の若手なら、失うとしても、たいした年収ではない。むしろ、起業して得られるモノのほうが圧倒的に多いはずです。

圧倒的な経験・人脈・ノウハウを得られる方法が起業だった

―それはなんですか。

 経験とノウハウと人脈です。26歳のとき、私は「この先15年、会社勤めを続けた場合と起業した場合とで、得られる経験・ノウハウ・人脈・お金はどう違うか」を考えてみた。答えは「お金はマイナスになるかもしれないが、経験・ノウハウ・人脈は圧倒的に起業したほうがプラスになる」。

 20代は自分に投資して、経験という資産を積み上げる時期。その投資が40代・50代になったときに大きなリターンをもたらします。経験には「失敗経験」も含む。そんな経験という資産をたくさん積める、いちばん効果的な投資方法が起業なのです。

学生時代に起業して失敗したら就職すればいい

―起業やベンチャー企業への就職に関心をもつ学生にメッセージをお願いします。

 就職せずに起業するのもひとつの道だと思います。最先端テクノロジーやビジネストレンドはシリコンバレーから発せられます。そこでは、“スタンフォード卒業"よりも“スタンフォード在学中に起業"という人材のほうが、市場価値が高いのです。スタンフォードに入れる学力があり、起業というリスクテイクができる。そして、失敗も含めた豊富な経験をもっている人材だからです。

 いずれ、日本でもそんな人材が引っ張りだこになる時代が来る。学生のみなさんにはどんどん起業してほしい。事業に失敗して、「会社のいちメンバーとしてやり直そう」というときは、オプトが喜んで採用します。だから、なんのリスクもないですよ。

鉢嶺 登(はちみね のぼる)プロフィール

1967年、千葉県生まれ。1991年に早稲田大学商学部を卒業後、森ビル株式会社に入社。1994年に米国で発展していたダイレクトマーケティング事業を日本で展開するため有限会社デカレッグス(株式会社オプトを経て現在は株式会社オプトホールディング)を設立、代表取締役社長に就任。2000年に広告効果測定システム「ADPLAN」(アドプラン)を開発、販売開始。顧客から高い支持を得た。2004年にジャスダック上場。2013年に東証一部上場。2015年に持ち株会社体制へ移行し、株式会社オプトホールディングの代表取締役社長CEOに就任。著書に『ビジネスマンは35歳で一度死ぬ』(経済界)がある。ブログ:http://www.opt.ne.jp/holding/ceo/

企業情報

設立 1994年3月 
資本金 76億4,500万円(2015年12月末現在)
売上高 640億円(2015年12月期:連結)
従業員数 1,381名(2015年12月末現在:連結)
事業内容 グル―プの戦略立案と実行ならびに子会社の管理
URL http://www.opt.ne.jp/holding/

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