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著名起業家インタビュー

著名起業家たかが焼鳥屋でも世の中を明るくできる

株式会社鳥貴族 代表取締役社長 大倉 忠司

「全メニュー280円」。フトコロにやさしい焼鳥店として客足がたえない鳥貴族。1985年に大阪で旗あげし、現在までに関西・東海・関東に約500店を展開するまでに発展、2016年に東証一部上場企業の仲間入りを果たした。一代でこのチェーンを築きあげたのが代表の大倉氏だ。飲食業界に新風を巻き起こした同氏に、大衆によりそうビジネスが生まれた背景などを聞いた。

※下記はベンチャー通信66号(2017年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

革命児ダイエーのモデルを焼鳥店に応用する

―鳥貴族の2016年7月期売上高は245億円超。2017年7月期には300億円突破を視野に入れています。好調の要因はなんでしょう。

 焼鳥という単一メニューにこだわってきたことです。低価格路線を掲げる飲食チェーンは多いですが、そのなかには「デフレだから仕方なく」という理由で低価格にしたところもあるでしょう。でも、私たちは違います。「焼鳥という料理を、より大衆のものにしたい」。そんな志が最初にあって、たどりついたのが「すべてのメニューが280円均一」だったのです。

 創業当時、私が参考にしたのは流通革命を起こしたダイエーです。スーパーをチェーン展開することで可能になる大量仕入れで、メーカーから商品の価格決定権を奪い、消費者に手ごろな価格で提供する。その大衆によりそったビジネスのあり方に魅了されたのです。

 焼鳥店に勤務していて、焼鳥が大衆に愛されるメニューであることを実感していた私は、「同じことが焼鳥店でできないか」と考えるように。それがいまから約30年前、1985年の創業のきっかけでした。

―単一メニューにこだわることで、原材料の仕入れによるスケールメリットが大きくなるわけですね。

 はい。それに店舗スタッフのオペレーションも単純化できます。接客に時間とアタマをよりつかうことができ、顧客満足度が高まる。一方で過剰な労働を減らし、スタッフのモチベーションを高めることもできるのです。

 「デフレだから仕方なく」低価格路線を採用したところは、スタッフのモチベーションの維持に悩んでいる企業が多いでしょう。コストはかけられず、でも多くのメニューをつくって顧客満足度を高めなければいけない。いきおい、過剰な長時間労働といったスタッフの犠牲によってなんとか両立させることになります。これでは、モチベーションがあがりません。

休みの日に鳥貴族の店へ社員がお客として来る

―しかし、それは飲食業界では避けられないことではありませんか。ほかの業界よりも離職率が高いのが現実です。

 当社の離職率は業界平均よりも低い数字で推移しています。決して避けられないことはありません。そのためには労働環境の整備にくわえ、経営理念を浸透させ、自分たちのやっていることに誇りをもってもらうことも大事。鳥貴族には「たかが焼鳥屋で世の中を変えたいのです」との文言で始まる理念があります。

 たかが焼鳥屋ですが、されど焼鳥屋。世の中を明るくすることもできるんじゃないかと。私たちの店の入り口に、営業時間中は「うぬぼれ中」という札がかかっています。普通の店なら「営業中」です。焼鳥屋として、お客さまに楽しんでもらい、少しずつでも世の中を明るくしている時間だからです。

 これが浸透しているあかしでしょうか、「鳥貴族大好き」という社員が多いですね。休みの日に、お客として鳥貴族に来て、一杯やっている社員がよくいますよ。

学生が大倉氏に「未来の鳥貴族」をプレゼン

―ほかの飲食店ではあまり見かけない光景ですね。では、飲食業界の人手不足が深刻化するなかで、どうやって人材を確保しているのか教えてください。

 おもに2つあります。ひとつは、店舗からたたき上げてくる人材。アルバイトとして店で働いた後、正社員に昇格する人材がけっこういます。いまでは正社員の約3分の1がアルバイト出身者です。なかには留学生としてアルバイトしていた外国人人材もいます。

 もうひとつは新卒採用。「これからの鳥貴族をどうしたいか」を考えてもらい、事業計画を私に提案してもらうインターン制度をもうけています。経営者視点で鳥貴族をとらえ、「未来へ向けて仕事をしたい」という意欲ある学生を採用するための施策です。

焼鳥という日本文化を海外に輸出したい

―今後のビジョンを教えてください。

 2021年7月期までに東名阪エリアで1000店舗を出すことを目標に掲げています。その後は、長期目標である国内2000店舗の実現と、海外進出にチャレンジしていきます。焼鳥という日本文化を海外に輸出できたらいいですね。

―ベンチャー企業への就職や起業に関心のある学生にメッセージをお願いします。

 学生でいる間に、高い志をもってほしい。社会をよりよくすることを考えて、社会に出たら実行に移してほしいのです。その手段は、必ずしも起業することではないかもしれません。でも、すばらしい起業家の人生や実績から学ぶことは、志を涵養するためのよい方法です。ですから、できるだけ多くの起業家の本を読んで、学んでほしいですね。

大倉 忠司(おおくら ただし)プロフィール

1960年2月、大阪府生まれ。高校、調理師専門学校を経て、ウェイターとして大手ホテルチェーンで働く。1982年、焼鳥店に転職。1985年に独立、東大阪市内に「鳥貴族」1号店をオープン。1986年に株式会社イターナルサービス(現:株式会社鳥貴族)を設立、代表取締役社長に就任。全メニュー280円の低価格路線が支持され、出店を拡大。2014年にジャスダック上場。2015年に東証2部、2016年に東証1部に上場。

企業情報

設立 1986年9月
資本金 14億8,868万5,125円
売上高 245億900万円(2016年7月期)
従業員数 601名(平均臨時雇用者数2,812名)
事業内容 「鳥貴族」の営業とカムレードチェーン事業
URL https://www.torikizoku.co.jp/

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