累計経営者579人に取材、掲載社数291ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

ITどんな成功例もいらない。自分流を世界のモデルにしてみせる

株式会社フルアウト 代表取締役 金田 和也

広告効果を最大化するFullOuT ※DSPがゲーム業界をはじめとする顧客から支持され、アドテク業界の成長株として脚光を浴びるフルアウト。だが、代表の金田氏は「アドテクだけをずっとやっていくとは限らない」と語る。めざすは「どんな事業をやろうとも革新をもたらし成功させる、世界のロールモデルとなる会社」。そのビジョンをどのように実現するのか、独自の人材育成術を中心に同氏に聞いた。

※DSP:Demand-Side Platformの略。オンライン広告において最適な広告枠の選定や配信条件の最適化などの機能を提供するツール

※下記はベンチャー通信67号(2017年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「そこそこの会社で終わるよ」メンバーの言葉にハッとした

―フルアウトはなにをめざす会社ですか。

「世界のロールモデルとなる」ことです。 それは、「フルアウトって、なにをやってもうまくいくね。八百屋をやってもあの会社ならなにか革新を起こして成功させるよね」といわれるようになること。どんな事業・どんな仕事をするにしても、社員みんながイキイキと働いている。そんな組織をつくりあげれば、おのずと達成できるはずです。

―お手本となるモデルはない、と。

 はい。じつはそのことを改めて確信させるできごとがありました。以前、さまざまな成功ベンチャーをお手本にして人事評価制度などを導入したんです。「メンバーが増えてきたから、オフィス環境や社内の制度を整備しよう」と考えたからです。「成功したベンチャー企業をモデルにしたから、これでフルアウトも同じように大きく成功するはずだ」と社員に説明したんです。

 ところが、社員からは不評でした。「そこそこの会社になるイメージしかない」と。「金田さんについていけば、ほかにはない大きな成功をおさめる会社の一員になれる。そう信じていたのに」というんです。そこで他社をお手本にした制度の導入をストップして、自分のオリジナルなやり方に立ち返りました。

率直に話してくれ。オレも率直に話すから

―金田さんのオリジナルのやり方とは、どんなマネジメントなのですか。

 まず、社員と率直にコミュニケーションをとることです。

 じつは社内制度導入と並行して社員への接し方も変えたんです。それまでは「社員と一緒に走る」というやり方をしていたんですが、ほかの成功ベンチャーをみて、「マネジメントにはカリスマ性が必要だ」と思ったからです。社員とは距離を置いて、幹部を通して報告を聞き、指示を出すやり方にしました。しかし、どうもしっくりこない。これもやめて、もとのやり方に戻しました。

 いまでは社員と直接会話し、いいたいことをいいます。そして「オレに対しても、率直にいっていいよ」と伝えています。それ以来、社員も私に対していいたいことを遠慮なくいうようになりました。

―社長に対して社員が率直にものをいうのは難しいのではありませんか。

 フルアウトではそれができています。その理由のひとつは、私がなにをいわれても、いったんはうけとめるようにしているからでしょう。頭ごなしに否定したりはしません。そうやって私が「社員からの否定的な意見もうけとめる」という姿勢をみせることで、社員のほうも私の厳しい指摘をうけとめてくれるようになる。私との“腹を割ったコミュニケーション”によって、自らの弱点に気づき、その弱点とトコトン向き合って飛躍的に成長してくれるようになりました。

―そんなコミュニケーションを通して、成長した若手社員の具体例を教えてください。

 アルバイトから昇格した20代の男性の話をしましょう。アルバイトとしては非常に仕事ぶりがよかったのですが、昇格したとたん、成績がさっぱりあがらない。社員としての大きな責任を引き受けたことがプレッシャーになってしまったんです。自信をなくして、いったんは会社を辞めたんです。そのままフェイドアウトするかな、と思っていたら、「もういちどやり直したい」という。そこで、アルバイトとして復帰させたんです。

 しかし、以前のようには活躍できない。周囲には「がんばっているのに、社員に戻れないのはなぜだ」とグチっているようでした。欠勤を続けて出社してきたとき、私は彼に伝えました。「いちど辞めた会社に戻ってきた勇気はすばらしい。でも、『がんばっているのに評価されない』なんて他人の責任にしている限り、いまの状況は打破できない。しっかり自分に向き合わない限りダメだ」と。

 すると彼は、私の目をじっと見ながら「やれない自分を認めて、絶望してしまうのがこわかった」と泣きながら話してくれました。それが彼の心の声だったのです。この一件から、彼は素直になれた。そして率先して仕事に取り組むようになり、念願の社員復帰を果たしましたよ。

できないからやらないのか やろうとしないだけなのか

―どんな人材を求めていますか。

 「自分と向き合える人」です。たとえば、いま仕事ができないとします。それは「やろうとしない」のか、「できない」のか、自分と向き合えば明確になります。「できない」なら、できるようにするための能力をつけたり、できる人にまかせたりすればいい。でも、「やろうとしない」のであれば、それは自分自身の意識だけの問題です。自分と向き合えば「チャレンジするだけだ」と、わかるはずです。チャレンジすると結果がどうであれ、成長を実感します。すると自分に自信がもてるようになり、イキイキと働けるはずです。

―学生へのメッセージをお願いします。

 「小学校を卒業したら次は中学だ」というのと同じ感覚で、「大学を出たから社会人になる」という考えはやめたほうがいい。いまはアルバイトの時給が高いですし、就職しなくても食べていくことはできます。そんななかでも就職するのですから、「自分はなんのために就職するのか」ということを大切にしてほしいですね。重要なのは「ひとりではできないことをなし遂げるために会社に入る」という視点です。

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