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IT業界の起業家インタビュー

株式会社エス・ケイ通信 代表取締役 廣瀨 勝司

ITどこまでも一人ひとりに向き合う そこが「ウチらしさ」です

株式会社エス・ケイ通信 代表取締役 廣瀨 勝司

※下記はベンチャー通信68号(2017年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

驚異の成長を遂げているエス・ケイ通信。その成功の陰には、主力事業を統括しながら、「大家族主義」の理念を組織の末端にまで落とし込み、進化の道筋を設計してきたふたりの経営幹部の存在がある。川名、正能両取締役だ。ここでは、強さのヒミツや今後の事業戦略などについて語ってもらった。

営業力の強さのヒミツは全社規模の明確な分業制

―主力事業を統括する立場として、エス・ケイ通信の強さのヒミツをどう分析しますか。

川名 キーワードはスピードです。じつは、当社が主力にする顧客管理システムであれ、LPO(※)ソフトであれ、われわれが業界に先がけて開発したものはありません。しかし、後発にもかかわらず勝てているのは、お客さまのニーズをいち早く反映し、先行商品を上回る商品を開発できているからです。問題解決のサイクルが圧倒的に短い。そのスピード感が他社との明確な差別化になっているのでしょうね。

正能 そのスピード感を支えているのは、全社にわたる明確な分業制です。それぞれの業務範囲を細分化したうえで、その領域をきわめることに専念できる仕組みがある。それが営業力の強さにもつながっています。

※LPO : ランディングページ最適化。インターネットマーケティング手法のひとつ。Webサイト訪問者が会員登録や商品購入など収益につながる取引を行う割合を高めること。

―営業力には、強いこだわりがありますね。

正能 もちろんです。今の時代、無いものなど無いといっていいほど、商品やサービスはあふれている。差別化にも限界があります。オリジナリティを追求するのは大前提ですが、いくら差別化された商品でも「売れる組織」がなければ売れません。売るのはどこまで行っても人。営業部門としては、「営業担当者自体がバリューになること」が理想です。

川名 なにか問題があったときこそ、「エス・ケイさんにまかせておけば大丈夫だろう」とお客さまに思われる組織をつくる。いわば、組織としての差別化ですね。

―そうした差別化された組織は、どのようにつくられるのでしょう。

川名 上司と部下、メンバー同士の関係値を深めること。それに尽きます。その究極のカタチとして、われわれが掲げているのが「大家族主義」という経営理念です。家族であるがゆえに、周りのメンバーのことも自分事。厳しい指導をすることもあれば、結果を残したときは一緒にうれし涙を流すこともある。そうした関係値の積み重ねが強い一体感を生み、ほかにはない組織をつくるのです。

正能 関係値を深めるためには、ときにわれわれが直接、メンバーに関与することもあります。メンバーのマネジメントは管理者に全権委任してはいますが、われわれが無関係になることは決してありません。役職を飛び越えて関与しなければならないときもある。つねに全メンバーに目を向けています。

大震災の混乱をメンバーの一体感で乗り越える

―メンバーの一体感こそが「エス・ケイらしさ」というわけですね。その一体感が発揮されたエピソードはありますか。

川名 真っ先に思い起こされるのが、2011年3月。東日本大震災は被災地のみならず、東京でも会社機能がストップしてしまうほどの影響をもたらしました。

正能 われわれだけでなく、お客さまや訪問先企業の被害も大きく、メンバーも営業活動どころではありませんでした。

川名 そんななか、自然と社内から「会社のために、なにかできることはないか」という声があがりました。震災の影響が無かった九州に舞台を移し、われわれの営業力を活かして「九州の子会社ネットワークを支援しよう」という話になったんです。

正能 普段、一緒に働いているメンバーが翌週から九州各地に飛び、離れ離れになりながらも一体感をもって見ず知らずの環境で懸命に営業に走り回りました。

川名 結果、過去最高益を達成してしまった。最高益という結果よりも、あの苦境をメンバーの一体感で乗り越えることができたという経験は、今でも社社内で語り継がれる「伝説」になっています。

―今後、会社をどう発展させていきますか。

川名 役員陣のミーティングでよく出てくるキーワードが、「つぶれない会社にしたい」ということ。会社としては売上高100億円を当面の目標にしていますが、いたずらに規模を追うのではなく、もう一度足元を見つめ、営業の仕組みを強化していきたいです。

正能 同じ認識です。100億円を超えたなら、ひとまずは「肉体改造期」に入る必要がある。再現性のある結果が出し続けられるように、現場を統率する優秀な人財の育成に一層力を入れ、筋肉質な身体をつくる。それができれば、面の展開、新事業への挑戦、いずれも可能だと思っています。

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