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IT業界の起業家インタビュー

株式会社アルディート 執行役員 二本柳 陽士

IT仕事に追われるだけのエンジニアはもういらない

株式会社アルディート 執行役員 二本柳 陽士

システムエンジニアリングサービス(SES)とシステム企画開発を事業の主軸に、競争が激しい業界にあって設立以来16期連続で増収を続けるエンジニア集団、アルディート。その躍進のヒミツを、「全エンジニアに行き渡る営業マインド」と語るのは、同社執行役員の二本柳氏だ。自社の事業を「製造業ではなく、サービス業」と言い切る二本柳氏に、独自の人材育成法や育成環境などについて聞いた。

※下記はベンチャー通信69号(2017年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

あえて専任の営業部隊はもたない

―競争が厳しいシステム業界で継続的な成長を続けています。その原動力はなんでしょう。

 それは、全エンジニアに行き渡っている「営業マインド」です。主力のSES事業では、だれよりも顧客のそばにいて、その課題や悩みを把握しているのがエンジニアです。それはまるで患者の身体のことはなんでも知っている「町医者」のような存在です。そして、その仕事ぶりが評価されてこそ、次の仕事の受注につながる。その意味では本来、エンジニアは技術を提供するだけの存在であってはなりません。エンジニアにこそ、営業マインドが必要なんです。ですから当社では、「構築したシステムに対して報酬をもらう」のではなく、「構築したシステムが顧客にもたらす成果に対して報酬をもらう」という意識を大切にしてきました。当社でつね日ごろ、社内のエンジニアに自社の事業を「製造業ではなくサービス業」と語りかけているのは、そのためです。

―どうやって営業マインドを育んでいるのですか。

 専任の営業部隊をいっさい置かず、エンジニアに大きな裁量権を与え、顧客との折衝をすべてまかせる体制をとっています。営業がいないので、顧客と接するのは自分たちしかいない。そんな意識が育ったエンジニアには、「会社の顧客」ではなく「自分の顧客」という意識が強く養われ、営業マインドが自然と育っていくのです。

 ですから当社のエンジニアは、ときに提案書の提示や金額の交渉など、エンジニアでは通常たずさわれない仕事を体験することができます。その過程で、「コミュニケーション能力」も養われるでしょう。アルディートで育つエンジニアのスキルは、ひと味違います。

―すべてのエンジニアに営業マインドを浸透させるのはかなり難しいことですね。

 簡単なことではないですが、決してできないことではありません。われわれが大事にしている「営業マインド」というのは、単に顧客と折衝する能力を意味しているわけではありません。地道にプログラミングに専念して顧客の課題を解決する姿勢や、新たな技術提案を愚直に重ねる姿勢も立派な営業マインド。エンジニアにもそれぞれ得手不得手がありますが、そのなかで、いかに自身のもち味を活かして顧客に貢献できるか。その意識こそが大事なんです。

 その結果、次の仕事は「アルディートに」ではなく、「○○さんに」と個人名で指名してもらえるようになるのが理想ですね。

めざすは「究極のSIer」

―そのほかに、人材育成で大切にしていることはありますか。

 「営業マインドが大切」とはいいながら、われわれはエンジニア集団であることもわすれてはならないこと。ですから、エンジニアがつねに最先端の技術に対するリテラシーを高められる環境を用意しています。技術の進歩が速い昨今、SESで中長期間、客先へ常駐していると、エンジニアとしてのスキルが硬直化し、技術の進歩に取り残されてしまう懸念があります。そのため当社ではここ数年、自社プロダクトの企画・開発や最先端技術を追う社内の開発組織を整備・強化し、つねにエンジニアが技術優位性を保ち続けられるように配慮しています。この開発組織は現在、50名規模に育っています。

 さらに、横浜本社のほか、札幌、米国との3拠点体制を構築するなかで、拠点間の人材交流によってエンジニア同士が互いに刺激しあいながら最先端の技術を吸収しています。

―開発組織を強化した成果はいかがでしょう。

 スマートフォン向けモバイルアプリなどはもちろん、さらにはヒト型ロボット『Pepper』向けアプリや機械学習による未来予測、会話自動化などの分野で、続々と成果があがってきています。なによりも、「新しいことに挑戦しよう」というマインドがエンジニアの間に育っていることが最大の成果です。

―次なる成長にむけたビジョンを聞かせてください。

 現在、事業の主軸となっているSESや請負開発は、いずれも人員の規模が収益に直結するモデルです。このビジネスモデルからさらにもうひとつ、人員規模に依存しない新しいモデルを見出すことが、「次なる成長」のテーマです。そのためには世のなかにまだない価値を提供する新しい自社プロダクトが必要です。その強力な武器をもって、顧客に対してより革新的な価値を提供するのが、われわれがめざす「究極のSIer」の姿。社内の開発組織で育っていく技術やエンジニアの存在が、「次なる成長」の原動力になってくれると信じています。

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