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著名起業家インタビュー

株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者(CEO) 牧野 正幸

著名起業家圧倒的に優秀な人材しかほしくない

株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者(CEO) 牧野 正幸

経営資源を有効活用するERP※パッケージソフト「COMPANY」シリーズの開発・販売・コンサルティングを手がけるワークスアプリケーションズ。日本の大手企業向けに、カスタマイズすることなく導入できるERPパッケージソフトを業界で初めて開発し、国内シェアNo.1※の座を獲得。1996年の創業以来、17期連続で増収を実現し、売上高が300億円近くに達する"メガベンチャー"だ。同社は、ユニークなインターンシップを実施していることでも有名で、「後輩にオススメしたいインターンシップランキング」で、6年連続第1位に選出(ジョブウェブ調べ)。さらに、Great Place to WorkRが実施している「働きがいのある会社」ランキングでも6年連続ベスト4位以内に選ばれている。なぜこれほどまでに、大きな注目を集めているのだろうか。代表の牧野氏に、インターンシップのねらいや社内の取り組みについて聞いた。

※下記はベンチャー通信56号(2014年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社が毎年開催している『問題解決能力発掘インターンシップ』は2002年から実施し、合計約25万人の学生が応募しています。なぜ、これほど大きな注目を集めているのでしょう。

牧野:いわば「本物のインターンシップ」を行っているからでしょうね。あくまで一般論ですが、日本で実施されているインターンシップは大きく2種類にわかれます。数日で終わる短期型と、半年や1年ほどかけて実施される長期型です。前者の場合はあまりにも時間が限られているため、実質的には職場見学。後者はアルバイトのような業務をまかせることが大半です。事務作業や営業同行など比較的単純な仕事がほとんどですから。当社のインターンシップは、それらとは一線を画しているのです。

―どのようなインターンシップを行っているのですか。

牧野:参加した学生にいくつか課題を与え、1ヵ月かけてひたすら取り組んでもらっています。たとえば、「理想の時計をつくりなさい」「空港業務で活用されるためのソフトウェアを考案しなさい」といった課題です。課題抽出、問題提起、企画立案とすべて自分で行い、最終的には自力でシステム構築までを行うのですが、参加者のほとんどはプログラミングの未経験者。しかし、社員からプログラミングを教えることもしませんし、参加学生同士の相談はいっさい認めない。徹底して自力で考えることが求められます。その後、なんとかしてつくりあげたプロダクトを現場で活躍しているエース級の社員にプレゼン。「なぜこれをつくったのか」「メリットはなにか」など、きわめて実践に近い質問が飛びます。そこで得たフィードバックをもとに、さらに試行錯誤しながら課題に取り組んでいく。これをひたすら繰り返すのです。

―そうしたカリキュラムを実践する目的を教えてください。

牧野:圧倒的に優秀な人材を見極めるためです。当社が考える「圧倒的に優秀な人材(クリティカルワーカー)」とは、高学歴で学校の試験で好成績をとる人材ではありません。ゼロからイチ(価値)を生み出す、問題解決能力をもった人材です。問題解決能力を発揮するには、直面した問題を徹底的に分析し、理想とする解決策へのシナリオを筋道立てて描くためのロジカルシンキング(論理的思考能力)と、既存の枠組みにとらわれることなく、新しい視点でものごとをとらえるクリエイティブシンキング(発想転換能力)が必要。そのどちらが欠けても、ゼロからイチを生み出す仕事はできないのです。ロジカルシンキングは、筆記試験や面接を通じてある程度確認できます。一方、クリエイティブシンキングの有無は短期間で判断できません。本人が困難な壁にぶち当たり、どのように乗り越えるかを確認してこそ、見極めることができる。また、適性がある学生にとっては「与えられるより、自ら考えて問題を解決する仕事が向いているのでは」と気づくきっかけになる。1ヵ月の時間をかけて、あえて正解がないようなカリキュラムを実施しているのは、そのためなのです。プログラミングのスキルを見たいのではまったくありません。プログラミングはあくまでも個人の考えをアウトプットさせるためのツールにすぎないのです。

―なぜ、圧倒的に優秀な人材を採用しようと考えたのですか。

牧野:「クリティカルワーカーに活躍の場を」というスローガンを、企業理念のひとつに掲げているからです。これは、私がかつてシリコンバレーで受けた衝撃が原点になっています。20代後半のとき、その地で目の当たりにしたベンチャー企業は、本当に優秀な人材ばかりが働いていた。そもそもアメリカでは一番優秀な人材は起業し、その次に優秀な人材はベンチャー企業で働く。大手企業を希望するのは、そこからもれてしまった学生なんです。なぜならベンチャーは、組織が固まっていなくてバックアップがないので、なんでも自分が責任をもって成し遂げられる。彼・彼女らは、そういった環境こそ自己成長につながることを知っているんです。

―環境が整っている大手より未成熟ゆえに、いろいろまかせてもらえるベンチャーのほうがスキルや経験が身につくと考えているわけですね。

牧野:ええ。日本以外ではキャリアにおいて重要視されるのは「どんな大きな組織で働いたか」ではなく、「自分がなにをやったのか」。20代のうちにできるだけ自分の価値を高め、その後に起業したり、大手の幹部として引き抜かれたりするのが理想のキャリアプランなのです。たとえば、Google創業期のスタッフ。「この会社はきっと大きくなる!」というモチベーションで働いていたとは思えない。「将来どうなるかはわからないけど、組織は固まってないし、優秀なヤツばかりで、非常に困難なことに取り組んでいる。この環境なら成長できる!」と考えたはずです。それがシリコンバレー全体に根づいている文化。しかも、そんな環境の会社がゴロゴロある。ひるがえって、日本にそんな会社があるかと考えたとき、当時は1社も思い浮かばなかった。これはもう「どういうこっちゃ」と。いまのままでは、いつまでたっても日本の優秀な学生は成長のドライブがかからず、米国に立ち遅れてしまう。そこで、自分で会社を立ち上げようと考えたとき、"とんでもなく優秀な人ばかりが集まる会社"をつくりたいと考えたわけです。

※ERP:Enterprise Resource Planning。企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念、およびこれを実現するITシステムやソフトウェアのこと。
※国内シェアNo.1:市場占有率推移(パッケージ市場)販売社数シェア 出典:株式会社富士キメラ総研 ソフトウェアビジネス新市場 2013年版

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