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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長 岡村 陽久

アドウェイズが保有する100億円のキャッシュから資金を提供

成長を志すすべてのベンチャーへ告ぐ

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長 岡村 陽久

※下記はベンチャー通信特別号/2014年 IPO市場 最前線号(2014年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―なぜアドウェイズ・ベンチャーズを立ち上げたのですか。

岡村:アドウェイズを創業してから3年間ほど、資金繰りにかなり苦労した経験があるからです。当初は赤字続きだったので、訪問販売のアルバイトをしながら生計を立てていました。少しずつ経営が軌道に乗りはじめたので、人を増やしてオフィスを拡張。すると、一気に人件費と家賃の支払いが重くなりました。売上はあがっていたのですが、広告代理業なので先に持ち出しが発生するモデルだったんです。よく営業担当者が「お金がないので前払いにしていただけませんか」とお客さまに頭を下げていました。当時は必死でしたが、いま考えるとありえないですよね(笑)。あの当時にアドウェイズ・ベンチャーズのような会社があったら、もっとスピーディーに成長できたと思います。現在、マーケット環境は非常に良好。「いいサービスやアイデアはあるけど、資金がない」といった拡大志向のベンチャーの力になりたいと考えています。

―投資に際しての条件を教えてください。

岡村:当社となんらかの形で取引ができるか、事業シナジーがあるか。条件はその2つだけです。だから、VCよりも審査が圧倒的に速い。彼らはエグジットをひとつの目的にしているので、株価をいくらにするのか、比率をどうするかなど、検討事項がたくさんあります。一方、当社の場合は目的が異なるので、出資比率や株価は気にしません。過去には、申し出から1週間で資金を提供したこともあるくらいです。これまでの1社あたり投資額は、最低500万円、最高6,000万円。特に上限は設けていません。

―資金面以外のサポートはありますか。

岡村:開発リソースを提供しています。アドウェイズは従業員1,100名のうち、500名以上がエンジニア。これほどのエンジニアをかかえているITベンチャーは、国内に数社しかありません。技術者不足で開発が進まない企業には、人材を派遣するケースもあります。また、当グループはアジアを中心として10以上の海外拠点を展開。この現地リソースを利用することで、通常なら1年ぐらいかかる業務を1~2ヵ月に短縮できます。さらに、アドウェイズはほとんどの国内ネット系企業と取引があるため、シナジーがありそうな企業を紹介することが可能です。

―今後の投資方針を聞かせてください。

岡村:銀行やVCとは違う、当社ならではの柔軟なスタイルでベンチャーへの投資を推進していきます。2013年の投資実績は、8社に対して総額1億5,000万円程度。2014年はもっと増やす計画です。これまでの投資案件は取引先からの申し込みや知人からの紹介が中心ですが、先日Facebookに「100億円の資金を確保した」と書いたところ、たくさんの問い合わせが。こういう方法もアリだなって思いました(笑)。興味のある経営者の方は、ぜひ連絡してほしいですね。当社のホームページからでも、私のFacebookへのメールでもかまいません(笑)。
PROFILE プロフィール
岡村 陽久(おかむら はるひさ)プロフィール
1980年、埼玉県生まれ。中学卒業後、訪問販売会社に入社し、トップセールスとして活躍。2001年に株式会社アドウェイズを設立し、代表取締役社長に就任。モバイルのアフィリエイト広告事業を軸に急成長を果たし、2006年に東証マザーズへ上場。2011年、ベンチャービジネスの発掘・育成を目的に株式会社アドウェイズ・ベンチャーズを設立し、取締役に就任。2013年10月、アドウェイズが約60億円の資金調達を実施。現預金を合わせて約100億円のキャッシュを背景に、投資事業の拡大をはかる。
企業情報
設立 2001年2月
資本金 14億7,914万2,000円(2013年3月末時点)
売上高 226億3,954万9,000円(2013年3月期:連結)
従業員数 1,100名(2013年3月末時点)
事業内容 インターネット(PC)アフィリエイト広告事業、モバイルアフィリエイト広告事業、メディア開発・運営事業
URL http://www.adways.net/
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