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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社Red Comet Management 代表取締役CEO / マーケティングコンテンツコンサルタント 宮﨑 晃彦

コミュニケーションのスペシャリストが主催するオンライン・ラーニングとは

日本独特のビジネス慣習に縛られず、周囲から必要とされる人材を目指せ

株式会社Red Comet Management 代表取締役CEO / マーケティングコンテンツコンサルタント 宮﨑 晃彦

コロナ禍を経てテレワークやオンラインミーティングが普及するなど、日本のビジネススタイルは大きく変化した。Red Comet Management代表の宮﨑氏は、「日本独特のビジネス慣習を変えない限り、仕事の生産性は高まらない。そのため、仕事のやり方をアップデートする必要がある」と警鐘を鳴らす。20年以上にわたり、BtoB企業を顧客としたプロジェクトマネージャー、コンサルタントとしての経験をもつ同氏に、詳細を聞いた。

無意識にチャットで長文を、送りつけていないか

―なぜ、仕事のやり方をアップデートする必要があるのでしょうか。

 ビジネス環境が大きく変わるなか、これまで通りの仕事のやり方をしていると、この先、生き残っていけなくなるからです。

 近年、コロナ禍で働き方が一変しました。リモートワークが当たり前になり、社内外のコミュニケーションは対面からWeb会議へ、電話とメールからチャットへと移行。ビジネスパーソンの多くは、最初は戸惑いつつも、徐々にこうした変化に慣れていったと思います。これらの変化で、通勤や移動の時間がなくなったことによる業務効率化など、恩恵を受けた人もいるでしょう。その一方で、ほとんどの人は恩恵を十分受けられていません。その原因は、日本独特のビジネス慣習にとらわれた「仕事のやり方とコミュニケーション」が、まったく変わっていないからなのです。

―どういうことでしょう。

 たとえばチャットです。チャットはメールよりも簡潔かつ気軽にコミュニケーションを図るツールです。なのに「いつもお世話になっております」から始まる、メールと変わらない文章を長々と送っていないでしょうか。これだと相手はパッと見て読む気が起きず、何が言いたいのかが伝わりづらく、アクションが遅れます。また、これはチャットに限った話ではありませんが、アポをとる際、「いつご都合がよろしいでしょうか」と聞いてくるケース。最初から候補日時を3つくらいあげておけば、相手は「Yes」「No」で答えられます。でも、やらない。結果、やりとりの工数が増えてしまう。なぜこうしたことが起こるのかというと、日本のビジネス慣習が「遠慮」を美徳としているからなのです。

新しい働き方に「更新」できる、オンラインの塾を開始

―詳しく教えてください。

 これらは「いきなり本題に入ると失礼だ」「自分の都合を先に伝えるより相手の都合を聞かないと」などの遠慮を優先することで、結果的にコミュニケーションの弊害となっているのです。顧客相手だけでなく、上司との関係も同じです。日本の文化を否定するつもりはありませんが、「時と場合によって使い分けしましょう」ということです。そうした慣習に疑問をもつ若者も、上司に「そうしろ」と言われ「そういうものか」と従わざるをえない。「たかがそんなこと」と思う人もいるかもしれませんが、海外のビジネスパーソンは言語の違いから、曖昧とか遠慮というものがなく、素早い意思決定が次々となされています。それが、「海外と日本における生産性の差を生む大きな要因」だと私は考えているのです。テレワークやオンライン会議の導入が遅れた背景にも、日本独特のビジネス慣習があったと思います。そこで、私はこれからの新しいビジネス環境に合わせて働き方を「更新」できる、オンライン・ラーニング『ニューノーマル時代の働き方アップデート塾』を始めたのです。

―具体的にどのようなレクチャーを行うのですか。

 リモートでも簡潔に、明確なコミュニケーションを図るための「文章を書く力」「ビジネストーク(話す)力」「資料作成力」、以上3つのスキル向上を目指すものです。また、そのスキルの土台となる「コンサル流の課題解決思考」「顧客・相手視点のマーケティング思考」「ワークスタイル&マインドセット」などのフレームワークの実用手法も伝授します。まだプロトタイプの段階ですが、実際に受講した方々からは「目からウロコです」「これまでなんとなく行っていたが、ここまで体系的に学んだことがなく、すっきりした」といった声が聞かれています。実はこうした「仕事のやり方」は、コンサルティング企業や外資系企業などでは当たり前に実践されていること。ただ、日本の若者には、会社で学ぶ機会がなかっただけなのです。

―なぜこのようなオンライン・ラーニングを提供しようと考えたのでしょう。

 これは、私自身の経験に基づいています。私は20年以上にわたり、GAFAクラスの外資系企業から国内大手、中堅中小企業、ベンチャー企業など数百社の企業とのプロジェクトを実行してきました。なかでも、外資系IT企業と仕事するなかで感じた、日本企業との「違い」がベースになっています。

―どのように違うのでしょうか。

 相手の方々が、とにかく電話を嫌う。「電話ではなくメールで連絡してくれ」とはっきり言われる。まだ2000年代前半で、私自身「メールしたら電話して確認しなさい」と上司から言われていた頃からです。電話が使えないとなると、メールでわかりやすく意図を文章で伝える工夫をせざるをえない。そこからスマホ、Web会議、チャットなど次々とコミュニケーションツールが登場するたび、周囲の誰よりも早く使わざるをえませんでした。日本企業がコロナ禍で慌てて使い出す遥か前から、仕事で使いこなしてきたのです。そこで実感したのが、日本のやり方と比べて圧倒的に仕事の進め方が早いこと。それは、コミュニケーションの「質」によるところが非常に大きいのです。コロナ禍の対応でも、その差は歴然です。そこで私は、日本のビジネスパーソン、特に若い人たちに、「日本独特の古い慣習にとらわれず、仕事のやり方を更新したほうがいいと知ってほしい」と考えたのです。
Red Comet Management社提供

https://www.red-cm.com/

「仕事のやり方」を更新すれば、成果も変わる

―ビジネスパーソンとしてさらなる成長を遂げたいと考えている若者にメッセージをお願いします。

 くり返しますが、これまでの慣習にとらわれず、「仕事のやり方」を更新しましょう。そうすれば、働き方が変わり、成果が変わり、評価も変わることで会社に必要とされる人材になれます。周りの人と違うことをすると、上司から怒られるかもしれません。私もしょっちゅう怒られました(笑)。ただ、私自身、「仕事のやり方」を変えて損したことは一度もありません。むしろ、プロジェクトがサクサク進み、成果も出て、仕事が楽しくなりました。実際、いま毎日仕事をしていて楽しくて仕方ありません。仕事が早く進んで成果を出せば、誰も文句は言いません。むしろ周りの人から感謝され、周囲にも新しい「仕事のやり方」が波及していくはずです。私は優秀だったのでもなんでもなく、たまたま変化せざるをえない機会に恵まれ、周りの人よりも早く実践したから大きな成果が得られたのです。「仕事はプライベートを充実させるために仕方なく我慢してやるもの」と考えている人は、ぜひ塾に参加して、「仕事のやり方」のOSをアップデートしてほしいですね。
PROFILE プロフィール
宮﨑 晃彦(みやざき てるひこ)プロフィール
1970年、福岡県生まれ。大学卒業後、映像情報専門商社に入社し、営業職を担当。2003年、BtoBマーケティングコンテンツ制作会社に入社し、企画・制作を担当。株式会社ショーケース・ティービー(現:株式会社ショーケース)にて執行役員、株式会社北斗社にて事業部長を経て、2018年に株式会社Red Comet Managementを設立、代表取締役CEOに就任。現在は、BtoBマーケティングコンテンツコンサルタントとして企業支援を行いつつ、個人ビジネスパーソン向けオンライン・ラーニング「ニューノーマル時代の働き方アップデート塾」の立ち上げを準備中。
企業情報
設立 2018年7月
事業内容 BtoBマーケティングコンサルティングサービス事業、BtoBマーケティング・研修・セミナー事業、導入事例コンテンツ制作、各種コンテンツ企画・制作、各種イベント企画・運営
URL https://www.red-cm.com/
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