ソフトウェアの受託開発をメインに、インフラサービスの構築や技術者派遣など、ITにかんする事業を幅広く手がけているグッドワークス。2018年度には、売上15億円を突破。創業以来、順調に成長を遂げている。そんな同社が、2018年7月より若者を対象にしたIT業界への就職支援サービス『ぼくらのあした』を新たにリリースした。いったいどのようなサービスなのか。代表の須合氏に、サービスの詳細を聞いた。
※下記はベンチャー通信77号(2019年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
住居・研修・就職斡旋まで、実質無料でサポート
―『ぼくらのあした』とはどのようなサービスなのですか。
地方の若者を対象とした、成長支援事業です。「東京でエンジニアとして働きたい」という意欲をもつ地方の若者に向けて、東京で住居と職業訓練を提供し、IT企業への就職斡旋までを行うのです。
具体的には、まず当社がWebで全国の若者に対して『ぼくらのあした』を紹介。興味をもって応募してきた人にWeb面談を実施し、「本気でエンジニアをめざしたいか」を基準に、僭越ながら当社が選定。合格者には上京してもらい、当社が運営するシェアハウスを提供。その後、1ヵ月もしくは2ヵ月にわたって、プログラミング研修をしっかり受けてもらいます。その後、当社のキャリアカウンセラーが面談し、上場企業も含めた約1,500社ある紹介先のなかから、希望する企業をマッチングするのです。
―事業の特長はなんでしょう。
若者は、実質無料にて東京で生活しながらプログラミング研修から就職斡旋まで受けられるという点ですね。参加者からはまず、「チャレンジ金」として1ヵ月研修の場合は5万円、2ヵ月の場合は10万円を当社が預かります。そして、当社が紹介した企業に就職すれば、就職先からフィーを受け取り、チャレンジ金をお返しする仕組みなのです。「個人的な事情でプログラミング研修を途中辞退した」といったケースを含めて、就職率は90%以上。サービスを開始してから約1年で、100名以上の当社卒業生が就職をはたしています。
有料スクールを提供している就職斡旋企業はありますが、当社のようにITに特化し、実質無料で職業訓練まで行っているところはほぼないでしょう。
東京との環境格差により、くすぶっている若者の支援を
―そもそもどうしてそのような事業を行っているのですか。
志をもつ、地方の若者を支援したいからです。このサービスを行う前は、東京の若者を対象にした無料のプログラミングスクールを行っていました。しかし、いざ募集をすると、東京以外の若者からの応募が多いな、と。そこで面談を重ねるうちに、地方の若者は「成長企業でスキルアップしたい」と強い志をもっていても、東京にくらべるとどうしてもそれが限られてしまう。そのような環境から、たとえ真面目で優秀な若者でも、地元でくすぶってしまっていることに気づいたんです。そうした若者に対して、もっとエンジニアという仕事を知ってもらうとともに、働くチャンスを提供するのが使命だと感じたのです。
さらに、社会的な問題も事業立ち上げのきっかけにつながっています。
―社会的な問題とはなんでしょう。
日本が抱える、慢性的なエンジニア不足です。経済産業省によると、「IT人材の不足」は2020年に約37万人、2030年には約79万人と予測されています。現状でさえエンジニアが不足しているのに、人口減少にともないそれが加速してしまう。それに少しでも歯止めをかけるためには、ゼロからIT人材を育成する必要がある。当社は、その原資を地方に住んでいる若者の純粋な志に求めたのです。
―サービスの評判はいかがですか。
サービス開始直後から応募者が殺到し、「やはりニーズがあったんだ」と実感しました。また、卒業生からは「地元で将来が見えなかったけど、理想とするような企業に就職できた」「東京での生活を支援してくれたので、研修に集中することができた」といった声が聞かれています。
一方企業からは、社内研修を行う必要がないため、コストメリットを感じてもらっています。さらに、地方出身者ならではの素直さや真面目さが評価され、「こんないい子がいるなら」と、数人まとめて紹介を希望されるケースもありますね。
地方に拠点をつくり、もっと支援の幅を広げたい
―今後のビジョンを教えてください。
ゆくゆくは、地方の主要拠点に「就職支援カフェ」をつくり、もっと多くの若者にこの事業を知ってもらい、応援していきたいと考えています。さらに、東京に限らず、地方の技術者不足に悩む企業とのマッチングも図り、地域活性に貢献できたら、と。
そうすることで、「若者の夢を応援し、チャレンジと達成をサポートする」という当社のビジョンを追求していきたいですね。
須合 憂(すごう ゆう)プロフィール
1980年、東京都生まれ。システムエンジニアを経て、2004年、東証一部上場の人材派遣会社に入社。営業として、所属店の売上を全国1,500店舗中No.1へと導く。2007年、株式会社グッドワークスを設立し、代表取締役に就任。2018年7月、地方の若者を対象に、上京支援、プログラミング研修、就活サポートを行うサービス『ぼくらのあした』を開始。
企業情報
設立 | 2007年1月 |
---|---|
資本金 | 2,500万円 |
売上高 | 15億3,000万円(2019年3月期) |
従業員数 | 160名 |
事業内容 | ソフトウェア受託開発、インフラサービス構築、エンジニア教育、技術者派遣、人材紹介など |
URL | https://www.good-works.co.jp/ |
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新着インタビュー記事最終更新日:2019/12/02

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